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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、紙を木材から作る
理由はなにというお話。
管理人、紙は木材から作るから
森林を伐採して環境破壊になる。
こういう話をよく聞かされました。
なにしろ、元製紙会社社員ですからね。
いまだにこの手のお話を
信じている人がいます。
しかし。
管理人はそれはおかしいと思っています。
理由はあります。
少なくとも日本の会社は今では
環境問題では優等生です。
紙を作るためには木材の確保が
なによりも重要になるから
森を伐採するようなことはせず
自社で植林しています。
こういう取り組みをしておかないと
原料が無くなってしまうんですよね。
まあ環境問題ではなくて本当に
原料確保の問題なんですけど。
なので、紙を使うと森が無くなるという
キャンペーンはちょっと変かなと。
実態を調べないというよりは
パフォーマンスなんでしょうね。
製紙会社って巨大企業で公害の
イメージがあるから叩きやすい。
でもですね。
今どきそんな山の中の木を使っていたら
経費がかかって競争できません。
管理人のいた頃でさえ、海外の広い土地に
畑のようにユーカリとかを植えてました。
伐採した木材を運びやすいところじゃないと
経費がかかって仕方ないんですよね。
国内じゃ人件費も土地も高いし狭いし。
それで。
計画的に植林してますから
伐採で緑が減ることはない。
切れば植えるの繰り返しですから。
それでこれ、企業としてはやらないと
いけないんですよ、原料確保ですからね。
繰り返しますが、原料を確保しなければ
紙を製造することはできません。
だから緑が減らないように木材を確保する。
しかし中には、木材じゃなくて草とか
竹とかでも紙をつくればいいじゃないか。
こういうことをいう人もいます。
しかししかし。
残念ながらやっぱり木材が都合がいい。
ではその理由は?
ということで。
この記事では紙を木材
から作る理由について
管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。
紙を木材から作る理由は原料の安定供給とコスト
結論から言うと紙を木材から作る
理由は原料の安定供給です。
他の原料との一番の違いはここです。
少し説明してみます。
まず、木材以外の原料だったら
和紙ならにコウゾ、ミツマタですよね。
つまり、草です。
これは原料として品質はとてもいいです。
木材より品質は良いでしょう。
それは和紙で実証されてます。
しかし、草の場合そんなに大量に
収穫できるかと言うとそれは厳しい。
だいたい草の場合、年中収穫
出来るのかと言うと難しい。
ここが木材との大きな違いですね。
一時期バガスというのも流行りました。
しかし、これも無理なんです。
原料として数量が確保できないし
季節によって収穫量が変わる。
収穫して保管しておくにしても
保管している間に劣化する。
劣化しない倉庫を作るとしたら
それにはまた費用がかかる。
環境に優しいと思われますが
原料としてはさっぱりなんです。
今のように大量生産する工場で
原料として使うのは無理でしょう。
昔の日本のように家内工業で
やっているならいいでしょうけど。
草がダメなら竹はどうか?
でも実は竹は使いにくいんです。
中身は空洞ですしね。
原料として効率が悪い。
もちろん竹で紙を作ることは出来ます。
実際、商品もあります。
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しかし、大量生産の商業ベース
ではコストが合わない。
なので話題には面白いんですが
現実には使いにくいというわけです。
結局現状では木材ほど大量に安定供給できて
コストが安い原料がないということなんですね。
紙は木材から作り続けられるのか?
ここからは余談です。
ここまで現状では紙は木材から
作るのが経済的とお話しました。
今後もなにか技術革新がなければ
紙は木材から作られると思います。
古紙はゴミの問題もあるので
積極的に利用するでしょうけど
そう簡単に草や竹を使って
作るようになるとは思えません。
管理人が製紙会社にいた頃は
バイオテクノロジーが進めば
セルロースだけを生産してくれる微生物が
出来るかもなんて言ってましたね。
今の所出来てないみたいですが
研究はしているでしょう。
そういうのも結局は安定供給と
コストが問題になります。
微生物がリグニンのないパルプを
作ってくれたら漂白せずに高品質の
紙を製造することは出来るでしょうが
コストが合うかどうかが問題です。
それとどうやってパルプを取り出すか、
そんな大規模なリアクター作れるのか。
工業的に実現させるのは相当
大変な課題があるでしょう。
こういうのも本当に森林伐採で環境が
悪化しているなら前に進みますが
実際には植林しながら原料を確保している
となるとそこまで環境は悪化していないはず。
むしろ植林による緑化効果の
ほうが大きいように思います。
それからもう少し現実的な話をすると
今あるプラントをどうするのか、ですね。
パルプ製造プラントをどうするのか。
まだまだ現役で稼働しているわけですから
それを止めることが出来るのかということ。
まあ、無理ですよね。
パルプ製造プラントには莫大な設備投資が
かかっているわけで廃止なんて出来ません。
余程老朽化しない限り動かします。
償却が終わってからどれだけ
動かせるかが勝負だったりします。
全く別のところに全く新しい
コンセプトで工場ができるなら
そのときには非木材パルプ工場が
実現するかも知れません。
しかし、現状では10年、20年程度は
今の設備が可動するでしょう。
巨大な装置産業というのは一度決まったら
その方向を変えるのはとても難しい。
紙を木材から作る工程や技術は十分
確立しているので余計に変えにくい。
思いつきのようなアイデアでは
どうにもならないと思いますね。
管理人のまとめ
今回は、紙を木材から作る
理由というお話でした。
結論から言うと原料の安定供給と
コストという点で木材がいいわけです。
代替品として草とか竹とかありますが
あまり現実的ではないんですね。
特に草の場合は安定供給が
難しいし竹はコストが高くなる。
現状技術が確立されている
木材の代替には難しい。
それが実際のところだと思います。
もう一つ重要なのは設備の問題。
パルプ製造設備は巨額投資ですから
これを廃止するのは相当な決断。
現在稼働しているのであれば
そう簡単に変更はできません。
木材から紙を作るのを止めたら
この設備どうするの、となります。
結局、製造側の都合としては
原料供給もコストも設備も
紙を木材から作るということで
トータルの設計がされてます。
なので、新しい原料を使うなら
新工場が建設されないと無理。
管理人はそんなふうに感じますね。
この記事が、紙を木材から作る
理由の参考になればと思います。
紙を木材から作る技術の
優秀さを分かって下さいね!
(参考)
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