古紙の品質トラブルは何が多い?ホットメルト、臭いのある紙

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古紙 品質トラブル

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、古紙の品質トラブルは何が多い?
ホットメルト、臭いのある紙、と言うお話。

管理人は元製紙会社社員。

古紙のことも少しは勉強しました。

それで。

一般的には日本の古紙は品質がいい。

この場合、品質がいいというのは
比較的均一な性能と言う意味です。

たとえば。

新聞古紙ならほぼ新聞だけで構成されている。

ダンボールとかクラフト紙とか
無関係な紙が混ざっていない。

それから禁忌品が入っていないこと。

紙にならないものですね。

たとえばシールとかビニールとか。

こういうものが混ざっていない
と言う意味で品質がいいんです。

外国の古紙のことは分かりませんが
多分これほど品質がいいのは日本だけ。

それだけ分別回収が出来ているのでしょう。

まあ中には悪質な業者もいて
古紙の中に鉄を入れるとかして

重くしてから納入するとか
そういうのもあったらしい。

管理人的には鉄のほうが高く
売れるのではと思いますが。

驚くような異物としては
自転車というのもあったとか。

古紙の中に自転車って・・・

管理人はそういう話を聞いたことが
ありますが現実に見たことはない。

逆に言うとそういう話がめずらしいから
面白おかしく伝わっているのでしょう。

それだけ異物混入は少ないと言う証拠ですね。

それはそうとして。

これほど優秀な日本の古紙ですけど
それでもトラブルは発生します。

では古紙の品質トラブルで問題が
多かったものはなんなのか?

ちょっと確認してみましょうか。

ということで。

この記事では古紙の品質トラブルは何が多い?
ホットメルト、臭いのある紙、について

管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。

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古紙の品質トラブル。どんな異物が多いのか

古紙の品質トラブルと言っても。

古紙そのものの色調とか強度とか
そういう問題ではありません。

そういうたぐいの品質については
パルプ配合や薬品で対応しますから。

というか品質設計の段階で少々なら
大丈夫なように設計しています。

なので問題は異物混入。

具体的にどんな物が多いのか
資料があったので見てみます。

平成25年5月と古いですけど。

古紙再生促進センターがまとめた資料。

古紙の品質を守るために

 

こちらに異物のお話があります。

このなかで製紙工場で問題になる
異物混入は上から以下の通り。

  • ホットメルト接着剤
  • 臭いのついた紙
  • 樹脂コーティング剤
  • 合成紙
  • 粘着紙
  • ロウ紙

データとしては古いですが
今でも似たようなものでしょう。

ホットメルト接着剤は雑誌や
書籍の背糊によく使われますね。

こういう製本機もありますし。

 

ジャパン・インターナショナル・コマース JIC 卓上製本機とじ太くん 3000型

 

ホットメルト自体はこういうやつか。

とじ太くん 専用ホットメルト BM-HM 背表紙専用糊 6mm幅(35本入り)

 

ホットメルトは便利なんですけど
リサイクルには困りものというわけ。

何が困るって加熱したら粘着性を持つ
というこの性質が困るわけですよ。

抄紙工程は色んなところで熱が
かかりますから粘着性が出て

それが異物となって機械や紙に
付着して欠陥になってしまう。

ロールに付着したりするとロールが
一回転するたびに欠陥が出てしまう。

小さな異物で被害は拡大する。

製紙会社にとっては怖いトラブルです。

臭いのついた紙も困りもの。

臭いってなかなか除去できないんですよね。

嫌な臭いの代表はカビでしょうか。

こんな臭いが製品で出たら
クレーム間違いなしです。

じゃあいい匂いだったら大丈夫か?

そうもいきません。

芳香剤や洗剤、お線香なんかだと
許してもらえそうなものですけど

食品の包装紙とか箱で臭いがしたら
中の商品が疑われるわけですから。

多くの場合は最終消費者に届くまでに
印刷工程もありますからインキの臭いが

強くなることもありますがそれでも
ちょっとした臭いに敏感に反応します。

だから臭いのついた古紙は困るわけです。

樹脂コーティング紙や合成紙は
単純に紙にならないのでNG。

粘着紙はホットメルトと同じで
粘着性が出ると遺物になりやすい。

ロウ紙も水をはじくので離解できず
原料にならないから困るというわけ。

これ以外だと感熱紙ですかね。

ノーカーボン紙もにたようなもの。

これらは基本的に透明な染料が
顕色剤と反応して色が出る。

最初から色がついていればまだしも
製品になった時は問題がないわけです。

それがなにかのキッカケで色が出る。

見つからなければスルーですけど
見つかった時は厄介ですよね~

古紙の品質トラブル。注意して分別してほしいのは雑誌

古紙の品質トラブルの
お話をしてきましたが。

分別で注意して欲しいことはなにか?

これもちょっと確認しておきます。

結論からすると雑誌だそうです。

というのも雑誌には圧着はがきとか
シールのような粘着性のある紙が

使われていることが多いので
これらは取り除いて欲しいと。

同じ意味で雑がみもそうですね。

新聞紙のように新聞紙とチラシだけ
というのであれば扱いやすいんですが

雑誌や雑がみは紙の品種が
一定にならないわけです。

だから十分に注意して分別して欲しい。

そういう感じですね~

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管理人のまとめ

今回は古紙の品質トラブルは何が多い?
ホットメルト、臭いのある紙という
お話でした。

結論から言うと問題なのは
粘着性のある紙と臭いのある紙。

管理人の経験から言うと
特に粘着性のある紙です。

他にも感熱紙やノーカーボン紙など
ロイコ染料を使ったものも困る。

日本の古紙は分別が出来ていて
かなり品質は良いんですが

それでも回収率が上がるほど
品質の悪いものも増えてくる。

そのあたりはジレンマです。

管理人的には確実に原料になる
紙だけを古紙にして欲しいですね。

この記事が、古紙の品質トラブルの
参考になればと思います。

古紙の分別、上手くやって下さいね!

(参考)
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