紙にラミネートするとき。表面光沢を間違えないこと!

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管理人の紙コンサルこと、
べぎやすです。

このカテゴリでは紙のラミネートについて
についてお話したいと思います。

紙にラミネート加工、よくありますよね?

身近で見るのは雑誌の表紙。

同人誌を自作するときだと
結構悩むんじゃないでしょうか。

グッズでラミカだとかパウチしたりとか
喫茶店のメニューとかにも使いますね。

ラミネート自体は他にも色々使われていて
たとえば紙コップの内側なんかはラミ加工。

シールの台紙で黄色い剥離紙のときは
だいたいラミネート加工されてます。

ラミネートされるものは色々ですが
表面の保護のためが多いですね。

個人が何かするケースとしては
印刷物の保護目的で使います。

そこで考えておきたいのが
表面の光沢をどうするかということ。

光沢(グロス)のあるクリア加工か
マット加工かで印象が違いますから。

ということで。

このカテゴリでは紙のラミネート
特にラミネートの表面性について

管理人が元製紙会社社員の立場から
お伝えしたいと思います。

【紙のラミネートは表面の光沢感を考えて選ぼう】

紙にラミネートをする場合、
表面の保護が目的。

しかし、表面性をどうするかも
重要なポイントとなります。

たとえばコピー本を作るとき、
表紙をどうするかはとても重要。

作品内容が写真集で
表紙にラミネートするなら

光沢感のあるクリア加工を
選択したほうが内容に合います。

しかし落ち着いた雰囲気の重い本なら
マットラミ加工の方が良いかもしれません。

もちろんこれは作者の好みになりますが。

グッズでも同じこと。

ラミネートの表面を光沢にするか
マットにするかで印象が変わりますし、

ラメを入れてキラキラさせるとか
そういう工夫も出来るわけですね。

飲食店のメニューなんかでも
ラミネートをしますが

光沢があると高級感が出るものの
光って文字が読めないかも知れない。

お店の雰囲気もあるでしょうから
TPOを考えて選んだ方がいいでしょう。

【紙のラミネートの原紙の光沢は表面に影響しない】

紙にラミネートをする場合の表面性は
ラミネートの表面性で決まります。

だから紙自体の表面性は
あまり関係ありません。

マット紙を選んでいてもラミネートが
クリア加工なら光沢が出ます。

逆に光沢紙を選んでいても
ラミネートがマット加工ならマット。

もしもコピー本の表紙を
インクジェット印刷で自作するなら

マット紙を選んだほうが
安くていいでしょう。

光沢紙がダメというわけではないですが
コスト的にもったいないかなと。

なお、インクジェットは光沢とマットの
価格差が大きいので

こういう考えになりますが、
一般のコート紙の場合は

価格差が少ないので光沢は光沢、
マットはマットでも良いと思います。

【紙のラミネート カールについて】

ここからは元製紙会社社員として
お話させて下さい。

紙にラミネートすると大抵カールします。

カールというのは反りとも言いますが、
その名の通り紙が反ってしまうこと。

ひどいときはクルクルと
巻物のようになることもあります。

紙の見栄えを良くするための
ラミネートでカールは良くないですね。

たとえば熱をかけてフィルムと紙を
貼り合わせる場合は

延伸されていたフィルムが熱で緩んで
収縮するとカールします。

なお延伸というのはフィルムを
引っ張って延ばしたということです。

また片面だけフィルムを貼った場合、
保管される環境によっては

フラットに貼り合わせていても
後日カールすることがあります。

それは紙が吸放湿で伸び縮みする
という性質によります。

そもそも紙は吸湿すると伸びて
乾燥すると縮む性質があります。

これはパルプ繊維が親水性で
吸湿すると繊維の絡みがほぐれて伸び

乾燥すると繊維が絡まって縮む
からなんですね。

片面だけラミネートしていた場合、
ラミネート面は吸放湿しませんが

ラミネートの反対面は吸放湿するので
紙が伸び縮みするわけです。

だから湿度の高い環境に置くと
紙は吸湿して伸びてカールするし、

湿度の低い環境に置くと
紙は乾燥して縮んでカールします。

こういうことが分かっている印刷屋は
紙を環境に馴染ませる工夫をします。

個人がラミネートをする場合
そこまでのことは出来ませんが

ラミネート後の急激な湿度変化は
出来るだけ避けるべきでしょう。

普通の紙は湿度50%-60%程度で
使えるように製造されています。

この湿度は人間が快適に過ごせる湿度。

だから普通の部屋ならいいのですが
夏や冬、特に冬は乾燥するので要注意。

それからラミネート後は出来れば
カールを防止するために

重しを乗せるとかの対策を
取った方が良いかもしれません。

ラミネートまでして本の表紙が
丸まったままでは悲しいですから。

なお、両面ともラミネートした場合は
吸放湿によるカールはありません。

パウチなんかはそんな感じですね。

ただし変な癖がつかないように
パウチをしたら冷める前に

フラットになるように
重しなどをしておくべきでしょう。

【管理人のまとめ】

今回は紙のラミネートについて
お伝えしました。

同人誌なんかを作るとき表紙は大事。

ラミネートをするかどうか、
ラミネートするなら光沢はどうするか。

作品の雰囲気に合わせてほしいところ。

結構悩みどころだと思います。

飲食店のメニューなんかでも
お店の雰囲気に合わせたいですね。

それからカールについても
少し触れました。

片面ラミネートの場合、
ある程度のカールはします。

だから後から重しを乗せるなどして
矯正するのが現実的だと思います。

この記事が紙のラミネートをするときの
参考になればいいなと思います。

上手くラミネートが出来れば
グレードアップした感じになります。

上手くラミネートして下さいね!

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