紙と印刷の関係。プリンタや方式によって品質の違う理由

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管理人の紙コンサルこと、
べぎやすです。

このカテゴリでは
紙と印刷の関係をお話します。

紙と印刷は切っても切れない関係。

印刷技術の発達に伴い
紙の品種も増えていきました。

見た目は同じようでも
少しずつ進化しているんですね。

家庭用ではインクジェットとか
レーザープリンタなどがありますが、

これらのプリンタに対応するために
紙も進化してきました。

また商業印刷でも高速化が進み、
その速度に耐えられるように

紙の表面強度改善に取り組むなど
技術的な進化は続いています。

それ以外の変化としては
カラー印刷が当たり前となり、

その対応としてコート紙や
微塗工紙が増えているのもありますね。

このカテゴリでは紙と印刷について、
管理人が関わった具体例をまじえて

どのような展開をしてきたのか
お伝えしたいと思います。

【紙と印刷 印刷機への対応】

紙と印刷は切っても切れない関係ですが
紙は素材として使われる側なので

印刷技術の発展にともなって
品質を改善してきたという感じです。

紙の場合ITのような速度ではないので
技術の進化は分かりにくいのです。

しかし着実に変化しています。

管理人が入社した平成元年にも
インクジェットプリンタはあったんですが

今のようにカラーではなかったし
正直使い物にならないレベルでした。

しかしその後10年程度の間に
パソコンもプリンタも進化して

紙の方もインクジェットに対応するため
インクジェット専用紙が出来ました。

レーザープリンタ用紙や
コピー用紙もそうでした。

それまでになかった技術に対応するため
それまで考えたこともなかった

紙の表面抵抗値などを
管理するようになりました。

家庭での身近な紙ですが
印刷とともに変わった紙といえば新聞紙。

管理人が子供の頃、
もう40年以上前ですが、

当時の新聞紙はまだ凸版印刷で
オフセット印刷ではありませんでした。

だから配達されたばかりの新聞は
手で触るとインクがついたものです。

しかし今はオフセット印刷ですし
インクも変わっているので

少しぐらい手で触っても
インクは付きません。

新聞紙も高速化に伴い
表面強度改善をしていますし、

軽量化しても紙切れしないとか
裏抜けしないとか

古紙配合率が増えても
品質が落ちないとか

印刷だけが要因ではありませんが
色々変わってきています。

新聞の場合はネットのお陰で
情報を集中管理する必要がなくなり

印刷工場を消費地に近いところに
持っていくことができるようになった。

そのため大量印刷向けの
凸版印刷から

印刷部数が少なくても
印刷しやすいオフセット印刷に変わった。

だから紙も変わった。

そんなふうに聞いています。

こういうのは電子製版などの
技術進化が大きいんでしょうね。

今では新聞原稿の差し替えも簡単で
刷版(印刷用の版のこと)も

CTP(コンピュータ・トゥ・プレス)
と呼ばれる方法で作られるので

なおさら少部数での素早い対応が
出来るようになっているようです。

それから商業印刷のケースでは
印刷速度のアップへの対応があります。

管理人が経験したことですが、
コート紙で紙粉や紙ムケが増えた。

紙粉とか紙ムケというのは
紙の表面強度が低いと発生しますが

紙の品質は変えていないのに
何故だろうと思っていた。

それでクレーム処理のために
印刷会社に訪問すると

新しい輪転機を導入したので
印刷速度が上がったというんですね。

印刷速度が上がるということは
紙の表面強度が従来のままだと

紙粉や紙向けに耐えられないのですが
その情報がなかったわけです。

こんなことでも
紙が対応しないと使えない。

それで表面強度が強くなるように
塗料に配合する接着剤を増やしたり、

薬品メーカーに接着剤の性能向上を
お願いしたりした記憶があります。

製紙会社の立場としては
接着剤、バインダーともいいますが、

これを増やすとコストが上がるので
出来るだけ増やしたくないんですが

印刷機に対応するしなければ
紙は使ってもらえない。

コート紙の表面強度対策自体は
技術的に難しい話ではありませんが、

ユーザー情報を掴めなかったという
結構恥ずかしいクレームの話でした。

【管理人のまとめ】

今回お伝えしたのは
紙と印刷についてでした。

紙は印刷の進化とともに
進化しています。

インクジェット印刷や
レーザープリンタのように

従来の商業印刷とは
全く違う印刷方式の場合

紙もそれに合わせて
開発しなければいけません。

また古くからある品種であっても
ユーザーニーズの変化や

印刷の高速化に伴い
紙も変わらなければならない。

ここでは新聞紙とコート紙を
取り上げましたが、

これらはたまたま
管理人が見聞きした話であって、

実際には似たようなことが
もっとあると思います。

紙の進化は10年、20年というような
時間で変わっていくので

普通には分かりにくいんですが
これからも少しづつ進化していくはず。

そして紙と印刷は相互に関係しあって
これからも変わっていくのでしょう。

新聞もチラシも出版物も
ITにおされて減っているので

紙の使用量も減っていますが
形を変えてでも生き残ってほしい。

管理人の世代では
印刷物になるというのはステータス。

新聞や雑誌に載ったり本を出したら
すごい人だと思ったもの。

今でもネットより出版物のほうが偉い
という気持ちです。

この記事を読んで紙と印刷の関係に
少しでも興味を持っていただければ

管理人の恥ずかしい話も
役に立ったのだろうと思います。

そして紙を使う時には
印刷方式に合った紙を使って下さいね!

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