
広報紙と広報誌の違いとは?見た目がタブロイド型か雑誌型か
広報紙と広報誌の違いは何でしょうか?広く報告するのは同じですが見た目が違うようです。前者はタブロイド型で新聞の半分程度の大きさ、後者は雑誌型でA4やB5サイズのものになるようです。広報紙と広報誌の違いは一応ありますが現状では広報紙が優勢なようです。
紙の知識と雑学の世界へようこそ!このブログでは製紙会社に技術者として16年間勤務した元製紙会社社員が、その経験を元に紙の知識と雑学について語ります。紙に関する悩みを解決する紙のコンサルタント、略して「紙コンサル」として紙に関する本音を公開します!
管理人の紙コンサルこと、
べぎやすです。
このカテゴリのお話は
紙の違いについてです。
紙の違いが起こる理由って
何だと思いますか?
管理人の考えでは
用途が増えるからだと思います。
それぞれの目的に合った紙を作る。
当たり前のことなんですが
そうやって種類が増えていると。
新しい用途が出てくれば専用紙を作る。
考えてみればそうやって
新商品の開発をやっていました。
このカテゴリでは紙の違いが起こる理由と
何がどう違うのかについて
具体的な例をあげて
お伝えしたいと思います。
【紙の違いが起こる理由】
紙の違いが起こる理由は
用途に合わせるため。
小さな変更によるものから
大掛かりなものまで色々あります。
いくつか例を挙げてみます。
まず酸性紙と中性紙。
見た目は同じですが抄紙PHが違う。
一般紙質としての
重さや厚さ、色調などが同じでも
使われている薬品が違うので
抄紙技術としては大違いです。
これは長期保存出来る用途のために
開発された紙ということになります。
次に古紙配合品。
再生上質紙とか
古紙入り上質紙と呼ばれるもの。
本来上質紙というのは
バージンパルプ100%の紙なので
古紙入りというのはおかしいんですが
そういう用途が出てきたということ。
これも見た目は上質紙と同じですが、
技術的にはずいぶん違います。
主に原料側の問題で
古紙パルプの漂白度合いとか
夾雑物を少なくするとか
そういう部分でずいぶん違います。
見た目は同じでも
内容や種類は違うんですね。
それから上質系インクジェット用紙と
コピー用紙と上質紙。
これらも見た目は同じですが
中身が違います。
インクジェット用紙はインクジェット用、
コピー用紙はコピー用。
上質紙は印刷用紙とか筆記用紙。
それぞれ用途が違うんですね。
インクジェット用紙とコピー用紙は
今では兼用紙が多いですが、
インクジェットプリンタが
良くなる前は明確に別れていて、
インクジェットプリンタで
コピー用紙を使ったら
にじんでしまって印刷できない、
という状態でした。
もともとは上質紙だけでしたが
コピー機やインクジェットが登場し、
それに合わせて紙の種類が増えた
ということです。
見た目が同じようでも
品質が違うということでは、
白い封筒に使われる晒クラフト紙と
上質紙も違いますね。
どちらも白い紙ではあるんですが、
晒クラフト紙の方が紙力が強い。
何が違うかというと
パルプ配合が違います。
色が白いパルプは
晒クラフトパルプになるんですが、
針葉樹から作られるとNBKP、
広葉樹から作られるとLBKP
と呼ばれていました。
針葉樹というのは、松などが原料、
広葉樹というのは、ユーカリなどが原料。
葉っぱの形が
針状なら針葉樹、広ければ広葉樹です。
こんな樹木の種類が
何の関係があるのかということなんですが、
実は針葉樹の方が
広葉樹よりも繊維が長くて紙力が強い。
逆に広葉樹の方が繊維が短いので
表面が滑らかになりやすい。
だから白い封筒の場合は
針葉樹から作られるパルプNBKPが多く、
上質紙の場合は
広葉樹から作られるLBKPが多い。
これは色が白いということで
見た目は似ているのですが
用途は包装用紙と印刷用紙ですから
種類としてはまったく違う紙です。
【紙の違い 用途が同じで品質が違う】
ここまで紙の違いについて
いくつかの例を挙げました。
これまでとは逆に、
用途が同じでも微妙に品質が違うため
種類が増えてしまう、
というパターンもあります。
たとえば新聞紙。
何気なく毎日見ていると思いますが
実は各新聞社ごとに紙は違います。
正直言うと微妙な違いなのですが
製紙会社からすると明確に違います。
○○新聞社向けの新聞用紙
ということになるんですね。
新聞の米坪(1㎡あたりの重さ)は
何パターンかあります。
こんな感じ。
XL紙(超々軽量新聞用紙)40.5g/㎡
SL紙(超軽量新聞用紙)42.8g/㎡
L紙(軽量新聞用紙)46.2g/㎡
名前に「軽量」と付いているのは
以前はもっと重かったということ
それが淘汰されて現在に至ると。
各社とも米坪にこだわりがあったり
色調にもこだわりがある。
極端なところでは
新聞抄紙機の真ん中の部分だけとか、
印刷トラブルを避ける意味なんですが
そういう要望もありました。
製紙会社としては出来るだけ
品質を同じにしてもらって
ロットを大きくしたいところですが
なかなか簡単にはいかなかった。
せっかく品種統合しても
また米坪を下げたいとか
そういう要望が出るわけで
キリがなかった記憶があります。
そういう意味では
書籍用紙も似たようなものでした。
こちらのほうがロットは少ないし、
こだわりは強い。
しかも新聞と違って
ガンガンと値下げ要求が来る。
製紙会社としては
色調がちょっと変わっただけでも
品種が増えて
管理のコストや手間がかかる。
用途は同じなのに
なんでこんなに品種を増やすのか、
差別化と言われたらそれまでですが、
何だか理不尽だと思ってましたね。
【管理人のまとめ】
今回は紙の違いについてでした。
紙の違いは用途による。
用途が増えていく中で
種類が増えて違う紙になっていく。
そんなお話でした。
具体例もいくつかお話しましたが、
元製紙会社社員としては
むやみに品種を増やさないでくれ
という気持ちが強かったですね。
いずれにしても。
紙の違いは必要あってのこと。
見た目が似ていても中身は違う。
用途に合った紙を作っているので、
その種類を使って欲しい。
たかが紙ではありますが
色々工夫をしています。
紙とは上手く付き合って下さいね!
広報紙と広報誌の違いは何でしょうか?広く報告するのは同じですが見た目が違うようです。前者はタブロイド型で新聞の半分程度の大きさ、後者は雑誌型でA4やB5サイズのものになるようです。広報紙と広報誌の違いは一応ありますが現状では広報紙が優勢なようです。
裁ちばさみと普通のハサミの違いは何でしょうか?布を切るか紙を切るかが違うわけですがこの2つの素材は硬さが異なっています。前者は糸を織るため柔らかいですが後者は粘土が含まれるため硬くなります。そのため裁ちばさみは普通のハサミと違い刃が薄く鋭いのです。
布テープと紙テープの使い分けはどうすればいいでしょうか?両者は梱包に使いますが大きな違いは耐荷重。つまり前者の方が丈夫だということです。ただし価格は高くなるので引っ越しなどでは荷物が重いものに布テープ、それ以外は紙テープと使い分けることになります。
クーポンとチケットの違いはなんでしょうか?紙の場合だと前者は切取り式の割引券や回数券、後者はサービスを利用できることを証明するためのものということのようです。電子化されたものが増えてクーポンとチケットの違いはそれほど明確では無くなっているようです。
荷札と伝票の違いはあるのでしょうか?前者は送り主・お届け先・荷物の受取人などを記して出荷する商品につける札、後者は物流業者が配達に使用する情報になるようです。ただし宅配便だと両者は送り状として一体化されているため荷札と伝票の違いは分かりにくいです。
紙ウエスとキッチンペーパーの違いはなんでしょうか?実際のところ用途が違うだけで油を拭き取る目的は同じです。使用状況に合わせて様々な開発が行われていますが、どちらを使っても問題ない場合もあります。紙ウエスとキッチンペーパーの違いはあまりなさそうです。
サージカルテープとマスキングテープの違いは何でしょうか?前者は医療用で被着体が皮膚、後者はDIYなどで使う塗装用で紙、木材、コンクリートなど色々なものに貼ってはがせる性能が必要です。サージカルテープとマスキングテープの違いは用途の差といえそうです。
引張と引裂の違いはどうなるでしょうか?紙の場合、これは単純に引っ張るか引き裂くかになります。ただし、いずれも縦方向と横方向では強さが異なり、前者は縦が強く後者は横が強い、となります。引張と引裂では試験方法が違うのですが強度を見る上で重要な指標です。
張り紙と貼り紙の違いは何でしょうか。調べてみるとその使い分けはあまり明確ではなく基本的にはどちらでもいいようです。しいて言えば前者は「張り出す」のように何か主張があるときに使うものだとか。張り紙と貼り紙の違いは言いたいことの強さなのかも知れません。
上質紙とコート紙の違いはなんでしょうか。どちらも印刷用紙ですが後者は前者に塗料を塗工することでフルカラーでの仕上がりが良くなるように開発されたものであり当然ですが圧倒的に見栄えがよくなっています。上質紙とコート紙の違いはビジュアルの良さになります。
紙媒体と電子媒体の比較ではどちらが分かりやすいのでしょうか?実は2013年の時点では紙に優位性があるとなっていたのですが2021年の新研究では媒体よりも慣れの方が重要だということが分かったんだそうです。紙媒体と電子媒体は補完すべき関係なのでしょう。
パルプと紙の違いはなんでしょうか?これは中間原料と製品の関係になります。木材から前者を製造してそれを使い後者が生産されるということです。見た目も全く違いますが品質的な部分で一番違うのは水分率になるでしょう。パルプと紙の違いはかなり分かりやすいです。
段ボールと化粧箱の違いは何でしょうか?それは表面にオフセット印刷出来るかどうか、箔押しやPP加工などで高級感を演出できるかどうかになります。極端に言えば前者は単なる入れ物ですが後者は重要な販促ツールといえます。ダンボールと化粧箱の違いは見栄えです。
シルボン紙とキムワイプの違いはなんでしょうか?前者は特に光学系のレンズなどを拭くときに用いられますが、後者は科学実験のときによく使われています。紙粉が出にくいという点では両者は似ていますが若干異なるそうでシルボン紙がキムワイプより好ましいようです。
ユポ紙のデメリットはなにがあるでしょうか?まず、水に溶けないので普通の紙のようなリサイクルは出来ずPP専用の処理が必要になります。また耐熱性が低いです。しかしこれは耐水性があり融着加工が出来るメリットの裏返し。本当のユポ紙のデメリットはコストかも。
ラシャ紙と模造紙の違いはなんでしょうか?どちらも上質系ですが表面性が異なり、前者はザラザラですが後者はツルツルというところになります。毛羽立っているのは壁紙や本の装丁、なめらかだと筆記用という感じです。ラシャ紙と模造紙の違いは手触り感とも言えます。
シールとラベルの違いはなんでしょうか?実際のところ粘着剤でくっつけるのは同じなんですがそれぞれの意味が違っています。前者は何かに封をすることですが後者は中身が分かるように表示をするということ。シールとラベルの違いはその成り立ちが違うということです。
純正紙と汎用紙の違いは何でしょうか?前者は各プリンタメーカーが自社品とのマッチングが良いと認めた用紙ということ。後者は認定はされていませんが、印刷する用途を選べば十分使えるものになります。純正紙と汎用紙の違いは品質保証があるかどうかが大きいのです。
白損と黒損の違いは何でしょうか?どちらも損紙ですが、印刷の前か後かで違ってきます。紙のリサイクルを考えた場合、前者はそのまま離解して再生できますが後者は通常、インクを脱墨・漂白しなければ使うことが出来ません。原料的には白損と黒損の違いは大きいです。
コピーと印刷の違いはなんでしょうか?一番は製版の有無になるでしょう。前者の場合はそれが無く、後者は有るということです。ただし、オンデマンドで直接印字することもあるので、以前より明確な線引が難しいようです。コピーと印刷の違いは曖昧になってきています。