機能紙一覧

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

このカテゴリでは機能紙について
お話したいと思います。

管理人の家には
猫の額ほどの庭があります。

そこに小さな南天の木があって
年に一回伸びすぎた枝を落とします。

道にはみ出してくると
近所迷惑になるので。

それで剪定するわけですが
剪定ばさみやのこぎりなんて

滅多と使わないから
錆びることがあるんですよね。

こんな時に防錆紙。

機能紙の一種ですが
この紙を刃物に巻いておけば錆びない。

油とか塗らなくても良いわけです。

機能紙は他にも色々ありますが
あまり気が付きません。

また工業的には工程紙として
使われることも多いです。

工程紙というのは
製造工程の中で使われる紙で

表に出てこないものですから、
まさに縁の下の力持ちです。

ではどんなものが身近にあるのか?

このカテゴリでは機能紙について
管理人が調べたことをお伝えします。

【機能紙には様々な種類がある】

機能紙には様々な種類があります。

冒頭で紹介した防錆紙もそうです。

水に強い耐水紙とかクリーンペーパー、
無塵紙(むじんし)とも呼ばれますが

通常の紙にはない機能を持つ
特殊なものがあります。

その製造方法も様々で
塗工するタイプのものもあれば

含浸(紙を薬品液の中に浸ける)して
製造するものもあります。

ここでは防錆紙、耐水紙、
クリーンペーパーを具体例として

機能紙の用途や製法について
説明をしてみたいと思います。

<防錆紙>

まず防錆紙から。

防錆紙というのは名前の通り
サビ止めの紙になります。

用途はもちろんサビ止め。

冒頭では剪定バサミを例に出しましたが、
包丁やノコギリなどにも使えます。

工業的には金属合紙
として使われることもあるようです。

金属のサビ止めですからね。

ただしこの防錆紙、使い方に注意が必要。

まずどんな金属にでも使える防錆紙は
存在しないということ。

防錆紙はサビ止め薬品を
紙に塗工して製造します。

この薬品が気化し金属表面に吸着したり
化学反応して外気との接触を防ぐ。

これがサビ止めの原理です。

ですから金属と薬品の相性があって
相性が悪いと効果が出ないのです。

悪くすると逆効果になって
サビやすくなるということもあります。

なのでサビ止めしたい金属の種類と
防錆紙の種類が合っているか

ということをよく確かめないと
いけないということです。

もうひとつは使用期限。

防錆紙の場合はサビ止め薬品が
気化して金属と反応します。

つまり徐々に有効成分は気体になって
抜けていくということです。

ですからあまり古い防錆紙は
効果がありません。

購入してすぐに使うならいいですが
何年も経っているならやめた方がいい。

効果がない可能性が高いです。

こういう注意については
メーカーのHPなどで確認できます。

ただし機能紙は使う側が
気をつけないと効果がない

という紙が多いのでそのあたりは
注意してほしいと思います。

それからもうひとつ。

使用上の注意点で重要なことは
金属が汚れたままではサビるということ。

刃物を素手で触って手の油が付くと
そこから錆びる可能性があります。

分かっている人には
あまりにも当たり前のことなんですが

指紋が付いているのに
防錆紙を巻いておけば錆びない、

ということにはなりませんので
そこは丁寧に扱って下さい。

なお、防錆紙はサビ止め薬品を
塗工するので原紙が必要なんですが、

これに使われる原紙は酸性紙ではなく
中性紙の未晒クラフト紙が多いです。

原紙が中性紙である理由は
紙に硫酸バンドのような酸があると

金属を錆びさせてしまうからで、
硫酸、塩素などが入っていない

アシッドフリーペーパーが
使われています。

<耐水紙>

これも文字の通りで水に強い紙です。

用途は様々で例えばクリーニングタグ。

クリーニングに出したら
番号が入っている紙がついてますよね?

実はあれ耐水紙です。

商品名としては耐洗紙になります。

洗っても大丈夫な紙ということです。

あれってクリーニング屋さんが受け取って
タグをホチキスで留めて

そのままクリーニング工場で洗濯して
それが戻ってくるんですね。

衣類が間違いなく戻ってくるために
つけられているタグなんですが

紙でありながら水に溶けないという
特殊な紙というわけです。

このような耐水性を利用して
アウトドアで使うメモ帳にしたり

水回りの仕事がある人が
手首に巻いてメモ代わりにするとか

介護の現場なんかがそうですが、
そういう用途があるようです。

耐水紙は製造する時に
湿潤紙力増強剤という薬品を添加します。

管理人は耐水性の段ボール原紙の製造に
関わったことがあります。

一応耐水紙の仲間というか、
製造方法は大体同じだと思います。

それでこの紙なんですが
製造が大変なんです。

通常、紙は水に溶けますから
製品にならなかった部分は

その場で水で溶解して
パルプに戻してまた使うんです。

しかし、耐水紙は水に溶けませんから
製品にならない部分は全部焼却です。

使い道がないんですね。

製造した耐水紙が全部製品になる、
なんてことはありえません。

必ず製品にならない部分が出てきます。

それらは焼却処分ですから
通常の紙と分けて一時保管です。

普通の紙ならすぐ水に溶かしますから
邪魔にもならないのですが、

大量に出てきた溶けない紙を
一時保管するところがない。

耐水紙の製造は2ヶ月に一回程度でしたが、
イレギュラーな製造になるので

毎回段取りが大変だった
という記憶があります。

もちろんロスも多くなりますから
生産側としてはやりたくないんですね。

こういう機能紙は高く売れるので
どのメーカーも一回はやると思います。

しかし儲かる紙になるかというと、
疑問符がつきます。

営業が強力でロットがまとまるなら
まだいいんですが

大型マシンでこういう紙を
小ロットで生産したら

現場はひどい目にあうよな~
というのが率直な意見。

水に溶けない紙は画期的だったんですが
面倒な紙を生産するわけですから

採算がとれるかどうかは、
その会社の体質によるところが大きい。

一時期手を出して見たけれど
やめた会社が多いんですが

その会社の体質に合わなかったとか、
そういう理由が大きいと思っています。

<クリーンペーパー>

クリーンペーパーというのは
日本語では無塵紙(むじんし)です。

名前の通りチリやホコリが出ない紙。

使われるのはクリーンルーム。

半導体の工場や精密機械とか
液晶関連フィルムの製造工場、

医療現場や食品工場
といったところがありますよね。

こういうところに普通の紙を持ち込んだら
大変なことになります。

上質紙なら断面の繊維がホコリになるし、
コート紙なら塗料も繊維もダメです。

折ったり破ったりしたら最悪です。

しかしそんな現場でもコピーしたり
メモを取る必要がある。

そんなときはクリーンペーパー、
ということです。

クリーンペーパーは紙に樹脂を含浸させて
繊維がホコリにならないようにしています。

含浸させる樹脂はアクリル系樹脂が
多いみたいですね。

ただし、クリーンルームへの
紙の持ち込みは厳しくなって

最近の工場ではタブレット端末などを
使うことが増えているようです。

ここでは機能紙を3つ取り上げました。

まだ他にもありますが、
用途展開は多岐にわたるとしても

製造方法は薬品を

塗工する、
内添する、
含浸する、

というところに集約されると思います。

【管理人のまとめ】

今回は機能紙についてお伝えしました。

機能紙は一般の紙と比較すると
何か格好いいもののように思うんです。

でも実際に製造してみると
大変なんですよね。

用途が特殊なだけに
ロットがまとまらないことが多い。

装置産業である製紙会社からすると
これは致命的なことなんです。

新聞用紙や印刷用紙のように
大量生産の品種で稼いでいる会社だと

体質が違うということで
うまくいかないことが多い。

逆に小ロット多品種生産の会社なら
上手くいくのだろうと思います。

結局、機能紙は利益率は高くても
利益の絶対金額が少ないんですね。

管理人の勤務していた製紙会社は
完全に大量生産の会社でしたから

こういう紙は関連会社が細々と
やっていたと思います。

いずれにしても、
機能紙は縁の下の力持ち。

地味でも必要とされている紙です。

身近な機能紙を見つけてみて下さいね!

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