クリーム色の紙が試験で使われる理由とは。特徴は何なのか?

記事内に広告が含まれています。

この記事は約 7 分で読めます。

クリーム色 紙

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回のお話は
クリーム色の紙が試験で使われる理由。

入学試験や模擬試験、
管理人には遠い過去の話です。

しかし今現在、必死で頑張っている人も
多くいると思います。

受験生は大変だし
その家族も気を使いますよね。

ところでその試験の解答用紙
クリーム色の紙が多いと思います。

真っ白じゃないですよね、
なぜか若干クリーム色です。

この紙はクリーム上質と呼ばれるんですが、
どういうわけでこんな色にしているのか?

またその特徴は何なのか?

この記事ではクリーム色の紙が
試験の解答用紙に使われる理由について

自分なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

クリーム色の紙が試験の解答用紙に使われる理由

冒頭でもお話しましたが、
試験の解答用紙に使われる

クリーム色の紙の名前は
クリーム上質といいます。

そのまんまですね。

製造方法も上質紙に染料を入れて
クリーム色にしているだけです。

メーカーによって若干色目は違いますが
基本クリーム色であることに変わりない。

それにしてもなぜクリーム色なのか?

調べてみると2つの理由がありました。

ひとつは目に優しいこと。

最近、パソコンのブルーライトが
目にという話をよく聞きます。

青とか緑の光は網膜への
刺激が強いので目が疲れやすくなる。

ブルーライトをカットするメガネとか
フィルムとかありますからね。

それに対して黄色系はそれほどでもない。

そもそも紙が黄色く見えるということは
紙が黄色に発光しているのではなく

白色光の中の青色を吸収しているから
その補色として黄色が見えるそうです。

白色光はすべての色を持っていて
その中の青色を除けば

補色の黄色が見える、
という理屈です。

いずれにしても黄色系のクリーム色は
青色をカットする方向に働く。

だから目に優しいということのようです。

確かに教科書なんかは
だいたいクリーム色ですね。

試験の解答用紙が青白かったら
目がチカチカするかも知れません。

もうひとつ理由があります。

それはマークシート用紙のとき。

マークシート用紙は
OCR用紙とかOMR用紙と呼ばれます。

このOCRの正式名称は
Optical Character Recognition/Reader

日本語では
光学文字認識だそうです。

マークシートの場合はOMRで
optical mark reader

光学式マーク読取り装置
だそうです。

重要なのは光学的に読み取るということ。

マークシートは大抵鉛筆で
黒く塗りつぶして

光を当ててその光の反射とか吸収とかを
読み取るということなんですね。

このときに光の反射を抑えるために
クリーム色にしているそうです。

ただこの説明には問題があるようです。

というのはOMRで使う光は近赤外線で、
鉛筆の黒鉛が近赤外線を吸収する。

鉛筆で書いたところは
近赤外線が吸収されるので

反射してくる光が少ないので
反射率を読み取ればいい。

ということなんですが、
それなら紙の色目は普通に白でいいはず。

これなら赤系統の色を吸収しなければ
なんでも良いように思います。

クリーム色でなければならないという
理由ではなさそうです。

人間的には黄色と黒は
コントラストがはっきりするので

マークがやりやすい
というのはあるかもしれませんが。

解答用紙にゴミやチリはNG

ここからは元製紙会社として
お話させて下さい。

上質紙の色をクリーム色にするのは
染料で調節するだけなんですが、

試験に使われる紙の重要な特性に
ゴミやチリが無いことがあります。

たとえばゴミやチリが小数点に見えたら
数学の問題では致命傷です。、

マークシートのように機械判定だと
ゴミやチリを誤読するかもしれません。

現実的にはゴミやチリを誤読とか
そんなことはないと思いますが

試験用紙はその人の人生が
かかっている書類でもあるわけで

ユーザーとしてはゴミやチリが
あっても良いなどとは絶対に言いません。

そしてゴミやチリが無い紙を抄造するのは
とても大変なことなのです。

どういうことか。

ゴミやチリのない紙を製造するには
ゴミやチリのないパルプが必要です。

当然ですよね。

そうなるとゴミやチリの少ない
パルプを選別して使いたいわけです。

しかしながら。

パルプから一貫生産している工場の場合、
現実的にパルプの選別は出来ません。

生産されたパルプはそのまま
流送配管を通ってマシンで使われるので

ゴミやチリの多少について
選別している時間などないんです。

そうなるとパルプ製造設備が無いため
パルプを購入している小さな工場の方が

ゴミやチリの少ない紙を
生産するには有利になります。

外部から購入したパルプを
評価選別してから、

ゴミやチリが少ないものを
使うことが出来るからです。

またゴミやチリの観点からすると
流送配管はない方がいい。

せめて出来るだけ短くしたいですが
大工場では無理です。

こういうのはその会社の体質でもあり
ただのクリーム上質なのか、

解答用紙やOCRに使えるのかでは
品質管理レベルが大きく違うのです。

見た目は同じでも内容は全く違うんです。

管理人の勤務していた工場では
残念ながら全く対応できませんでした。

大量生産志向とは相容れないので
それは仕方がないんですけどね。

管理人のまとめ

今回はクリーム色の紙が
試験で使われる理由でした。

一番大きな理由はクリーム色が
目に優しいからだと思います。

それから解答用紙はゴミやチリに
とても気を使って製造しています。

見た目では分かりませんが
そういうところが大きな差なんです。

それにしても。

受験は本人も周りも大変です。

紙もこんな感じで気を使ってますから、
体に気をつけてがんばってくださいね!

タイトルとURLをコピーしました