普通紙と光沢紙の長期保存性能!どちらが劣化しにくいのか?

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普通紙 光沢紙 長期保存

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、普通紙と光沢紙の長期保存性能、
どちらが劣化しにくいのか、というお話。

管理人は元製紙会社社員。

実は普通紙、光沢紙とも開発に
関わったことがあります。

なので、それなりに状況は知っています。

これ、結論から言うとどちらも
相当長期保存できます。

紙として、であればですが。

これに印刷をした場合は
また状況が変わってきます。

インクによって劣化具合が変わるので。

なのでちょっとややこしいんです。

ということで。

この記事では、普通紙と光沢紙の長期保存
性能は、ちらが劣化しにくいのかについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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普通紙と光沢紙の長期保存性能は紙としてはほぼ同じ

普通紙と光沢紙の長期
保存性能はどうなるのか?

なにか違いはあるのか?

この話、ちょっとややこしいです。

先程もお話しましたが、
紙だけを比較する場合と

インクの種類も含めて
考える場合で変わります。

まずは単純に紙だけの比較について。

普通紙も光沢紙も中性紙なら長期保存出来る

印刷が絡むとややこしいので
先に紙自体の比較をお話します。

まずお伝えしておかないといけないのは
紙の保存で重要なのは紙のPHということ。

ここで言うPHというのは酸性とか
アルカリ性とかそういうやつのことです。

水ならPH7で中性とかですね。

日本のおいしい水は軟水でPHは弱酸性、
海外のおいしい水は硬水でPHはアルカリ。

そういうお話です。

それで。

紙にも酸性とかアルカリ性とか
中性とかそういうPHがあります。

これは製造するときの方法の問題です。

このブログでは何度かお話しましたが
紙を製造するときに硫酸バンドという

薬品を使うかどうかが紙のPHが
酸性か中性かを決めています。

硫酸バンドというのは薬品の定着や
パルプの歩留まり向上のために

添加する薬品なんですが
これが酸性なんですよね。

硫酸バンド、は硫酸アルミニウムの
ことになるんですが「硫酸」という

名前がついているくらいですから
酸性の薬品というわけです。

一方硫酸バンドを使わないか
使っても微量の場合は中性紙。

弱酸だったり弱アルカリだったり
若干のPHの振れはありますが

大抵はPHが7付近になる
紙であるということです。

それで。

かつてはこの硫酸バンドを
使った酸性紙が一般的でした。

昭和の終わり、平成の初め
くらいはかなり多かったです。

硫酸バンド自体は薬品として優秀。

安くて性能もいいし取り扱いも容易。

なにより古くから使われていますから
安全性も分かっているし慣れている。

なので、わざわざ変更しようという
動機が働かないんですよね~

しかし今はそうでもありません。

特にコピー用紙のようなプリンタで
使う情報用紙はほとんど中性紙。

酸性紙は絶滅してると思います。

理由はいくつかありますがその中で
大きなのは長期保存性なんですよね。

発端は保管されていた公文書が
酸性紙だったのでボロボロになった。

原因が硫酸バンドに由来の硫酸が
パルプ繊維を劣化させていたから。

なので、硫酸バンドを使用しない
中性抄紙が開発された。

そのときに参考にされた
のが日本の和紙だった。

こんな感じです。

この文書の保存性なんですが。

コピー用紙とかインクジェット用紙は
文書として保管される場合が多い。

つまり、酸性紙では使えないわけです。

ここまでお話したので分かると思いますが、
紙の保存性はPHで決まってくるので

普通紙か光沢紙かというのは
あまり関係がありません。

今市販されている普通紙は
ほとんど中性紙になってますし、

光沢紙もその原紙、つまり塗料を
塗工する前の紙はほとんど中性紙です。

ということで、紙の保存性は中性紙なら
普通紙とか光沢紙の違いはありません。

普通紙と光沢紙の保存性。印刷した場合

次に普通紙と光沢紙の保存制で
印刷した場合はどうでしょうか?

保管状態は普通に人間が生活している感じで
むやみに光に当てていないというのが前提で。

紙そのものはほとんど劣化しないとしても
印刷したときのインクの退色はあるんです。

それが問題。

ただし。

これも中性紙なら紙が問題に
なることは少ないです。

それ以上にどんなインクを使うかが問題。

具体的にはインクジェットインクかトナーか。

インクジェットインクでも染料か顔料か。

これによって長期保存性はかなり違います。

まず最も長期保存できるのはトナー。

実際、管理人が30年以上前、
大学生の頃のコピーは健在。

普通紙にトナー式でコピー
されていますが問題なし。

トナーは粉体で顔料になるので
光による劣化に強いんですね。

次が顔料インク。

これもトナーと同じで名前の通り顔料。

なので光劣化に強い。

一番弱いのは染料タイプの
インクジェットインクです。

染料というのは顔料より
光劣化が弱いんです。

理由はややこしいので別の
記事を参照してください。

(参考:過去記事)
印字の耐久性について。インクジェットとレーザーの違いは?

ということで。

問題は紙ではなくてインクの種類なんですね。

最も劣化しやすい紙は機械パルプを使っている紙

ここからは余談です。

ここまで普通紙と光沢紙の
保存性についてお話しました。

実は紙としては中性紙であれば
普通紙とか光沢紙の違いはない。

どちらでも長期保存出来るんですね。

それよりも退色ということを考えると
印刷するときのインクのほうが問題。

特に染料系のインクは劣化しやすい。

もちろん、メーカーも改善していますから
昔よりは良くなっていると思います。

ただ、一般論としてはトナー顔料や
顔料系インクが強く染料系が弱い。

そういう感じです。

ところで。

紙の中で劣化しやすいのは
どんな品種でしょうか?

それは機械パルプが使われている紙。

もちろん、酸性紙も劣化しやすいです。

ただし、今となっては酸性紙は減って
中質紙か微塗工紙くらいだと思います。

使われているとしたら週刊誌。

それから漫画雑誌の更紙。

このあたりでしょうね。

新聞紙も機械パルプを使います。

なので保存性はよくありません。

これも酸性紙から中性紙に変わって
来ていますがそれでも劣化しやすいです。

じゃあ低白色の再生紙は劣化
しやすいのかと言うとそうでもない。

こちらは白色度は低いですが機械
パルプはあまり使わないんですね。

なので劣化は少ないです。

なお、機械パルプが劣化の原因に
なる理由はこちらを参考にしてください。

(過去記事)
本の黄ばみを防止する方法 変色の原因と保管場所

なかなかややこしいと思いますが。

管理人のまとめ

今回は普通紙と光沢紙の長期保存性能、
どちらが劣化しにくいのかというお話でした。

結論から言うと普通紙と光沢紙で
長期保存性能に違いはありません。

あるとすれば酸性紙と中性紙の違い。

酸性紙の方が中性紙より劣化する。

ただし、プリンタ用紙は普通紙も
光沢紙もほとんど中性紙。

なので明確な違いはないということでした。

また、印刷についても普通紙と
光沢紙で差があるのではなく

使うインクの種類によって
保存性が違うということ。

具体的にはトナーや顔料系インクは
保存性が良くて染料系インクは悪い。

一般家庭で使うインクジェットはほぼ
染料系なので保存性はよくない。

逆に会社なんかで使うレーザープリンタや
コピー機はトナー式なので保存性はいい。

もちろん染料系でも日々改善していますが、
一般論としてはこういう感じということです。

40年くらい前の紙だったら酸性紙が
多いので劣化もしやすいと思うのですが

今はほとんどが中性紙ですから
保存性を気にする必要はない。

管理人的にはそう思いますね~

この記事が、普通紙と光沢紙の長期
保存性能の参考になればと思います。

紙の保存、うまくやってくださいね!

紙の劣化
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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