感熱紙の仕組みは複雑。でもプリンタは単純で壊れにくい!

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管理人の紙コンサルこと、
べぎやすです。

このカテゴリでは感熱紙の仕組み
についてお話したいと思います。

サラリーマンがコンビニで弁当を買う。
よくある光景ですね。

それでレシートをもらう。
この紙が感熱紙です。

今やレジから出てくる紙は
ほとんど感熱紙。

そういえば切符も感熱紙だし、
銀行や病院の整理券も感熱紙。

いつの間にやら感熱紙だらけです。

それだけユーザーにメリットがある
ということなんですね。

少しメリットをあげてみます。

感熱紙は熱をかければ紙が発色するから
インクやトナーがいらない。

インクやトナーがなければ
プリンタヘッドの構造が簡単。

だからメンテナンスも簡単。

備品の管理も感熱紙の
在庫だけ確認すれば良い。

感熱紙は長期保存に向かない、
と言われていますが

切符や整理券は保存しませんし、
レシートも多くはすぐに捨てます。

だから用途を限って使えば
非常に便利な紙なんですね。

ということで。

このカテゴリでは
感熱紙の仕組みについて

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

【感熱紙の仕組み なぜ発色するのか?】

感熱紙は熱をかけたところが
発色するのですが何故発色するのか?

まず無色染料を用意します。
これは通常ロイコ染料と呼ばれます。

ロイコ染料には色んな種類があります。

常温では個体で熱がかかると
決まった温度で溶けるものを選びます。

次に顕色剤を用意します。

これはロイコ染料と混ざると反応して
ロイコ染料を発色させる物質です。

顕色剤は熱がかかるとロイコ染料と
同程度の温度で溶けるものを選びます。

この2つの薬品と接着剤や助剤
(増感剤、安定剤)を混ぜて紙に塗ります。

こすって発色しないようにこの上に
オーバーコートをする場合もあります。

この感熱紙に熱をかけるとその場所の
ロイコ染料と顕色剤が溶けて混ざります。

溶けて混ざれば反応して発色する。

大まかにはこんな感じです。

ちなみに、ロイコ染料は
色んなタイプがあるようです。

顕色剤はビスフェノールAと呼ばれる
物質がよく使われるそうです。

管理人の勤務していた製紙会社でも
顕色剤はビスフェノールAでした。

結局、通常は無色のロイコ染料と
それを発色させる顕色剤があって、

熱で溶けて混ざって反応するから
発色するというわけですね。

感熱紙は紙自体に発色する薬品が
入っているからインクもトナーも不要。

加熱の制御さえ出来れば
文字が印刷できるというわけです。

ただし感熱紙はロイコ染料が顕色剤と
化学反応して発色するのですが

この反応は可逆反応なので
時間が経つともとに戻り

反応が戻ると色も消えてしまう
ということになります。

なお可逆反応というのは、

条件によっては生成物が
原料に戻ることもある反応のことです。

それを防ぐために感熱紙には
安定剤などの助剤を添加しています。

しかしそれでも経時変化で反応が戻る。

だから感熱紙は長期保存に向かない
と言われるのです。

【感熱紙の仕組み サーマルプリンタヘッド】

次は印字部分の説明です。

サーマルプリンタヘッドの
印字部分は発熱体と呼ばれます。

制御関係の難しいことは別として、
単純に言うと発熱体の印字したい部分に

電流を通して発熱させれば
そこだけ発色するということですね。

プリンタ側はそれだけです。

制御がうまく行かなくなったり
電流が流れなくなったらだめですが

発熱体さえしっかりしていれば
そう簡単には故障しないということです。

インクジェットならノズルが動くし
レーザープリンタならロールが沢山ある。

サーマルプリンタの場合は
駆動部分が少ないのでメンテナンスもラク。

部品点数も少ないから小型化も容易。

ハード的なトラブルが少ないというのは
大きなメリットなんですよね。

【管理人のまとめ】

今回は感熱紙の仕組みについて
お伝えしました。

今は感熱紙はレジなどで使われます。

しかしかつてワープロがあった頃、
ワープロ用紙は感熱紙でした。

FAxも感熱紙タイプが多かった。

今でも捨てきれずに持っている人が
いるかもしれません。

ワープロ用紙を持っていたら
インクジェットで使いたいと

思う人がいるかもしれませんが
それはNGです。

感熱紙はインクジェットの
インクを吸収しません。

だからまともな印刷になりません。

レーザープリンタならどうかというと
それは最悪です。

レーザープリンタはトナーの定着のとき
160℃-200℃くらい熱がかかる。

感熱紙は真っ黒になるでしょう。

感熱紙も専用紙なので
それ以外では使えないということです。

それと感熱紙の保存性ですが
発色方法が化学反応なので

条件によっては発色が消えてしまう
ということなんですね。

初めから色の付いているインクや
トナーとはこのあたりが違います。

最近は技術が進化して感熱紙も
冷暗所に保管しておけば

数年以上持つようになっていますが
本当に必要なものならコピーをとるとか

写真にとってデータ化するとか
そういう対応をした方が良いでしょう。

いずれにしても。

感熱紙は管理が簡単なので
これからも増えていくと思います。

レシートを見たら、たまには感熱紙の
仕組みを思い出して下さいね!

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