A3コート紙とA判は同じ意味?グレードとサイズは違います

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A3コート紙 A判

 

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、A3コート紙とA判は
同じ意味か?というお話。

たとえばスーパーのチラシで。

A3コート紙を発注してくださいと
言われたらどうするか?

慣れていない人なら考え込むと思います。

新人さんとか。

A3って何?

A3サイズの紙のことなのか、とか。

結論から言うと、
このシチュエーションだと「A3」は

グレードのことでサイズのこととは
違うだろうなと思います。

結構ややこしいんですよね。

コート紙の「A」はグレードを表わすときと
サイズを表わすときがあるんです。

慣れている人からすれば
当たり前のことなんですが

慣れない人とか知らない人からすれば
なんてややこしいんだ!と思うことでしょう。

 

ということで。

この記事では、A3コート紙と
A判コート紙の意味が違うことについて

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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A3コート紙はグレードを表わすもの

先ほどお話しましたが、A3コート紙というのは
コート紙のグレードを表わすものです。

ここでややこしいのは「A3」と表記されたら、
通常は大きさを示すということですね。

同じ「A3」という表記でも違う意味になる
というのが混同する原因になります。

ということで、まずはコート紙の
グレードについて説明します。

紙の品種分類表によると、
塗工印刷用紙は

アート紙、コート紙、軽量コート紙に
分けられます。

コート紙の中に、上質コート紙と
中執コート紙があります。

このアート、上質コート、軽量コートを
それぞれA1、A2、A3と呼ぶんですね。

上質系で塗工量の多いものから
A1、A2、A3という順になるわけです。

ですから、ここでいうA3というのは
塗工紙のグレードの軽量コート紙、

これを指す記号ということになり
寸法の意味であるA3とは違うわけです。

紙の大きさも加味して記載するとすれば、
A3サイズのA3グレードのコート紙、

というようなややこしい表現が
正確な表現ということになるでしょう。

こんな言い方をする人はいませんが。

A3コート紙の定義

ここまで「A3」の意味を解説してきましたが
A3コート紙の定義はどうなっているでしょうか?

先程お話した紙の品種分類表によると、

1㎡当たり両面で30g程度以下の
塗料を塗布、使用原紙は上質紙。

雑誌の本文、カラーページ、
チラシなどに使用されるもの。

となっていました。

両面で塗工量が30g/㎡以下ですから
片面は15g/㎡程度ということです。

 

ここからは余談ですが。

実はチラシ用途として最も使用量が
多いのがこのA3コート紙です。

理由は簡単。

安いんですね。

元製紙会社社員として本音を言うと
A2コート紙などの上級のグレードが

売れてくれたほうが利益幅が
大きいのでありがたかったですね。

ただ、A3コート紙は大量に使用され、
ロットがまとまるので製造しやすいのと

チラシ用途なので品質が甘く、
クレームが少ないのがメリットでした。

製紙は装置産業なので、
ロットが大きくて同じ物を

製造し続けることができるという
スケールメリットは大きいんですね。

だから安くて収益がギリギリでも
生産し続けるということになります。

 

品質が甘くていいというのは
特に色調についてですかね。

もしも製本される紙だったら、
色調管理はとても厳しいです。

本の側面の色が揃ってないと
トラ(縞模様)になりますから。

しかし、チラシの場合は、
基本的に1枚ものですから

最終消費者は色調のブレなど
意識することはないわけです。

そもそもチラシは無料配布ですから
最終ユーザーからのクレームはない。

広告主からもほとんどない。

あるのは印刷屋からの
作業性クレームだけなので

極端に言えば製品を差し替えれば
それで終わりになることが多かったです。

いわゆる金銭クレームです。

色んなクレームがありますが
差し替えとかお金で解決できるのは

クレーム対応としては
楽な方だと思います。

 

本当の恐ろしいのは広告主とか
出版社とかそういうところのやつです。

店頭に並んだ本を回収して
検品とか最悪ですから。

管理人はそういうクレームを
担当したことはありませんが

大騒ぎになっていたのを
見たことはありますので。

管理人のまとめ

今回は、A3コート紙とA判の意味は
同じ意味なのかというお話でした。

結論としてはA3コート紙といえば
コート紙のグレードを表わすもの、

A判は紙のサイズを表わすもので
両者は違うものということでした。

それでA3コート紙というのは
軽量コート紙の意味で定義は

上質系で塗工量が両面で
30g/㎡以下ということ。

 

もしも新聞折り込み広告用に
A3コート紙を発注して下さいと言われたら

一般的にはA3コート紙を
発注するということになるでしょう。

新聞折り込みチラシだったら
サイズはB3とかB4が多いですし。

非常に紛らわしいんですが
慣れれば区別がつくようになるかなと。

この記事でA3コート紙の意味を
理解してもらえればありがたいです。

チラシに使う紙、間違えないように
発注して下さいね!

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