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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、共用紙と中性紙の違い?
用途と品質の問題ですが重なる所も!
というお話。
管理人、こういう質問見るとそれ比較に
なってないと思ってしまうんです。
あんまり意味がわかってないんだなと。
でもそれは仕方ないんですよね~
普通の人はこういうこと考えませんから。
まあ、簡単に言うと共用紙はプリンタ用紙で
レーザーでもインクジェットでも使える紙、
中性紙は紙のPHが中性の紙ということで
そもそも比較するカテゴリが違います。
でもこれだけではちょっと不足かも。
ということで。
この記事では、共用紙と
中性紙の違いについて
管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。
共用紙と中性紙の違いとはなにか?
まず最初に。
そもそも共用紙とか中性紙
というのはなんでしょうか?
ここから確認する必要があります。
それで。
まずは共用紙。
共用紙について
管理人が確認した限りでは
明確な定義は見当たりません。
管理人のイメージとしては
レーザープリンタ一でも使えるし
インクジェットプリンタでも使える紙。
ということになります。
実質的には非塗工のコピー用紙ですね。
こういうやつです。
コクヨ コピー用紙 A4 白色度80% 紙厚0.09mm 500枚 FSC認証 KB-39N
本来は様々なプリンタに使えるという
ことでしょうが実質的にはこの2つ。
一番身近なものだと思います。
逆に共用紙でないものはなにか?
これはインクジェットでもレーザープリンタでも
塗工タイプのものということになるでしょう。
インクジェット用なら例えばこういうやつ。
FUJIFILM 写真用紙 画彩 超光沢 厚手 A4 60枚 WPA460PRO
これはインクジェット印刷でしか
使うことはできません。
それ以外の用途はないんですね。
もしもこれをレーザープリンタで使ったら
最悪プリンタが故障するかも知れません。
それから。
レーザープリンタ用ならこんなやつ。
KOKUYO カラーレーザー&カラーコピー用紙(光沢紙・厚手) A4 50枚 LBP-FG1310
これも専用紙。
これをインクジェットプリンタで使うと
インクが表面に浮いてくるでしょう。
まともな印刷にはなりません。
いずれにしても。
共用紙は実質的には非塗工の
コピー用紙ということになります。
中性紙について
次に中性紙。
wikiによると以下の通り。
==ここから==
中性紙(ちゅうせいし)は、中性から弱アルカリ性域で製造された紙で、てん料(充填剤)として炭酸カルシウムが主に使用されている。製造された紙も中性から弱塩基性を示す。
==ここまで==
中性紙は品質の問題なんですよね。
共用紙とはカテゴリが違うわけです。
中性紙は中性で製造された紙ですから
コピー用紙のような非塗工紙もあれば
チラシの紙のようなコート紙もあるし
ティッシュペーパーのような紙もある。
ただですね、現在販売されている
コピー用紙はほとんどが中性紙です。
なのでそう考えると。
中性紙は共用紙を含む
中性紙⊃共用紙
と言う感じですかね。
共用紙が中性紙になっている理由
ここまで、共用紙と中性紙の
違いについてお話しました。
そもそも共用紙は用途のお話で
中性紙は紙の品質のお話。
だから、同列で比較しても
意味がないわけです。
ただし。
先程お話したように、共用紙は
中性紙であることが多いです。
中性紙が共用紙というわけではないが
共用紙は中性紙になっているということ。
言い方がややこしいですね。
まあそれはそうとして。
ではなぜ共用紙は中性紙なのか?
ちょっと気になるんですよね~
それで。
管理人のイメージでお話するとですね。
まず、コピー用紙とかレーザープリンタ。
これは酸性紙でも製造できたはず。
管理人はもう何十年も前に
そういう紙を作ったことがあります。
中質PPCという紙でした。
今の低白色PPCと似てますが
中味はちょっと違います。
使っていたパルプのメインは
クラフトパルプだったんですが
その他のパルプは古紙ではなくて
機械パルプだったんですよね。
それに当時はまだ中性紙は漂白した
クラフトパルプに対してだけであって
機械パルプや古紙パルプには
適応することができませんでした。
それでもコピー機でコピーは
できていたんですよね。
だから、コピー用紙が中性紙でなければ
いけないという理由はないと思うんです。
インクジェットプリンタも同じ。
紙が中性か酸性がというのは
印刷できるかどうかには無関係。
だいたい、塗工タイプのインクジェット用紙は
塗料が酸性と言う場合も結構あったんです。
それでもインクジェット印刷はできていました。
なので。
品質的な観点から中性紙でなければ
いけないということは言えないと思います。
ではなぜ中性紙なのか?
管理人の記憶ではやっぱり
文書の保存問題じゃないかと。
酸性紙は長期保存をすると
紙がボロボロになるんです。
しかし、中性紙なら問題ない。
100年以上持つらしいですから。
それは和紙が実証してくれてますね。
それで。
コピー用紙は主に文書に使われるわけで
長期保存できないと困るわけです。
なので中性紙になった。
こんな感じだと思います。
実は製造する側としての
中性紙のメリットはあまりない。
内添填料として安価な炭酸カルシウムを
使うことが出来るというのはあるんです。
しかし、薬品費や抄紙システムを考えると
中性紙というのは結構ややこしいんです。
酸性紙のほうが簡単なんですね。
かつてはそういう感じでした。
だから中性紙化は結構
無理やりやっていました。
ただ、今となってはちょっと違う。
紙はコート紙が増えてきました。
安価なチラシもみんなコート紙。
そしてこのコート紙の塗料に
使われるのが炭酸カルシウム。
炭酸カルシウム、炭カルといいますが
これは酸性条件では泡を出して溶ける。
なので、酸性抄紙の場合
マシントラブルのもとになる。
ところが。
これが古紙の原料として大量に
入ってくるようになってきたわけ。
そのとき炭カルも入っています。
でもこれが酸性抄紙だと有効活用
することができないわけです。
有効活用どころか多すぎると
マシントラブルになるんです。
しかし。
中性抄紙であればこのコート紙の
塗料由来の炭カルも有効に使える。
コート紙が増えてその古紙の配合比率が
増えて来たので中性紙の方が都合がいい。
そういう理由もあるんですね。
まあ、実際のところは国内での
コピー用紙の生産は減りました。
海外からの安い輸入品がほとんど。
そういうやつは最初から
中性紙で製造してます。
だから管理人が経験したような
酸性から中性の切り替えというような
面倒な経験はせずにそういうものだ
ということで製造されてると思いますね。
管理人のまとめ
今回は共用紙と中性紙の違いでした。
そもそも共用紙は紙の用途で
中性紙は紙の品質のお話。
同列で比較するのが無理がある。
ただし、共用紙はほとんどが
品質的には中性紙になっている。
その理由は主に文書を保存しても
紙が劣化しないためということでした。
共用紙と中性紙ではそもそも
カテゴリが違うんですよね。
例えてみれば、りんごとみかんを
足し算しているようなものです。
中性紙は紙の品質のことですから
コピー用紙の共用紙はもちろんのこと
コート紙もティッシュペーパーも
中性紙になっているわけです。
ここは分かってもらいたいなと思いますね~
この記事が、共用紙と中性紙の
違いの参考になればと思います。
プリンタ用紙、正しく使ってくださいね!