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新聞は進化しているのか?技術的には大幅に変化しています!

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は新聞は進化しているのか?というお話。

新聞といっても内容ではなくて紙ですが。

正直言って、新聞紙って30年前から
変わってないように感じます。

毎日見ているから余計そう思います。

しかし考えてみれば社会は
変わっていないような気がしますが

30年前からすると全く
状況は変わっています。

自分の身近なことだけでも、
スマホはなかったわけですし。

パソコンも、ネット常時接続もなかった。

現在が平成30年ですから、
30年前は平成元年。

バブル景気で何でもありでした。

会社の採用なんかも誰でもOKでした。

土地は上がり続け、株は上がり続け
みんなが簡単に金持ちになれました。

もう働く必要なんかないと
思っていたような時代。

金利は定期預金が年利8%という
今だとありえない水準でした。

世界的にはベルリンの壁崩壊が平成元年。

変わっていないなんてことはないんです。

しかし、そんな大事件でも忘れてしまう。

ましてや新聞紙が進化していても
気がつくはずがないんですよね。

また、製紙会社が紙の品質を
変更するときは静かにやります。

通常の人には分からないように
少しずつやるんですね。

前とはちょっとだけ違う、
しかし明確にはわからない。

基準値の範囲内で少し下限に
偏っているとかそんな感じ。

そういうことを繰り返して
いつのまにか変わっているわけです。

だから新聞紙は30年の間で
技術的にはものすごく変わっています。

ではどんな風に変わっているのか?

ということで。

この記事では、新聞の進化について
管理人なりに調べたことをお伝えします。

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新聞の進化。軽量化、古紙配合率、中性紙化

新聞紙は製紙会社にはドル箱。

管理人の勤務していた会社では
最重要のお客様でした。

理由は単純で、安定的に
大量に使用してくれるから。

そして何より価格が安定しているから。

新聞は毎日発行するので
使用量が安定していますよね。

それに新聞は絶対に紙がないと
仕事が成り立ちませんので

紙の値段を叩いて購入できなかったら
終わってしまうんですよね。

今ではネットもありますが、
少なくとも30年前はそうでした。

今でも大きくは変わらないでしょう。

少なくともチラシのようにどこからでも
安い紙を購入するのとはわけが違う。

紙の値段を下げてくれと言われても
大手印刷屋のような無理は言わない。

製紙メーカーからすると利益を確保して
技術を磨くことが出来る紙でもあるんです。

それで、新聞の進化の内容ですが。

管理人が思うもので技術的には3つ。

軽量化、古紙配合率アップ、中性紙化。

これらを一つずつ見てみたいと思います。

新聞紙の軽量化

新聞は軽いものだと思いますが、
それでも配達する人には負担がかかる。

一応そういう名目で軽量化が進みました。

バブルの頃は広告も多かったので
新聞もページ数を増やしたんですね。

ページを増やして紙の重さが
そのままだと新聞一部が重くなる。

それは世間的な名目で、
実質的には値下げだったと思います。

紙の場合は重量で販売しますが、
使う側は面積で使うわけで、

紙の重さである米坪を下げれば
同じ重さでも枚数が増える。

新聞社からすると支払う金額が同じでも
枚数が増えるから得するわけです。

製紙会社はそのために色々と
技術を開発しました。

紙が薄くなるということは
それだけ紙力が弱くなりますから

薄くても弱くならないように薬品を入れるとか
パルプ配合を変更するとかやってましたね。

それから、紙が薄くなれば裏抜けするので
不透明度向上剤も色々やってました。

それで、どれくらい薄くなったかというと、
元々米坪52g/㎡だったものが

今では米坪42.8g/㎡になり、
米坪40.5g/㎡のものもあります。

52g/㎡と42.8g/㎡を比較すると
42.8÷52=82.3%

ということになり、割合としては
約2割軽くなったという計算ですね。

そもそも52g/㎡というのが相当薄いですが
そこからさらに約2割軽量化しています。

もちろんこれは長い年月をかけて
徐々に落としていったわけで

一般ユーザーは軽量化したことには
ほとんど気がついていないと思います。

新聞紙の使用量が年間400万トンなら
その8割だと320万トンということです。

80万トンという数量は
大きすぎてピンときませんが、

たとえば戦艦大和の基準排水量が
11万210トンだそうです。

その約8倍という感じですね。

やっぱりとんでもない数量なので
イマイチよく分かりませんが。

新聞の軽量化でこれだけの数量の
紙が節約できたということでしょう。

ちなみに、日本新聞協会によると
1999年は年間3,599,694トン

2017年は年間2,777,496トンが
新聞紙として使われたそうです。

実は1999年にはすでに42.8g/㎡が主流。

だからこの減少は軽量化というよりは
新聞が売れなくなったからだそうですが。

新聞紙の古紙配合率向上

新聞紙は元々新聞古紙が主原料。

しかし、その主原料の古紙配合率を
どんどん引き上げていきました。

世間的にリサイクルの推進が
叫ばれていたからですね。

しかし、そもそも新聞紙と段ボールは
リサイクルの優等生でもうこれ以上

古紙を配合できないところまで
配合していたと思います。

段ボールの中でもジュートライナーは
本当に100%古紙なので増やしようが

なかったのですが新聞紙はまだ
古紙配合率を増やせたんですね。

そもそも50%程度は古紙でしたけど、
これをさらに増やして100%にしてました。

現実的には古紙の供給の問題があり
常時100%とはいかなかったと思います。

しかし、技術的には100%が可能でした。

現在は平均して古紙配合率は
80%程度になってるみたいですね。

元々半分は古紙だったのに
8割まで引き上げたわけです。

新聞のパルプ配合は主に古紙と
TMP(サーモメカニカルパルプ)と

呼ばれる強度の強い機械パルプ、
それと若干のNBKPだったと思います。

この中のTMPの比率を減らして
古紙を増やしていったようです。

技術的には紙力と不透明度が課題。

新聞社の印刷部門も
相当苦労したと思いますね。

軽量化した上で古紙も増やしてますから
品質を維持するのは大変だったと思います。

新聞紙の中性紙化

軽量化、古紙配合率向上、
次は中性紙化です。

中性紙化は古紙配合率向上と
深い関係があります。

実は古紙の種類も30年前と
現在ではずいぶん内容が違います。

特にチラシにコート紙が増えた。

ここが大きく違うところ。

コート紙というのは紙に
塗料を塗っていますが、

この塗料の主原料が炭酸カルシウム、
炭カルと呼ばれる薬品です。

そしてコート紙はほとんど中性紙。

紙の中の灰分も炭カルが多い。

つまり、古紙を積極的に増やすと
炭カルが多量に入ってくるというわけ。

ところが。

炭カルは酸に出会うと泡を出して溶けます。

具体的には酸性抄紙の場合は
硫酸バンドを使いますから、

この硫酸と炭カルが反応して
硫酸カルシウムと炭酸ガスになる。

硫酸カルシウムは石膏なんですが
これはスケール、汚れになります。

炭酸ガスは泡になって出ていくので
それほど悪影響はないですが

石膏はマシントラブルの原因になる。

こういう問題を避けるには、酸性抄紙を
やめて中性抄紙にするしかない。

こんな感じで新聞紙は
中性紙化されたようです。

他にも色々理由はあったと思いますが
結局古紙を有効利用するのが主な理由。

古紙中の炭カルの有効利用と
マシンのトラブル回避だったようです。

もともと中性紙化は長期保存した
酸性紙の劣化が問題になって

開発された技術なわけですが
新聞は長期保存の必要はない。

社会的にどう説明するかはありますが、
実質的には古紙の有効利用でしょうね。

ただ、もうひとつ重要なのは中性紙化は
技術的には晒クラフトパルプでしか

出来ないとされていたのですが
それを古紙や機械パルプの配合された

新聞紙のような紙でも出来るように
進化したしたというのがありますね。

これは薬品メーカーが色々と
技術を開発したからだと思います。

同じ頃に段ボール(ライナー)も
中性抄紙化してましたから

そういう技術が同時並行的に
使われたのではないかと思います。

なお、古紙配合率をアップしたのは
社会情勢によるものになってますが、

実際のところ製紙メーカー的には
コストダウンになっていたと思います。

色んな理由をつけてカッコいいことを
言いますが、ほとんどは経済的理由。

企業は営利目的でしか動かない。

たまたまそれが社会貢献しているように
見えているだけということなんですよね。

どこも似たようなものでしょうけど。

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管理人のまとめ

今回は、新聞の進化のお話でした。

新聞紙は長らく変わっていないようで
実は技術的には相当変化しています。

少なくとも、30年前から見ると
軽量化、古紙配合率アップ、中性紙化。

こういうところが進化しています。

毎日見ているので気が付きませんが
少しずついつの間にか変わっているんです。

変わっていることを悟らせずに
変わっていくというのは実はすごい技術。

新聞の進化はそういうことなんです。

この記事が新聞の進化を考える
参考になればと思います。

毎朝読む新聞紙が進化していること、
たまには思い出して下さいね!

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