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紙に灰分が入っている理由?裏抜けや手触り感の改善のため!

紙 灰分

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、紙に灰分が入っている理由のお話。

紙に灰分が入っているって
ご存知でしょうかね?

管理人、実は製紙会社に入るまで
そんなことは知りませんでした。

紙はパルプだけで出来ている
ものだと思ってましたからね。

でも違うんですよね。

本当は、紙はパルプ以外に
相当薬品が使われています。

その中でも灰分はかなりの
ウエイトを占めています。

ではなぜ紙に灰分を入れるのか?

品質とコストはどうなるのか?

ということで。

この記事では紙に灰分を
入れる理由について

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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紙に灰分を入れるのは裏抜けや手触り改善とコストダウン

そもそも灰分は粘土のことです。

薬品名でいうと、クレー、炭カル、
タルク、酸化チタンなどです。

これらは色んな所で使われてます。

化粧品なんか多いですね。

泥でパックしたりしますがあの
成分はクレーの一種だったりします。

炭カルは歯磨き粉に入ってるとか。

酸化チタンはUVカットの
化粧品に入ってたりします。

簡単に言うと石ころが細かくなった感じ。

化学的に合成するものもありますが
単純に砕いているものもあります。

粒子径もそこそこ大きいものから
直径2μm以下の細かいものまで。

どの種類をどう使うかは性能と
コストを見ながらって感じですね。

それで。

紙に灰分を入れる理由は
裏抜けや手触り改善。

そしてコストダウンです。

それから歴史的にみると。

技術的に灰分を入れることが
出来るようになったというのもある。

ちょっとこのあたりをお話してみます。

紙に灰分を入れて品質改善

まずは品質改善のために
灰分を入れるケース。

紙を製造するときに灰分を
全く入れずに作ることは出来ます。

むしろその方が作りやすいです。

しかし、それでは紙の表面の
平滑性は悪くなるんですね。

どうしても表面がザラザラする。

カレンダーで紙表面をこすれば
平滑性は上がるじゃないか。

そう思うかも知れませんがそうはいかない。

灰分が入っていない紙にカレンダーで
圧縮してもなかなツルツルになりません。

理屈としては、紙に使われている
パルプより灰分のほうが細かいので

表面の凸凹が少なくなる
という感じですかね。

手触りの良いすべすべした感じを
出すには灰分が有効なんです。

きめ細かな肌になるということ。

お化粧と同じですかね。

次に裏抜け対策。

裏抜け、専門的には不透明度です。

裏抜けといっても向こう側が透けて見える
というのとインクが裏まで抜けるというのが

あるんですが、灰分を入れると
両方共の対策になります。

それで。

向こう側が透ける対策。

灰分の粒子径にもよるんですが
粒子径が小さい方が効果が高い。

これちょっと話がややこしいんですが。

まず、薬品を添加するときは重量で添加します。

パルプ1トンに対して薬品を15kgとか。

たとえばそういう比率で添加する。

このとき同じ15kgであったとした場合、、
粒子径が小さい方が粒子の数が多い。

粒子の数が多いほど光の粒が
当たって散乱する確率が上がる。

つまり、大きな粒子が1個あるより
小さな粒子が10個の方が確率が上がる。

1個同士だったら大きな粒子の方が
有利になるはずなんですが、

重さで添加する場合は
個数が全く違ってきます。

なので粒子径が小さい方が効果が高い。

だいたいそんな感じなんですよね。

不透明度向上剤として使われるのは
酸化チタンが多いと思います。

酸化チタンは屈折率が高いので
不透明度が上がりやすい。

じゃあ、粒子径の小さいものを
たくさん入れたらいいじゃないか。

となるんですが、そうはいかない。

粒子径が小さいということは
それだけ紙に残りにくいということ。

だから添加するにも限界があります。

その折り合いをどうつけるか。

これ、かなり悩ましいところです。

それから。

もうひとつのインクの裏抜け。

これはもう少し単純で紙はパルプが
絡み合ったシートですから

その隙間を埋めてやればいい
ということになります。

つまり、灰分が入っていれば隙間が
埋まるのでインクが抜けにくい。

ということです。

紙に灰分を入れてコストダウン

紙に灰分を入れるもうひとつの
理由はコストダウン。

パルプよりも灰分の方が安いんです。

普通は。

特に、タルク、炭カルは安い。

クレーは種類が色々あるのですが
基本的にパルプよりは安いです。

酸化チタンは通常パルプより高いので
あまりコストメリットはありません。

なので特別に不透明度を上げる
というときにしか使いません。

最近は相当の紙が中性紙になったので
炭カルが多くなっていると思います。

炭カルは酸性条件では泡を出して
溶けてしまうので使えない。

しかし中性条件なら問題ないので
中性紙で使うんですよね。

というか、炭カルを使いたいから
中性紙にしたというのもあります。

特に、古紙配合率を上げるとき。

今の古紙はチラシが多いんですが
チラシはほとんどコート紙で

そのコート紙の塗料のほとんどに
炭カルが使われています。

だから、中性紙にして古紙に含まれる
炭カルを有効活用したいんですよね。

まあ、そんなわけで灰分に
炭カルがよく使われるんです。

とはいえ、これもいくらでも入れる
ということにはなりません。

どうしても添加量には
限界がありますからね。

いくらコストダウンだと言っても
せいぜい灰分10%前後かなと。

管理人の経験では灰分26%の
中性紙を見たことはありますが

それは古紙100%の普通紙の
インクジェット用紙でした。

当時はよくそんなものを
作ったなと思いましたね。

今でもかなり特殊なものだと思いますが。

そうそう。

いい忘れていましたが、灰分を
入れると紙がしなやかになります。

逆に言うと剛度が落ちる。

それから紙厚が薄くなります。

パルプ分が灰分に置き換わるので
嵩(かさ)が出にくくなるんですよね。

このあたりはバランスが難しいところです。

紙に灰分を入れることが出来る様になったのは技術の進化

ここからは管理人の推測です。

紙に灰分を入れる技術なんですが。

実は古い本は結構軽いんです。

これは実際に管理人は
古い本を手に持って感じました。

なんでこんなに本は分厚いの軽いのか?

ちょうど嵩高い紙を調べてたんですが
古い本が軽かったんですよね。

それは多分、戦後すぐに
製造された本だったと思います。

本当に驚くほど軽かった。

それで理由を考えてみた。

どうも古い本には灰分があまり
入ってないみたいなんです。

そういう技術があまりなかったらしい。

正しくはそういう事ができる設備が
なかったということなんでしょう。

灰分を供給する仕組み、
灰分を添加する設備

灰分を添加して抄造できるマシン、
灰分に対応できるワイヤーやフェルト。

そういう条件が揃わないと灰分を添加した
紙を製造することは出来ないんですが

戦後スグではそういうものは
何もなかったのではないかなと。

なので、当時の紙は軽い。

今のように薬品を好きに使える
環境がなかったんだと思います。

でも今ではなめらかな表面の
白い紙は当たり前なわけです。

こういうのも技術の進化だと思いますね。

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管理人のまとめ

今回は、紙に灰分を入れる
理由というお話でした。

結論から言うと紙の品質改善と
コストダウンのために添加します。

品質改善は特に紙の表面性、
裏抜けの改善のため。

コスト的には炭カル、クレー、タルクなどは
パルプより安いのでそれなりに添加します。

中性紙と古紙配合品が増えて特に
炭カルがよく使われる様になった。

という感じですね。

それから、戦後の紙は灰分が
あまり入っていなかったようです。

こういうのも環境とか技術の進化が
あったということを感じますね~

この記事が、紙に灰分を入れる
理由の参考になればと思います。

技術の進化、感じてくださいね!

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