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辞書には薄葉紙を使用。かさばる本を薄く軽くコンパクトに!

辞書や辞典に使われている紙の名前をご存知でしょうか?

とても薄くて白くて丈夫で裏抜けもしないという紙です。

あの辞書に使われている紙の名前は薄葉紙。インディアペーパーとも言います。

海外では聖書に使われるのでバイブルペーパーとも呼ばれるそうです。

この記事では薄葉紙が何故あんなに薄くて白くて裏抜けしないのかというヒミツを書いてみたいと思います。

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薄葉紙とは

そもそも薄葉紙というのはどのような紙なのでしょうか?ブリタニカ辞典によると、

厚さの非常に薄い紙。和紙,洋紙の薄葉紙がある。用途は包装用紙と印刷用紙が中心。

洋紙の薄葉紙は巻たばこに用いるライス・ペーパー,辞書などに用いるインディアペーパー,コンデンサに用いるコンデンサ薄紙,電気絶縁の目的で電線被覆などに用いる絶縁薄紙,タイプ印書に用いるタイプ用紙,カーボン原紙などがある。

和紙の薄葉紙は日本工業規格 JISでは坪量 20g/m2以下でコピー紙,帽体紙布,絶縁用紙,ナプキン原紙など。和紙の薄葉紙はミツマタやマニラアサなどを原料として,多少木材パルプを加えてつくる。

また、マイペディアによると

地合いのよい薄い紙の総称。20~30g/m2以下のものをいう。インディアペーパー,シガレットペーパー,グラシン紙,複写紙,電気絶縁薄紙,航空便用紙,化粧紙(高級ちり紙いわゆるティッシュペーパー)など,多くの種類がある。

となっていました。

これらを見ると薄葉紙というのは薄い紙の総称と考えた方が良さそうです。

辞書や辞典に使われる場合はインディアペーパーということになります。

基本的な技術は同じですが用途によって様々な工夫がされていると言うことですね。

元々はは巻きたばこに使われるライスペーパーで、この紙を進化させてインディアペーパーが出来たみたいです。

さらに進化してコンデンサペーパーや絶縁用紙という紙になっているということです。

包装紙としてラッピングペーパー、情報用紙として複写伝票用紙など身近な物でも結構あります。

グラシン紙も含めれば、クッキングシートやトレーシングペーパーなんかも仲間ということですね。

薄葉紙の印刷の難しいところ

ページ数の多い本をコンパクトにしようと思えば薄葉紙を使いたい。

薄葉紙の印刷はもちろん出来るんですが慣れていないとかなり難しいんだそうです。

まず紙が薄いというのが大問題で、印刷条件がちょっとおかしかったらすぐに紙がぐしゃっと詰まったり何枚もくっついて入ったりするし、印刷機内部でもまっすぐに搬送されなければシワが入って使い物にならない。

紙自体も薄くて波打ちやすいので多色刷りだと印刷の色ズレが起こりやすいとか。

普通の紙でも条件が悪いと発生する問題ではあるのですが薄葉紙だと紙が薄いだけにその設定がシビアになるということのようです。

ですからもしも薄葉紙を使って本を作ってみたいと考えるなら薄葉紙に慣れている印刷屋を選ぶ必要があります。

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薄葉紙の抄造の難しいところ

ここからは元製紙会社社員の体験の話をさせてください。

自分は薄葉紙の製造に直接関わったことはありませんが似たような紙の開発に関わったことはあります。

その時に何が難しかったかというとまず「薄い」ということでした。

抄紙は抄紙条件が狂ってバランスを崩すと紙が厚くても断紙(紙切れ)を起こすのですが、当然ながら紙が薄いほど断紙は発生しやすくなります。

だからまずは断紙させない管理をするというのが難しい。

次に品質設計として要求されるのは不透明度。

印刷した文字が紙一枚分透けて見える(ショースルー)とか、反対面の印刷が見えてしまう(プリントスルー)とか、反対面のインクが染み出してくる(ストライクスルー)とか。

こういう現象を大雑把に裏抜けと言ってましたが当然こんなことが起こっては困るわけです。

しかし紙が薄くて裏抜けしやすいですからこれを防がなくてはいけません。

そのためには不透明度向上剤として、クレーや炭酸カルシウム、酸化チタンという填料を紙に配合するんです。

しかし、こういう填料を入れるとパルプ分が減るので紙の強度とかコシ(紙がパリッとした感じ)がさらに低下するし、マシン系内が汚れて欠陥が増えたり断紙したりする。

このバランスがまた難しい。

それから幅方向の紙の重さ、水分率、厚み(プロファイルと呼んでいました)の調整がシビアでした。

このバランスが取れていないとすぐにシワが入ったり紙が波打ったりして後工程で使えない紙になってしまうわけです。

それと仕上げ工程ですね。

紙を巻き取る時にやり損なうとすぐにシワが入る。

こういうことで生産効率がとても悪く、販売単価が高くても収益が良くなかった記憶があります。

その時思ったのは、こういう紙をやるんなら需要に合わせた大きさの専用マシンを用意して年中同じ紙が製造できる状態にしないとやってられないということでした。

それから時代が変わり今となっては紙の辞書も随分減ったと思います。

分からないことはネットで検索すればだいたい調べることが出来ますし、電子辞書もあれば電子書籍もある。

聖書でさえ電子書籍が出ていますからなにも重たい本を持つ必要はないわけです。

自分の子供の頃は分厚い立派な辞書とか辞典はステータスだったし、広辞苑を枕に昼寝なんていう笑い話も聞きました。

重たい羊皮紙や木簡が軽い紙に変わったように紙もまたスマホなどに変わっているのが時代の流れなんでしょう。

自分としてはこういう変化、技術の進化だと前向きに捉えるべきなんだろうと思っています。

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