地合いの良い紙とは?見た目の均一性が重要だが好みもある!

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地合いの良い紙

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、地合いの良い紙とは、というお話。

管理人、「地合い」という言葉は
会社に入るまで知りませんでした。

紙の業界だけではなくて
株とか囲碁でも使われるそうで。

紙の場合だと見た目の均一性とか
繊維の分散状態という感じですかね。

株の場合は相場の状態、
囲碁の場合は地の釣り合いだとか。

管理人は株も囲碁もよく分かりませんが。

多分、他の業界でも地合い、
使われていると思います。

それはそうとして。

今回は紙のお話。

紙の場合、地合いはとても重要です。

見栄えを左右するわけですからね。

はっきりいいましょう。

紙は見た目が9割です!

管理人の場合は印刷用紙が
長かったので余計にそう思います。

印刷用紙なんて印刷してナンボ。

地合いが悪かったらその印刷が
キレイにできないんですよね。

文字主体ならまだしも、図柄とか
ベタの多い場合は最悪です。

特に空色なんて地合いが悪いと
もうモンモンした感じになるんです。

逆に地合いが良ければ
スッキリした空になる。

製造する側としては
とても気にするところです。

ということで。

この記事では地合いの
良い紙について

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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地合いの良い紙とは見た目が均一なもの

すでにお話しましたが地合いの
良い紙とは見た目が均一なもの。

確認するためには後ろから強い
光を当てて見ればいいです。

たとえば日中窓ガラスに
紙を貼り付けるとか。

そうすれば紙の均一性がわかります。

それで。

技術的に言うとパルプ繊維の
分散状態がいいものです。

逆に言うと繊維が不均一でかたまったり
薄かったりすると地合いが悪いわけです。

繊維がかたまったように見えるところを
専門的にはフロックと呼んでましたね。

このフロックをできるだけ作らない
というのが腕の見せ所なんです。

ただこれはマシンによって特徴があるし
操業員によっても好みがあります。

具体的には言葉では示せませんが
見た目がスッキリしているのがいい。

ボコボコしているのは駄目。

その程度のことは言えますかね。

【地合い不良の原因】

この地合、やっぱり善し悪しがある。

では、地合い不良の原因はなにか?

これはなかなか難しいんですが
管理人の知ってることをお話します。

地合いが悪い原因はフロックが
発生するからなんですが

フロックというのはパルプ繊維が
かたまってしまうことをいいます。

パルプ繊維はワイヤーの上に流して
そのままにしておくと集まってくるんです。

お互いにくっつこうとするんですね。

だからそのままにしておくと
必ずフロックが出来てしまう。

だからワイヤーパート上でフロックが
出来ないようにしないといけない。

なのでなるべく早く脱水したほうがいい。

管理人の経験では米坪が厚いと
地合いは取りにくかったと思います。

なかなか脱水できませんから
自由になったパルプ同士がくっつく。

そしてフロックになる。

そんな紙はみるとびっくりするような
ボコボコの紙になります。

わざとそんな紙にしている
ファンシーペーパーか、とか。

散々言われたことがありますね~

条件としてはかなり要因は複雑で
ジェット(パルプ分散液の噴射速度)と

ワイヤーの速度が上手く合わないと
なんか地合いが悪い、となります。

パルプ中に添加している薬品でも歩留
向上剤が入ると地合いが悪くなりやすい。

歩留向上剤というのはパルプ原料の
歩留りを向上させる薬品のこと。

これはパルプ同士をくっつける
働きがあるんですよね。

それで歩留りは上がるけど地合いは悪くなる。

似たような薬品で紙力増強剤
というのも地合いを悪化させます。

とにかくネバネバした系の薬品は
地合いに悪い印象がありますね~

マシンの能力にあった米坪とか
品質の紙を製造すれば地合いはいい。

無理をすると地合いは良くない。

そういう感じです。

ただし。

管理人が製紙会社をやめる頃には
機械的に地合いを改善する

ツインワイヤーマシンというのが
出来ていたように思います。

地合いが悪くなる前に上から
ワイヤーで抑えてしまうという感じ。

その設備は劇的に
地合いが良くなってました。

ただ、抄紙機の場合、ちょっと改造する
と言っても何億円もかかるんですよね。

それに一度改造してしまうと
元に戻す訳にはいかない。

投資金額が大きいしリスクもあるので
どこまで進んでいるかは分かりません。

古い機械にわざわざお金をかける
という気にもならないでしょうし。

こういうことって経営判断なので
技術者がどうこう言っても仕方ない。

残念ながら技術者とか操業員とかが
頑張っても設備改善にはかないません。

管理人からすると経営陣に
理解者がいればと思いますね。

地合いをわざと崩すときもある

ここまで地合いのお話をしてきました。

基本的に印刷用紙を想定しているので
地合いをよくすることがメインでした。

ただ、特殊な場合では地合いを
わざと崩すこともあります。

たとえば先程あげたファンシーペーパー。

これはそういう出来損ないの
ボコボコを楽しむ感じですかね。

管理人の記憶ではそれ以外だと
PPC用紙も地合いを崩していました。

今はどうか分かりませんが
以前はそんな事をしてましたね。

理由はコピー機の搬送性改善のため。

地合いが良くてしなやかな紙より
地合いが悪くて剛直な紙がよかった。

それでわざと地合いを崩してました。

コピー用紙なんで地合いが悪くても
基本的に文字ばかりだからいいかなと。

今はコピー機が良くなっているので
そんなことはしないと思いますけど。

それから針葉樹クラフトパルプが多い
包装紙も地合いが取りにくい紙です。

封筒とか紙袋ですね。

大抵は印刷が単調で会社の名前とか
ロゴとかその程度なので気にしません。

それよりも強度重視なので。

品種によって重要性は違う
というのはあると思います。

管理人のまとめ

今回は、地合いの良い
紙についてというお話でした。

管理人は印刷用紙が長かったので
やっぱり地合いはきになるんです。

印刷物の見栄えに直接
関係しますからね。

できるだけ地合いの良い紙にしたい。

でもそれには限界があって最終的には
マシン改造が必要ということもありました。

なかなか難しい問題だと思います。

経営側からすると地合いが良くても
売値が上がるわけではないですから

その設備費は必要なのか
となってきますから。

管理人は良いもの作るならお金は
かかるだろうと思いますけどね~

この記事が、地合いの良い紙の
参考になればと思います。

紙の見た目、気にしてみて下さいね!

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