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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は感熱紙の再利用は出来るのか?
リサイクルすることは困難、というお話。
感熱紙といえば今はレシートでしょうか。
スーパーやコンビニでもらいますよね~
昔はFAXとかもっと前はプリンタ
用紙で感熱紙がありましたけど。
こんなやつですね。
コクヨ ワープロ用感熱紙 エコノミー満足タイプ A4 タイ-2014
ワープロって死語かも知れませんが。
管理人が社会人になった頃は
まだまだお世話になってました。
普通紙にインクリボンで印刷するより
高級なイメージだったですね。
それはそうとして。
この感熱紙、リサイクルできるのか?
多くの自治体では禁忌品ですがその理由は?
ということで。
この記事では、感熱紙の再利用は出来るのか?
リサイクルすることは困難、ということついて
管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。
感熱紙の再利用が困難な理由は汚れの原因となるから
感熱紙の再利用が困難な理由。
結論から言うと汚れの原因になるからです。
異物混入というのがいいでしょうか。
工場では「コンタミ」と呼んでましたね。
ちなみに「コンタミ」はコンタミネーション
contaminationの略で、「汚染」のこと。
感熱紙が古紙に混入していると
製品が汚れるというわけです。
ではなぜ感熱紙が混入すると
紙製品が汚れるのか?
これは単純な話で、感熱紙の成分が
熱によって発色するからです。
感熱紙にはロイコ染料と呼ばれる
透明な染料が使われています。
これが熱や薬品によって発色するんですね。
それが困るというわけです。
それで。
異物混入に関しては紙の
品種によって基準が違います。
たとえば上質紙の場合なら
真っ白なのが当たり前。
異物混入なんてもってのほかです。
それでも、細かいものが点々と
出ている場合はあるんですけど
そういうのは細かい点々があっても
あまり問題にならない印刷物につかう。
たとえば安売りのチラシとか。
ほぼ全面に印刷されてしまえば
それほど気にはなりません。
そんなものでもぱっと見て
分かるような異物はNGです。
極端な話、価格の部分に点があると
小数点に見えることもありますから。
比較的基準がゆるいチラシでも
結構うるさいことがあるんですが
これがノートのような筆記用紙だと
もっとうるさく言われます。
子供が使うらくがき帳ならともかく、
数字を記入する台帳なんかは危険。
黒い斑点は命取りですからね。
白くてきれいなのが当たり前なので
異物が見えるようではダメなわけです。
そういえば、剥離紙も異物混入がNGでした。
特に透明なシールの場合、剥離紙に
異物があるとシールもダメと言われる。
上紙の透明フィルムは問題ないのに
剥離紙が悪いからNGだと言われる。
フィルムの価格が高かったら
クレームで大損害なわけです。
逆にダンボールの中芯なんかだと
人目に触れることがないのでゆるい。
ダンボールの表層になるライナーは
そこそこという感じでしょうか。
こういう基準って国によっても違うけど
やっぱり日本が一番うるさいと思います。
なかなか難しい問題ですけど。
感熱紙の再利用は難しいが切符のリサイクルはある
ここまで感熱紙の再利用が
難しい理由をお話しました。
結局、感熱紙は熱で発色するので紙に
なってから発色されるとコンタミになる。
そうなると最悪クレームになるので
古紙原料としては使えないということ。
しかし。
感熱紙の一種である切符に関しては
リサイクルの取り組みがあるそうです。
(過去記事)
切符はリサイクル可能?トイレットペーパーなどになります!
⇒https://kamiconsal.jp/kippurecycle/
ただしこれはかなり特殊な例で
用途もトイレットペーパーですね。
トイレットペーパーの場合は
使用後は必ず捨てられるので
コンタミが何度も発生することは
ないという利点があるのでしょう。
あとは使用する側が少々黒点が
あっても気にしなければいい。
そういうものだと割り切って
使うなら問題ないということ。
考えてみれば管理人が子供の頃
田舎の親戚ではトイレはチリ紙。
トイレットペーパーではなかった。
当時はまだ水洗トイレでもないので
チリ紙が水に溶けなくても問題ない。
拭いたら捨てるだけの紙に白さとか
異物がないこととか求めませんでした。
その感覚で使うなら感熱紙でも
特に問題はないんでしょうね~
そう考えるとリサイクルは難しい。
どうしても品質は下がるわけですから
それをどこまで許容するかが問題。
やっぱり白い紙がいいというなら
感熱紙は焼却処分になるんでしょう。
管理人はそこまでしてリサイクル
することないだろうと思いますが。
そうそう。
もう一つ付け加えておくことですけど。
感熱紙を再利用するならそれ専用で
紙を製造することになります。
一般の古紙と混ざるとコンタミですからね。
それで。
そのときに原料として安定供給できるか?
これもかなり問題になります。
レシートだけ分別して回収してその上で
毎日生産するだけの数量になるかということ。
管理人的にはこの部分が相当
難しいと考えています。
切符のように一箇所に大量にあるなら
そういうこともやりやすいでしょうけど
コンビニやスーパーのレシートでは
そういうわけには行かないだろうなと。
でもそのちょっとした数量が
混ざると異物になってしまう。
やっぱり普通に燃やすゴミに
してくれと思ってしまいますね~
管理人のまとめ
今回は、感熱紙の再利用は出来るのか?
リサイクルは困難、というお話でした。
結論としては感熱紙は熱で発色するので
どうしてもコンタミになるということ。
製品で異物混入クレームが発生すると
最悪なのでそんな原料は使いたくない。
これが製紙会社の本音です。
また、切符をリサイクルしている
というお話もしました。
用途はトイレットペーパーだそうです。
これは使えば捨てるし異物があっても
かまわないと割り切ればいいのかなと。
あと、感熱紙のレシートなんかは
回収して数量を集めるのが大変。
原料として安定供給するところも
相当ネックになると思います。
色々考えるとやっぱり感熱紙は
燃やすゴミにしてほしいですね。
もちろん、ごみの分別は自治体の
指示に従わないといけませんけど。
この記事が、感熱紙の再利用が困難な
理由の参考になればと思います。
再利用できない紙についても知って下さいね!
(参考)
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