半光沢紙はマットとも呼ばれます。グロスと何が違いますか?

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半光沢紙 マット紙

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は半光沢紙のお話です。

同人誌ではコピー本作ったりしますよね。

そのときに使う紙なんですが。

コピー本だから本文用紙は
コピー用紙になると思うんですけど

表紙をどうしようかと迷うことも
あると思うんですよね。

そこで元製紙会社社員の
管理人は質問されるわけです。

半光沢紙とグロスって何が違うんですか?

管理人の回答は、

見た目の光沢が違います。

内容的に落ち着いたものなら
半光沢紙を表紙にするといいですよ、

写真集とかカラフルなイメージなら
グロスのある通常のコート紙を

使うのがいいんじゃないですか
ということになります。

でもそれではちょっと味気ないので、
もうちょっと突っ込んだお話をしたい。

ということで。

この記事では半光沢紙とか
マットコート紙と呼ばれる紙と

一般のグロスのあるコート紙でいったい
何が違うのかをお伝えしたいと思います。

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半光沢紙とコート紙の違い

半光沢紙はマット紙とも呼ばれます。

コート紙の一種ではありますが
通常のコート紙よりも白紙光沢が低い。

白紙光沢が低いということは
反射して直接目に入ってくる

光の量が少ないので
目の負担が少ないということ。

そのため文字の多い印刷物のように
じっくりと読むものに向いています。

ラノベの設定資料のような
イラストと文字から成るものにいい。

逆に通常のコート紙はグロスが高い、
つまりツヤがあって光沢が高いですから

写真とか華やかなイラストに
向いています。

雑誌の表紙にコート紙が多いのは
見た感じで目を引くため。

表紙の紙にどちらを使うかは
悩むところだと思いますが

内容が落ち着いたものなら半光沢、
写真などが中心ならコート紙。

内容に合わせて選択するのが
いいんじゃないでしょうか。

ここでひとつ重要なことを。

コピー本を自作する場合
本文用紙はコピー用紙で、

使用する印刷機はコピー機や
カラーレーザープリンタ、

またはインクジェットプリンタに
なると思います。

このとき表紙をどの方法で
印刷するにしても

その印刷機に応じた紙を選ばないと
まともな印刷はできません。

半光沢紙やコート紙は
オフセット用ですから

その紙をインクジェットで
印刷しようとしても印刷になりません。

表紙もインクジェット印刷したいなら
インクジェット用紙を使うべきです。

インクジェット用紙でも
マット調インクジェット用紙や、

光沢インクジェット用紙がありますから
これの厚手を使えば自作できます。

レーザープリンタやコピー機で
印刷する場合も専用紙を使うべきです。

ただしどうしても一般の半光沢紙や
コート紙を使用したいなら

枚数が少なくても受けてくれる
業者に頼んだほうがいいでしょう。

普通のオフセット印刷を個人でやるのは無理。

枚数が多い場合は業者に頼むほうが
安上がりというケースもあります。

ここは印刷費用を比較したいところです。

半光沢紙とラミネートについて

それからコピー本でも
表紙にラミネートするか考えますよね?

ラミネートをするとなると
紙の表面光沢よりも

ラミネート後の表面光沢が
重要になりますので

表紙に使う紙自体の光沢は
マットでもグロスでもいい。

半光沢紙を使ってもグロスコート紙を使っても
ラミネートの種類で表紙の光沢が決まります。

ラミネートの表面の光沢は、

クリア加工ならグロス調
マット加工ならマット調

というようになります。

ですからこれを考慮した上で
内容に合ったラミ加工をすべきです。

インクジェット印刷後に
自分でフィルムを貼る場合も

業者にラミネート加工を
頼む場合も考え方は同じです。

なお、ラミネートをするなら紙の表面光沢は
ラミ加工後にはあまり影響しないのですから

価格的に安い紙を使うほうが
リーズナブルでしょう。

インクジェットで印刷するなら
マット紙の方が安いですが、

コート紙の場合はグロスのコート紙の方が
半光沢紙よりも安い場合があります。

ですからそこは業者に
確認したほうがいいと思います。

半光沢紙とコート紙の製造方法の違い

ここまで半光沢紙とコート紙の用途について
お話させてもらいました。

ここからは元製紙会社社員としての
体験談を交えた本音をお話させて下さい。

半光沢紙とグロスでは何が違うのか?
製造方法の違いを説明したいと思います。

一番違うのは白紙光沢ですから
カレンダーのかけ方が違います。

カレンダーというのは
紙にロールで圧力をかける装置。

平滑度と光沢(ツヤ)を出す工程です。

スーパーカレンダーと呼ばれる装置で
紙を圧縮してこすって光沢を出すんですね。

コート紙も半光沢紙も同じ工程がありますが
その条件が違うということです。

半光沢紙の場合はマットにするために
スーパーカレンダーではなく

もっと条件の緩いマシンカレンダー
と呼ばれる装置で平滑を出すとか

ソフトカレンダーと呼ばれる
条件の緩いカレンダーを使うこともあります。

塗工した後の工程や条件が違うのです。

それ以外では品種によっては
塗料処方も違います。

コート紙の場合は白紙光沢が
出やすい塗料処方を採用しますが

マットコート紙の場合は
白紙光沢が出なくてもいいので

比較的安い顔料を使った
塗料処方にしている場合があります。

また塗工量は白紙光沢に影響します。

だからマットコート紙では塗工量を
減らして光沢を落とすこともあります。

塗工紙を製造する場合は
塗料処方は同じ方が効率がいいので

コート紙とマットコート紙の
塗料処方を同じにして

塗工量やカレンダー条件で
光沢を調整することもやってました。

製造現場ですから品質はそこそこにして
コストダウンを図ろうとするんですよね。

今思えばかなり無理なことを
やってたと思います。

実際のところ半光沢紙の生産量は
コート紙に比べて圧倒的に少ないので

半光沢紙はコート紙のついでに
生産しているという感じだったのです。

管理人のまとめ

今回のお話は半光沢紙(マット紙)と
コート紙の違いについてでした。

ユーザーとしては使い方をどうしようかと
悩むんだろうと思います。

コピー本を作るときの表紙に
半光沢紙を使うのが良いかどうかとか。

管理人としてはここはやはり
内容に合った紙を使って欲しい。

文字の多い印刷にコート紙を使うと
目がチカチカして読めません。

だからそういうのはちゃんと選択してほしい。

それとコピー本を作るときにどこまでを
自分でやるのかはよく考えて下さい。

表紙をどうするのかということですね。

自分で印刷するのか業者に頼むのかで
コストも使う紙も変わってきます。

結構悩むところだと思いますが
それも楽しみなのかもしれません。

それから半光沢紙の
製造方法にも少し触れましたが

製紙会社も色々工夫して対応していると
理解していただけるとありがたいです。

そして紙を選ぶ参考にしていただければ
管理人が記事を書いた意味もあったかなと。

ぜひイメージ通りの本を作って下さいね!

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