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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、印字の耐久性についてのお話。
普通に文書を印刷したものでインクの
耐久性を気にすることはあまりないでしょう。
しかし、骨壷に名前を書いて貼っておく
みたいなときはちょっと気になりますかね。
先祖代々のお墓なんかだと骨壷が
並びますからどれがそうだったのか
分かるようになっていないといけない、
そんな風に思うかも知れません。
お墓なんて誰かが亡くなったときしか
中を開けないわけですから
印字の耐久性が気になるのは
分かるような気がします。
では実際の印字の耐久性はどうなのか?
インクジェットプリンタで印字したものと
レーザープリンタで印字したもの、
ペンで書いたもの、墨で書いたもの
どれが耐久性があるか?
ということで。
この記事では、印字の耐久性は
どれがいいのかについて
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
印字の耐久性は色材の種類による
結論から言うと、印字の耐久性は
色材の種類によります。
印刷方式によるものではありません。
ただし、一般的に言うと
トナーを使うレーザープリンタが
染料を使うインクジェットプリンタより
印字の耐久性がいいです。
トナーは顔料なので染料よりも
耐久性がいいんですね。
それ以上に耐久性がいいのは墨。
墨は千年以上のものが残っている。
それは歴史が証明しています。
そらから、インクジェットは耐久性が
低いとお話しましたが、
これは染料系インクジェットのことで
顔料系インクジェットは違います。
顔料系インクジェットは色材が
顔料ですから耐久性があります。
耐久性の強い順に並べると
墨、鉛筆
顔料トナー
顔料系インクジェット
染料系インクジェット
という感じになります。
細かく言うと顔料や染料も種類によって
耐久性は違うわけですが。
サインペンやボールペン、
万年筆も筆記用具ではなくて
それが染料なのか顔料なのか
というのが印字の耐久性を決めます。
ただ、万年筆なら圧倒的に染料。
ボールペンは油性でも水性でも
顔料も染料もありますね。
鉛筆は黒鉛ですから基本的に墨と同じ。
なので耐久性はいいですね。
印字の耐久性と染料と顔料の違いについて
ここまで、印字の耐久性は染料と
顔料で違うとお話してきました。
では染料と顔料は何が違うのか?
まず染料なんですがこれは
水とか油に溶けています。
分子一つ一つがバラバラなんですね。
性能を目一杯引き出しているので
発色はいいんですがその分壊れやすい。
光のエネルビーを受けて分子が壊れると
発色できなくなりますから色が消える。
一方の顔料は水や油に分散しています。
分散というのは見た感じ溶けているように
見えますが実は小さな塊が浮いている状態。
バラバラの分子ではなくて
粒子として集合体になっています。
番料は粒子なので染料よりも
発色は良くないですが
光があたって部分的に壊れても
粒子全体としては発色する。
だから光に強いというわけです。
染料も顔料も色がつくので
同じような感じがしますが
ミクロの目で見ると染料よりも
顔料のほうが圧倒的に大きい。
分子と粒子の違いがありますからね。
このバラバラの分子と集合体の違い
というのが耐久性の差になるわけです。
もちろん、顔料同士でも
耐久性に差があります。
大きな違いとしては有機顔料と無機顔料。
有機分子から出来ている有機顔料は
光によって分解されやすいですが
金属酸化物やカーボンブラックのような
無機顔料は光で分解されにくい。
だから有機顔料より無機顔料の方が
耐久性があるということです。
これは墨が長持ちするのと同じなんですね。
酸化チタンの白、カーボンブラックの黒は
耐久性が強いということになります。
着色顔料は様々な性質のものがあり
有機物も無機物もあります。
必ずしも有機顔料の耐光性が弱い
というわけではないですが、
どちらかというとそういう傾向が強い
ということのようですね。
いずれにしても耐光性は着色剤では
常に問題になることなので
各メーカーとも必死になって品質改善に
取り組んでいるという感じです。
インクジェットインクなど、
変わっていないように見えますが
実際には品質向上とコストダウンを
しているはずなんですよね。
一般ユーザーには分からないようにですが。
管理人のまとめ
今回は、印字の耐久性のお話でした。
結論から言うと、印字の耐久性は
使用されている色材の種類による。
顔料は染料よりも耐久性が高い。
ただし、一般的にはレーザーは顔料トナー
インクジェットプリンタには染料インクが
使われるのでレーザープリンタのほうが
印字の耐久性が高いということでした。
インクジェットでも顔料インクならば
染料インクより耐久性は良くなります。
また、手書きまで含めると耐久性は
墨、鉛筆
顔料トナー
顔料インクジェット
染料インクジェット
という順番になるようですね。
また、同じ顔料でも無機顔料と有機顔料なら
普通は無機顔料の方が耐久性が高い。
もしも、骨壷に記載するなら和紙に
墨が一番良いかも知れません。
この記事が印字の耐久性の
参考になればと思います。
ご先祖様を大切にして下さいね!