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剥離紙はリサイクル出来ないのか?実は出来るものもあります

剥離紙 リサイクル

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、剥離紙はリサイクル
出来ないのかというお話。

管理人は元製紙会社社員。

剥離紙に関係したこともあります。

ちょっとだけですが。

それで、剥離紙のリサイクル
かなり面倒なんですよね~

製紙会社の立場では剥離紙はいらない。

燃えるゴミにしてくれ、となります。

古紙として使用するにはかなり問題がある。

中には現状の設備で再生紙に出来るものも
あるんですが出来れば使いたくはない。

では、なぜそうなるのか?

ということで。

この記事では、剥離紙はリサイクル
出来ないのかということについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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剥離紙がリサイクル出来ない理由

まず剥離紙の構成の説明が必要ですよね。

実は剥離紙、紙ではありますが、
その構成は紙とラミネートになります。

こんな感じ。

シリコーン(剥離層)
ポリエチレンラミネート
(目止め層)

原紙(基材)

おおまかに描きましたが
基本的に3層構造になっています。

ここでは模式図なので各層の厚みが
適当になってしまっていますが

実際には原紙部分は90μm-220μm
ポリエチレンラミネートは15μm程度

シリコーン層はせいぜい1μm程度
もしくはそれ以下という感じです。

ここで問題はポリエチレンラミネート。

PEと省略されることが多いですが
これが水には全く溶けません。

水に溶けないと言うより
水をはじくんですよね。

PEは日常でもよく使われていて
濡れても大丈夫なように使われます。

たとえば紙コップの内側とかポリ袋とか。

樹脂としても安いので雑貨にも
よく使われていますね。

それから、成分としてはろうそく。

これがポリエチレンに近いです。

ポリエチレンのワックスもありますね。

PEを紙にラミネートしておけば
水とか液体をあまり通しませんから

紙の上にシリコーンを塗工しても
紙に染み込まずに表面に残る。

シリコーンは厚みがせいぜい1μm以下。

普通の紙の表面だと塗工液が紙に
染み込んでしまって困るわけです。

そういう意味で目止め剤として
PE層があるんですね。

しかし。

こういうラミネートがあるということは
リサイクルには都合が悪い。

そもそも紙がリサイクルできるのは
紙を水に入れたら紙が溶けるから。

溶けるというのはちょっと正確ではなくて紙が
バラバラになってパルプ繊維になるから。

離解、といいますけどね。

普通の紙は水に入れて強力に
撹拌したらドロドロになる。

だからこれをもう一度原料にして
紙を作ることが出来るわけです。

ところがPEがあると水に
入れてもドロドロにならない。

PEは水をはじきますから。

つまり、PE層は紙の原料にならない。

結局、異物として除去されて
焼却処分となるわけです。

設備によってはPE層とパルプ分を
分離できてパルプだけ使えるでしょう。

しかし結局、PEは原料にならないし
焼却するにはコストがかかる。

製造工程で問題があるということです。

大きな製紙工場ならボイラーがあって
そこで焼却も出来るでしょうけど

そうでなければわざわざどこかで
焼却処分しないといけない。

リサイクルをイメージ戦略として
紙を販売しているならともかく

そうでない限りこんなコストは
支払いたくないということです。

それからもう一つ重要な問題。

それは何度もお話しているように
PEは紙の原料にならないということ。

原料にならないものは買いたくない。

単純に購買の問題です。

たとえば。

剥離紙がトータルで100μmだったとします。

このとき、原紙は85μm、PEは15μmとします。

そうすると、この古紙は購入したときから
原料に使えるのは85%しかないわけです。

普通の紙なら100%が原料として使えるのに。

もちろん、歩留まりの問題があるので
いくらかは流出してしまいますが

それでも最初から15%もの損失になると
分かっている原料を買うでしょうか?

これが大問題なんですよね。

たとえば、剥離紙だけを選別して
それを原料にした紙は15%高く買う。

そんな人がいるならいいです。

しかし、現実にそんな消費者は少ない。

リサイクルのトイレットペーパーなら
少しぐらい高くても買う人はいますが

管理人なら安いバージンパルプの白くて
キレイなトイレットペーパーを買います。

原料が何か、なんて気にしません。

それに普通に考えたら、再生紙は中古品
みたいなものなんだから安いはずですよね。

それがバージンパルプより
高いのは納得いかない。

これが普通の反応だと思います。

エコだとか環境だとか言ったところで
経済的に成り立たないと続かない。

通常の新聞古紙などは経済的に
メリットがあるから回収できる。

しかし、剥離紙はメリットが無いんです。

それからもうひとつ問題があります。

それは、数量が集まらないこと。

新聞や雑誌なら古紙回収で
キチンと数量が集まります。

それは分別もしてくれるし
そもそもの生産量が多いから。

しかし、剥離紙は生産量が少ないし、
剥離紙だけを集めるという分別もない。

製紙産業は装置産業ですから
原料の安定供給は必須なんです。

とにかく機械を動かさないと
固定費ばかりが残りますので。

その意味でも相当気合を入れて
剥離紙を集めないと機械が動かない。

これってキャンペーンでもやったら
一時的には出来るかも知れません。

しかし、シールの紙が一般家庭に
どれだけあるのかということですよ。

新聞紙のようには出てきませんよね。

企業だって大した量にはならない。

一時的に盛り上がったとしても
継続するのは大変なんです。

量が少なくても貴金属のように
高価なら一生懸命やります。

しかし、所詮紙。

ほんの少しゴミが減るだけで
大した経済効果はないんです。

こういう感じで考えていくと剥離紙の
リサイクルは現実的ではないんですね。

リサイクルできる剥離紙もあるが分別が難しい

ここまで剥離紙のリサイクルは
現実的ではないというお話をしました。

でも実は、リサイクルできる剥離紙もあります。

それはポリラミしていない剥離紙。

管理人が関係したときには
青グラシンと呼んでました。

上紙が紙で剥離紙が青くて薄いやつ。

グライシン紙というのは紙の中でも
非常に密度が高いので

シリコーンを塗工してもそれほど
紙に塗工液が浸透しないんです。

だからそのままシリコーン塗工できる。

このタイプは再生紙として使えます。

ただし。

じゃあこの剥離紙は使えるというのを
普通の人がチェックできるのか?

これが大問題です。

家庭で見るシールのほとんどは
黄色い剥離紙でPE加工のもの。

そのときに青いやつだけ
古紙にしてもいいとか

そんなのいちいち考えて
やらないんじゃないかと。

しかも、この青グラシン、上紙が
フィルムだったらポリラミ加工します。

その区別よく見れば分かりますけど
ゴミに捨てるのにそこまで見るのか?

管理人ならやりません。

分別が細かすぎてやれません。

しかもそのゴミ滅多と出ない。

現実的でないんです。

だから結局、剥離紙は燃やして欲しい。

と、こうなるわけです。

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管理人のまとめ

今回は、剥離紙はリサイクル
出来ないのかというお話でした。

結論から言うと、剥離紙のリサイクルは
現実的ではないということでした。

一般的に剥離紙はPE加工されていて
これが水をはじくので離解できない。

そもそもPEは紙の原料にならない。

異物になると問題だし出てきたPEは
結局焼却処分しないといけない。

そもそも原料として数量が集まらない。

中にはPEを使っていない剥離紙も
あるがその分別はとても面倒だ。

という感じですね。

元製紙会社社員としては紙の原料に
ならないものは買いたくないのが本音。

その分高く買ってくれるわけでもないし。

リサイクルやってますというイメージは
重要ですが継続しないと意味がない。

サーマルリサイクルという言葉もありますから
燃やして熱エネルギーにしてほしいです。

この記事が、剥離紙リサイクルの
参考になればと思います。

でもゴミの分別は各自治体の
指示に従って下さいね!

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