マットコート紙とケント紙の比較。同米坪ならどちらが薄い?

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マットコート紙 ケント紙 比較

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、マットコート紙とケント紙の比較で
どう米坪ならどちらが薄いか、というお話。

マットコート紙とケント紙の比較なんですが。

管理人のように、元製紙会社の人間からすると
品種が違うので比較にはならないんですが。

名刺を作りたい人からすると
何が違うのかと悩むんでしょう。

どちらも名刺に使いますからね。

品種としての違いは置いておくとして、
実際米坪が同じならどちらが薄いのか?

一般的にはマットコート紙の方が薄いです。

ただし、その差はそれほど大きくありません。

比較する銘柄によっては同じくらいかも。

そうなるとあとは好みの問題ですね。

商業印刷で4色印刷ならマットコート紙、
単色ならケント紙という感じでしょうか。

また、名刺の場合は企業か個人かでも
選択する紙が違ってくるでしょうし。

ということで。

この記事では、マットコート紙と
ケント紙の厚みの違いについて

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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マットコート紙とケント紙の厚みが違う理由

マットコート紙とケント紙の違いですが。

品種は全く違います。

マットコート紙は塗工紙。

ケント紙は非塗工紙。

塗料を塗工しているかどうかが違う。

これが一番違う点ですね。

パルプ配合などは上質系なのでLBKPと
呼ばれる広葉樹晒クラフトパルプがメイン。

これはどちらも同じです。

表面の光沢感はよく似ていますね。

どちらもあまり光沢はありません。

それで問題の紙厚ですが。

たとえば、米坪157g/㎡の場合。

※米坪は㎡あたりの紙の重さのこと。
四六判だと連量135kgです。

マットコート紙157g/㎡なら厚さ0.18mm。

ケント紙157g/㎡なら厚さ0.19mm

という感じです。

ちなみに同じ米坪157g/㎡のコート紙、
上質紙と比較するとこんな感じです。

上質紙0.2mm
ケント紙0.19mm
マットコート紙0.18mm
コート紙0.14mm

塗工紙であるコート紙、マットコート紙は
非塗工紙である上質紙、ケント紙より薄い。

これは一例なので、銘柄によって紙厚は
違ってきますが傾向はほぼ同じです。

それで、紙厚を決めている要因なんですが。

大きく分けて2つあります。

一つは塗工しているかどうか。

もう一つはカレンダーを程度。

この2つが紙厚を決める大きな要因です。

紙厚を決める要因:塗工

まず塗工しているかどうかで
紙厚は大きく変わってきます。

単純に考えると非塗工紙の
成分はほぼパルプです。

一方、塗工紙の成分はパルプと塗料。

この塗料の成分は炭酸カルシウム
(炭カル)やクレーと呼ばれる粘土です。

ここでそれぞれの成分の密度を比較します。

紙の場合はパルプが絡まり合って
シートになるのですき間が出来ますし、

塗工層もやはりすき間は出来ますが、
大まかな傾向は分かるはずです。

それで、それぞれの密度ですが。

パルプ繊維はセルロースなので
密度は1.5g/cm3。

炭カルの密度は2.71g/cm3

クレーは代表としてカオリナイトクレーで
密度が2.6g/cm3

炭カルとクレーはだいたい同じくらいで、
2.6-2.7g/cm3という感じですね。

比率にすると、パルプは塗料の
1.7-1.8倍の嵩になるわけです。

塗工紙の塗工量は品種、銘柄、米坪で
変わってきますから詳細は不明ですが

同じ米坪なら塗工紙は非塗工紙より
紙が薄くなるということですね。

成分から考えるとこういう
傾向にあるということです。

結局、木材と土の比較ですから、
水に浮く木材、沈む土と考えれば

密度とかややこしいことを言わなくても
塗工紙が薄くなりそうだと分かりますが。

紙厚を決める要因:平滑度

先程は、紙の成分について考えましたが
もう一つ大きな要因は平滑度です。

これはもう直接的ですよね。

紙に平滑性を与えるために
ロールで圧縮するわけです。

そこまで単純でもないんですが、
紙に圧力をかけてこするわけです。

当然その度合によって紙厚は変わります。

ケント紙の場合はマシンカレンダー、
コート紙の場合はスーパーカレンダー

と呼ばれる機械を通すことで
平滑度、光沢度を上げるんですね。

マットコート紙の場合は、
銘柄によってマシンカレンダーか

スーパーカレンダーか
色々使い分けがありますね。

設備は各社各様ですが、
高光沢のものはスーパーカレンダー

マットのものはマットカレンダーとか
マシンカレンダーが多いようです。

マットコート紙でも品種によっては
多段のスーパーカレンダーを

全段使わずに使ってマットにする
というようなこともやっていたようです。

いずれにしても、カレンダー工程で
紙厚は決まるということですね。

マットコート紙とケント紙では
マットコート紙が薄いんですが、

マットコート紙はコート紙としては
平滑度が低い紙で厚めになり、

ケント紙は非塗工紙としては
平滑度が高い紙で薄めになる。

本来であればもっと紙厚が違っても
いいと思うのですが、両者の紙厚が

近いのは最終工程のカレンダーの
かけ方によると思われます。

実際、コート紙と上質紙では
紙厚が大きく違いますから。

管理人のまとめ

今回は、マットコート紙とケント紙の
厚みの違いについてお話しました。

マットコート紙は塗工紙で
ケント紙は非塗工紙。

一般的には塗工紙は非塗工紙より
紙厚が薄くなるんですね。

またその理由もお話しました。

管理人が会社にいたときは会社が
名刺を作ってましたがケント紙でした。

今、個人で作るならインクジェットの
名刺キットを使うでしょうけど。

マットコート紙、ケント紙、光沢紙、上質紙、
どれでもお好みでという感じですね。

名刺は自分を覚えてもらう
重要なアイテム。

ちょっとくらいならこだわっても
いいんじゃないでしょうか。

この記事がマットコート紙とケント紙を
考える参考になればと思います。

いい名刺を作って下さいね!

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