コート紙90kgと135kgの違い。重さで何が変わる?

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回のお話は、
コート紙90kgと135kgの違い。

カタログやパンフレットを作るとき
紙の厚さは気になりますよね。

ページが多いのに厚い紙は使えないし、
薄すぎるとペラペラするし。

ちょうどいい紙を選ぶ必要があります。

ところで印刷業界では慣用的に
紙厚を連量で代用するようですが

この連量の違いは何に
どう影響するのでしょうか?

たとえばコート紙の90kgと135kgでは
何が違うのか?

それを少し考えたいと思います。

まず、ここでの90kgとか135kgは
kg連量と呼ばれる紙の重さです。

連量は決まった寸法の
紙1000枚の重さのこと。

一般的に四六判換算の数値が
使われることが多いです。

連量は米坪(1㎡当たりの紙の重さ)と
寸法で計算できる数値です。

たとえば四六判(788x1091mm)で、

連量90kgなら米坪104.7g/㎡
連量135kgなら米坪157g/㎡

となります。

これで、重さが違うのは分かりますが、
では重さが違うと何が変わってくるのか?

たかが紙一枚の重さじゃないかと
言われそうですが

実は米坪が変わるということは
品質も用途も製造コストも違います。

この記事ではコート紙90kgと135kgでは
一体何が違うのかということを

元製紙会社社員として
お伝えしたいと思います。

【コート紙90kgと135kgでは何が違うのか?】

四六判のコート紙90kgと
135kgでは何が違うのか。

先程述べましたが、
まずは米坪が違います。

これは当然ですよね。

連量=米坪x寸法x1000枚

ということで計算されるのですから、
連量が大きければ米坪も大きい。

ここからが問題です。

では米坪が大きくなると何が変わるのか?

元製紙会社社員の立場としては、
銘柄が同じでも品質的には大きく違う、

と言いたいのですが、
もう少し具体的に説明します。

項目としては紙厚、強度、剛度、
不透明度についてです。

まず一番分かりやすいのは紙厚。

重さにそのまま比例はしませんが、
90kgと135kgでは1.5倍違うわけで、

両方の紙を手で持って比べれば
明らかに厚みが違うと分かります。

そして厚みが違うと用途も変わってきます。

コート紙90kgならチラシ。

週刊誌の表紙のように
ペラペラした感じの表紙にもなります。

コート紙135kgなら雑誌の表紙や
カタログや写真集。

しっかりした感じです。

米坪が変わるということは
使用用途が変わるということでもある。

元製紙会社社員からすると
何もかも違いますという理由ですね。

紙厚以外ももちろん変わってきます。

次に違うのは紙の剛度(ごうど)。

腰、かたさ。こわさ、などと
表現されることもあります。

うどんやそばを食べて
コシが違う、と言ったりしますが

紙の剛度も感覚的には
それに近いです。

剛度は理論的には
紙厚の3乗に比例しますので、

紙厚が厚いほどしっかりした紙、
ということになるんですね。

ペラペラとか、しっかりとかいうのは、
相対的で感覚的なものですが

90kgと135kgでは紙の腰が
全く違うということになります。

次に変わってくるのは強度。

これも感覚的に分かると思いますが
厚い紙ほど強いです。

印刷用紙の場合は
ある程度の米坪以上になると

強度はあまり問題になりませんが
包装用紙だったら使い道が変わってくる。

これも大きな違いです。

次に違うのは不透明度。

いわゆる裏抜けですね。

厳密には、

次のページが透けて見えてしまう場合、
裏面の印刷が透けて見えてしまう場合、

がありますが、

どちらも米坪の影響が大きいです。

これもある程度米坪が重いと
裏抜けしなくなりますが、

米坪が軽い時には数g/㎡の違いが
大違いになります。

【コート紙90kgと135kg 生産量やコストへの影響】

ここまで米坪が変わると
何が変わるかを説明してきました。

ここからは元製紙会社社員としての
体験をお話させて下さい。

実は米坪というのは
紙の生産量に大きく関わっています。

コート紙は紙に塗料を塗工しますので、
コート原紙という紙が必要です。

コート紙の米坪が厚ければ
コート原紙の米坪も厚くなります。

一方、抄紙機には時間あたりで
最も生産量が多くなる米坪があります。

抄紙機の生産量は
取巾と米坪と速度で決まるので、

取巾が同じなら米坪が厚くて速度も出る、
というのが都合がいいんですね。

どの米坪が効率がいいのかは
抄紙機の特性によるのですが

あまり厚くなると速度が出なくなり
生産量が落ちることになります。

マシン速度が遅くなる主な理由は
紙の乾燥が追いつかないから。

紙が厚くなるほど乾燥負荷が
大きくなりますから、

十分乾燥させるために
マシン速度を落とすわけです。

こういうのは製造する側にとっては
かなり悩みのタネでした。

これは抄紙機だけではなく、
塗工機(コーター)でも同じでしたね。

つまり塗料を塗工して乾燥させるとき、
紙が厚いほど乾燥しにくいわけです。

それで速度を落とす。

これもマシン特性があって
ドライヤーが強力であれば

それほど問題にはならないですが、
逆に貧弱だと生産量が下がってました。

それからコート紙の場合は
塗工後に光沢を出すための

スーパーカレンダー工程があるんですが、
紙が厚いと光沢が出にくい傾向があり、

その時はカレンダーの圧力を上げたり
スピードを落としたりと色々やってました。

ここでもやはり速度が落ちてましたね。

ちなみに、時間当たりの生産量は、
固定費にかかってきますから、

生産効率が悪いと
製造コストが跳ね上がる。

米坪の違いというのは
こんなところまで影響するんです。

【管理人のまとめ】

今回はコート紙の90kgと135kgでは
何が違うのかというお話でした。

ここでいう90kgとか135kgは
四六判換算の連量のことです。

それは紙の重さである
米坪の違いになるんですが、

品質的には紙厚、強度、剛度、不透明度、
などに大きな影響があります。

またそれによって用途も変わってきます。

製造面からすると生産量に影響し、
コストも変わってくるということでした。

たかが米坪の違いではありますが、
全然違うということです。

いずれにしても。

米坪の違いは用途の違いになります。

これが理解してもらえれば
元製紙会社社員として

この記事を書いた意味が
あったのではないかと思います。

カタログやパンフレットを作成するとき
どの米坪を選ぶのかは非常に重要です。

十分確認して紙を選択して下さいね!

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする