カレンダーの紙の名前。テカテカと光沢がある品種は何?

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カレンダー 紙の名前

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回はカレンダーの紙の名前は?
というお話です。

年末になると1月始まりのカレンダー、
年度末には4月始まりのスクールカレンダー。

管理人はだいたいもらいもので
なんとかするんですが、

アイドルとかアニメとかの
カレンダーを買う人も結構いますよね。

シニアと呼ばれる世代でも
パソコンを使える人は

自分で写真を撮って
オリジナルカレンダーを作成したり。

自宅のパソコンとプリンタでは
A3サイズ以上の大きさのカレンダーは

難しいですが卓上カレンダーなら
自作できますからね。

ところで高級カレンダーに使われる
テカテカと光沢のある紙なんですが、

キャストコート紙とかアート紙とか
A2コート紙とかが使われています。

通販でも購入は可能ですね。

これらはコート紙の一種で、
その中の最高級グレードになります。

ただ、これらの紙はオフセット印刷用。

ですから自宅のインクジェットプリンタで
印刷することは出来ません。

写真入りオリジナルカレンダーを自作する、
というのに使用するのはちょっと難しい。

どうしてもコート紙に印刷したいなら
業者に頼むしかないでしょう。

個人で自作したいなら
インクジェット用紙を使うのがいい。

これは紙の印刷適性の問題になるので
仕方のないところです。

コート紙にインクジェット印刷しても
にじんで印刷になりませんから。

これでカレンダーの光沢のある
紙の名前は分かったので、

この記事ではこれら高級コート紙の
用途や製法についてお話しようと思います。

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カレンダーに使われる光沢のある紙は何なのか?

カレンダーに使われる紙でも
高級感があって光沢があるものは

キャストコート紙、アート紙、A2コート紙と
呼ばれるグレードの紙になります。

アート紙はA1コート紙とも呼ばれ、
A2コート紙の上位グレードになります。

これらはコート紙の中でも
最高級グレードになるんです。

最も光沢感があるのがキャストコート紙。

次いでアート紙、A2コート紙の順です。

これらはいずれも光沢の高い
コート紙ではあるんですが

実はキャストコート紙と、
A1、A2コート紙では製造方法が違います。

その違いを説明したいと思います。

キャストコート紙

まずキャストコート紙の説明です。

キャストコート紙とは、
用紙に塗料を塗布した後、

光沢クロムメッキされている
平滑なキャストドラムにて
加熱乾燥させたものを指します。

キャストコート加工されている面は
非常に強い光沢がある用紙です。

用紙の特性上、
印刷された部分の光沢は

白地ほど光沢が得られないので
注意が必要です。

となっていました。

管理人はキャストコート紙の製造に
関わったことはないのですが、

キャストコーターを
見学したことはあります。

コート原紙に塗料を塗工して
エアーナイフで塗工量を調整します。

ここでエアーナイフというのは
塗工面に空気を吹き付けて

塗工量を調整する仕組み
ということです。

それで大径の金属ロールである
キャストドラムに紙を押し付ける。

キャストロールは鏡面になっていて
そこに押し付けられた塗工面に

ドラムの鏡面が転写されて
ピカピカの紙になります。

このピカピカの面が
そのまま塗工面になりますので

とても高光沢の紙に仕上がる
というわけです。

キャストというのはもともと
一定の型に収めるという意味だそうで、

紙が金属面を写し取るから
こういう名前になったようですね。

いずれにしても紙の中では
もっとも光沢の高い高級紙になります。

なおキャストコーターは通常片面塗工。

なので両面キャストコート紙は
2回塗工となり生産効率が低いです。

またキャストドラムで乾燥させるため
塗工速度が遅く製造コストも高い紙です。

アート紙、A2コート紙

アート紙とA2コート紙の
製造方法は基本的に同じです。

塗料処方や塗工量は違いますが、
ブレードコーターという塗工機で製造します。

ブレードというのは刃物の意味。
薄くて細長いペラペラした金属の板です。

紙に塗料を吹き付けて
このブレードで余分な塗料を掻き取り、
塗工量を調節します。

ブレードコーターの場合は
キャストコーターと違って

大抵1工程で両面塗工しますので
生産効率はいいです。

また、乾燥には赤外線ドライヤーや
熱風ドライヤーを使うので

塗工速度が速くても
十分乾燥させることが出来るため

生産効率がよく、
製造コストも安くできます。

その後、紙を乾燥させて
スーパーカレンダーという

光沢を出す装置に紙を通して
高い光沢を出します。

スーパーカレンダーというのは
金属ロールとコットンロールという

ロールを何本も積み重ね、
ロールとロールの間に紙を通す装置。

紙に圧力をかけてこすることで
光沢が出るというわけです。

アート紙とA2コート紙で
製造上大きく違うのは塗工量。

塗工量が多いほうが
光沢が出やすいんですね。

アート紙の塗工量は両面で40g/㎡前後、
A2コート紙の塗工量は両面で20-40g/㎡。

米坪(紙の重さ)が厚いほど
塗工量も多く設定しますので

厚手のA2コート紙は
アート紙に近い品質になります。

カレンダーやポスターに使われるのは
こういったグレードの紙ということです。

管理人のまとめ

今回はカレンダーに使われる
光沢のある紙のお話でした。

名前はキャストコート紙、
アート紙、A2コート紙になります。

これらの紙はオフセット用なので
家庭用インクジェットでの印刷は無理。

オリジナルカレンダーを作るなら
光沢インクジェット用紙を使うか

業者に頼んで作ってもらうか
ということになります。

キャストコート紙と他のコート紙では
製造方法が全く違っていて、

キャストコート紙はキャストコーター、
コート紙はブレードコーターで製造します。

両者では生産効率が全く違います。

キャストコーターはブレードコーターの
一割程度しか生産できません。

キャストコーターは高品質ではありますが
それだけ原価も高いということです。

たかがカレンダーの紙ではありますが、
このような違いがあるんですね。

この記事を読んで、
カレンダーに使われる紙について

関心を持ってもらえれば
管理人としてはありがたいです。

そしてオフセット印刷用の紙で
無理やりインクジェット印刷しないように。

紙の目的に応じて正しく使って下さいね!

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