感熱紙と普通紙のFAX。リサイクルの観点からエコなのは?

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感熱紙 普通紙 FAX

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、感熱紙と普通紙のFAXの場合
どちらがエコなのかというお話。

管理人が学生の頃。

FAXは会社にはありましたが
家庭では珍しかったです。

当時はまだページプリンタがなくて
感熱紙かインクリボンでしたね。

一枚の紙を印刷するのに何分も掛かる。

タイプライターがちょっと良くなった
という程度でしょうか。

感熱紙はインクリボン不要ということで
すごい紙だと思いましたね。

そういえば、FAXが普及し始めた当時、
年配のサラリーマンが

「最近は忙しくていけない。
FAXだとすぐ指示が来てしまうから」

と言っていたのを思い出しました。

「昔は本当に必要なことだけ選択して
封筒に入れて送っていたのに」

だそうです。

今のように情報が溢れている時代には
無理なお話ですがまだ健全だったんでしょう。

今や通信で紙を使う必要はなくなりました。

誰でもスマホを持っているし
LINEもあればメールもある。

記録媒体としての紙の役割は
終わらないにしても縮小しましたね。

そんな中で。

感熱紙と普通紙ならどちらがエコカ?

回答としては紙を使わないのが
一番エコとなってしまうんですが

いくら世の中がそういう方向でも
それではあまりにも身も蓋もない。

ということで、

この記事では、感熱紙と普通紙の
FAXの場合どちらがエコなのかについて

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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感熱紙と普通紙のFAXの場合、エコなのは普通紙

結論から言うとエコなのは普通紙。

感熱紙の利点はありますが、
エコに関しては良くない。

まず、古紙として再生できるかどうか。

リサイクル出来るかどうかということですね。

普通紙は当然リサイクルできます。

しかし、感熱紙はNGです。

感熱紙は熱で発色するわけで、
熱がかかる工程では使えない。

現実的には、感熱紙があっても
古紙処理の段階で薬品は除去されるし

パルプ自体はスクリーン、クリーナーを
通って来るわけでそこまで影響ないですが

それでも感熱紙に使われている
ロイコ染料や顕色剤があると

加熱して発色するわけで
そんなものは使えないんですよね。

それで、抄紙工程に加熱する
ところがあるのかと言うと

当然あるわけで、一番温度が高くなるのは
最後の乾燥工程になります。

ここでは過熱水蒸気で加熱されるので
200℃近い温度になるんですね。

ここで発色されたら製品は全部ダメに
なりますから感熱紙は禁忌品なんです。

似たようなことでロイコ染料を使っている
ノーカーボン紙もダメですね。

これらの情報用紙は便利だけれども
リサイクルには向かないということです。

感熱紙と普通紙のFAXについて。古紙配合品の有無は?

次に古紙配合品があるかどうか。

普通紙は古紙100%というのがありますね。

感熱紙も同様に古紙配合品はあります。

この点に関してはどちらも同じレベルです。

ただ、今でこそ古紙配合品で製造してますが
以前はこれも難しかったんですね。

古紙の品質に問題がありましたから。

どういうことかと言うと。

感熱紙は塗工紙になるんですが、
塗工紙の品質や生産性は

塗工前の原紙の品質によって
大きく左右されませう。

原紙の品質が悪いと製品になりません。

たとえば、感熱紙の塗工方式が
バーコーターだった場合。

塗料を塗工して不要な塗料を掻き取るんですが
掻き取るということは原紙表面をこすりますから

原紙の表面に異物があるとそれが
塗工欠陥になってNG品になります。

この異物、古紙が多いほど増えるんです。

カーテンコーターやダイコーターのように
必要な塗料が紙の上に落ちるだけで

後から掻き取って塗工量を合わせるという
必要がない場合は良いのかも知れません。

しかし、バーコーターのような場合、
異物が引っかかって欠陥になる事がある。

しかも、通常の感熱紙の場合、
表面に最低2回、場合によっては3回

塗工する必要があるわけで欠陥が
発生すると収率が激減するんですね。

製品として仕上がる量が大幅に減る。

当然製造原価は上がります。

再生紙を塗工原紙に使う場合は
異物が入らないように精選が必要。

これは古紙処理設備の性能の問題。

だから容易には解決しません。

管理人が会社に勤務していたときは
現実性がありませんでしたね。

今は古紙配合品があるので
その問題はクリアしたんだと思います。

もしくは、収率が低くても無理して
作っているのかも知れません。

実際には古紙を配合していないかも。

これはコンプライアンスの問題が
あるのでやってないと思いますけどね。

管理人のまとめ

今回は、感熱紙と普通紙のFAXの場合
どちらがエコなのかというお話でした。

結論から言うと普通紙がエコ。

感熱紙は古紙としてリサイクル
出来ませんからエコじゃない。

ということでした。

最近はもうFAXも減ってしまい
紙を使うことも減ったと思いますが

エコロジーや保存性を考えると
普通紙を使うほうが良いでしょうね。

プリンタ用紙との兼用も出来ますから。

この記事が、感熱紙と普通紙のFAXの
エコについての参考になればと思います。

感熱紙はリサイクルできませんから
燃やすごみに捨てて下さいね!

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