コート紙にPP加工!巻いてしまうときの対策はあるのか?

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コート紙 PP加工

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回はコート紙にPP加工すると
巻いてしまうというお話。

同人誌を作るときに。

本の表紙にコート紙を使って
それにPP加工。

よくあるパターンです。

市販されている雑誌や書籍でも
コート紙にPP加工しているのは多い。

管理人の手元にムック紙があるんですが
これも表紙はPP加工してますね。

印刷面の保護と光沢感の付与
という点ではとても優秀な加工です。

ただ難点があって
それが巻いてしまうこと。

表紙にPP加工したときって
下手するとクルクルになる。

クルクルまで行かなくても
反るというかカールするんですよね。

これって対策はないのか?

そもそも原因はなんなのか?

ということで。

この記事ではコート紙にPP加工して
巻いてしまうときの対策について

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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コート紙にPP加工して巻いてしまう原因

まず、コート紙にPP加工して
巻いてしまう原因は何か?

ここから確認する必要があります。

その前に巻くというか、
反るとかカールするとか

この現象がなぜ起こるか?
を考えてみたいんですよね。

どうですかね?

管理人の経験では
紙なんて薄っぺらいものですが

それでも表裏差があるから
カールするというのが答えです。

つまり表と裏で伸び縮みの
割合が違うとカールするということ。

たとえば紙を一枚机の上に置く。

そのとき表面が縮んで裏面が伸びたら
お椀のように反るわけです。

それがひどくなるとクルクル巻く。

それでは紙にラミネートしたらどうなるか?

表と裏ではまったく性質の
違うものになるわけです。

つまりカールしやすくなるんですね。

そして紙は湿度変化に弱い。

環境が良くて紙の吸放湿がなければ
カールは起こらないのですが

湿度が高かったり低かったりすると
紙の吸放湿が起こる。

ラミネート面はほぼ吸放湿しませんが
反対面は吸放湿します。

結局、

多湿だとラミネートの反対面は伸びて
低湿だとラミネートの反対面は縮む。

ということになります。

だから夏場の多湿のときや
冬場の乾燥時期にはカールします。

エアコンが効いて
湿度が管理できていれば

そこまでひどくはならないですが
空調が悪いとカールしやすい。

ただこれって
使用される環境によることなので

製造する側でコントロールは
出来ないんですよね。

だから紙としては
常温常湿、ISOの規定だと

温度23℃、湿度50%
という環境でカールしない

というような条件で
紙を製造していたと思います。

こんな感じなので片面ラミネートの
カール防止はかなり難しいです。

一応、紙は厚めのほうがかたいので
カールがしにくくはなります。

単純に紙が薄いと紙を動かす力が
少なくて済むからカールしやすい。

そんなイメージですかね。

両面ラミネートで吸放湿を防ぐ

ここまでカールの原因を説明しました。

片面ラミネートのときは環境変化で
カールするのは避けられないんですね。

原理的に。

では対策はないのかというと
コストとか品質上の問題がなければ

両面ラミネートすればよい
という対策があります。

パウチのように両面とも
ラミネートしてしまうわけです。

これは単純ですが効果的です。

原理的にほとんど吸放湿しませんから
カールもしないというわけ。

同人誌の表紙にラミはしたい。

でもカールはイヤということなら
検討する価値があるかも知れません。

ただしコストは上がりますから
そこはお財布と相談ですね。

カールの試験について

ここからは余談です。

管理人は元製紙会社社員ですから
カールの試験もやったことがあります。

高温多湿なら温度30℃、湿度80%
低音低湿なら温度10℃、湿度20%

みたいな環境試験だったんですけど
カールしてましたね~

環境試験というのは、小さな部屋で
30℃、80%みたいな環境をつくって

その中でカールの測定をする
というような試験のことです。

小さいと言っても机と人間が入れる
くらいの部屋なんですけど

そこに入ってカールの具合とか
紙がクルクルになるとか

あんまりカールしないとか
そういうことを確認するわけです。

それで低温低湿はまだいいんですが
高温多湿になると長くはいられない。

何しろ蒸し風呂状態ですから
汗が出て仕方がないんです。

もって数分でしたね~

それで紙の方はと言うと

お前はスルメか!

というくらいクルクルになっている。

試験をやってたときはやる意味あるのか?
何なんだこの環境は!と思ってました。

でもあとで教えてもらったら、
赤道を通るときの船底がこんな感じだとか。

紙を輸出することもあるから
一応やっておこうということだったらしい。

でもね~

試験用に紙を持って入ったところで
みるみるカールしてましたから

試験していた人間としてはやっぱり
意味ないだろ?と思うんですけどね。

同人誌みたいに本だったら
そんな環境で輸送はないでしょう。

しかしインクジェット用紙や
コピー用紙は輸入紙も多い。

だから仕方なくこんなことしてましたね。

管理人のまとめ

今回はコート紙にPP加工して巻いたとき
対策はあるのかというお話でした。

結論から言うと片面ラミネートの場合
環境変化によるので対策は難しい。

コストがかかっても良いなら
両面ラミネートすれば改善される。

ということでした。

もちろんラミ加工のときに
フィルム貼るときに引張りすぎると

フィルムが縮もうとしてカールしますから
ここは作業者の腕の善し悪しもあります。

こういう技術的な問題がなかったとしても
片面ラミでは環境変化の対応は難しい。

せめて本を読む環境でラミネート作業すれば
カールしにくくなるとは思います。

この記事がコート紙にPP加工するときの
カール対策の参考になればと思います。

いい本を作って下さいね!

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