パルプの原料は何?基本は木材チップ、丸太、古紙になります

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パルプ原料

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、パルプの原料は何?基本は木材
チップ、丸太、古紙になりますというお話。

管理人は元製紙会社社員。

なのでパルプ製造も多少は知っています。

まあ実際に操業を担当したことはないので
それほど詳しいわけではないんですが。

それで。

管理人からみたパルプ製造部門の
イメージはとにかくでかいプラント。

そして臭い。

多くの人が製紙会社は公害の会社と
言うイメージがあると思いますが

そのイメージの大本となっているのが
このパルプ製造部門になります。

特に化学パルプを製造しているところ。

クラフトパルプともいいますけど。

木材のニオイだけならまだいいんですが
木材の中のリグニンを除去するときに使う

薬品で水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを
使うんですがこの硫化ナトリウムが問題。

これに硫黄が入ってるんですよね。

硫黄というのはいわゆる温泉のニオイ。

そして卵が腐ったときのニオイですね~

あのニオイがするわけです。

色々化学反応して最終的には硫化水素かな。

酸化されれば亜硫酸ガスとか。

今の工場ではこういう有害物質は
ほとんど出なくなっているんですが

それでも完全にゼロにするのは
とても難しいので臭いわけです。

ニオイってとにかく敏感で
ちょっとでもあれば気になるもの。

かなり改善されたと言ってもまだまだ。

パルプの製造ってこういうところでも
色々と問題があるんですよね~

それはそうとして。

このパルプの、原料はということなんですが。

基本的に木材になります。

ではそれがどんな感じでパルプになるのか?

ちょっとそのあたりをお話してみたい。

ということで。

この記事では、パルプの
原料は何かということについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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パルプの原料は木材。形状はチップや丸太

先ほどお話したようにパルプの
原料は木材になります。

その形状はチップや丸太。

チップというのは数センチ四角
くらいの大きさにしたものですね。

イメージはこんな感じ。

 

ソト(SOTO) スモークチップスミニ さくら 100g ST-1531

 

あくまでイメージですけどね。

こんな感じの四角いやつを使います。

ではどのパルプがどういう原料を使うのか。

ちょっとお話してみます。

パルプの原料 化学パルプはチップを使う

化学パルプとかクラフトパルプと呼ばれる
パルプはチップを使って製造します。

木材としては繊維が短めのユーカリとか
繊維が長いのは松の1種のスプルースとか。

ちなみに、落ち葉が落ちる広葉樹は繊維が
短くて常緑樹である針葉樹は繊維が長い。

ユーカリは広葉樹、松は針葉樹。

紙として強度が必要な場合は
針葉樹をメインに使います。

上質紙、コピー用紙のような白い紙の場合は
メインが広葉樹で若干針葉樹を配合する感じ。

その昔、化学パルプの技術ができる前は
広葉樹は繊維が弱くて使えなかったらしい。

化学パルプは繊維を傷めないので
それで使えるようになったとか。

そういう歴史があるそうです。

パルプの原料 機械パルプはチップと丸太

パルプとしては化学パルプ以外では
機械パルプと古紙パルプがあります。

ここでは機械パルプを。

そうそう、機械パルプは機械的に
すりつぶして繊維を取り出すので

原理的に繊維が傷んで弱くなりますから
使われるのは針葉樹がメインになります。

まずチップから機械パルプを製造する場合。

DDR(ダブルディスクリファイナー)と
呼ばれるもので作ってましたね。

ダブルディスクですから2つのディスクを使う。

イメージで言うとCDやDVDの円盤を
シンバルみたいに押さえつける感じ。

その円盤には溝が切ってあり
その中をチップが通っていく。

円盤は向かい合っていて回転して
いるのでチップがすり潰される。

そういう感じでしょうか。

このときに使うチップの種類は針葉樹。

加熱して柔らかくして、若干薬品も入れて
チップをすりつぶしてパルプにする。

加熱した機械パルプなので
TMP、サーモメカニカルパルプ。

そう呼んでましたね。

管理人の記憶では新聞紙に
配合されていました。

もう一つは丸太。

これはGP、グランドウッド
パルプと呼んでましたね。

こちらは丸太を砥石で削ってパルプにする。

横方向から大根おろし、
みたいなもんですかね~

なお。

この機械パルプあまり漂白しません。

するやつもあるんですけど
そんなに高白色に出来ない。

これは原理的に仕方がないんです。

化学パルプの場合はリグニンという
茶色い成分が化学的に除去されますが

機械パルプの場合はそういう処理は
せずにそのまま使うことになるんです。

なので、リグニンが残ったままになる。

このリグニンが残ったままだと
漂白効果が落ちるんですよね。

もしも高白色にしようとすると
薬品費がとても高くなるんです。

機械パルプってチップや丸太をそのまま
すりつぶしてパルプにするから安いのに

ここで薬品を大量に使ってコストが
上がってしまったらなんにもならない。

だから、漂白するにしてもそこそこ
にしておくというのが多かったですね。

パルプの原料は古紙もある

それからパルプの原料には古紙もあります。

古紙の場合はそもそもが紙なのですが
その元はというと木材になります。

古紙パルプの場合は製造方法が
木材とはまったく違います。

当然ですが。

大雑把に言うと古紙をアルカリ水に入れて
洗濯機みたいなものでかき混ぜて離解。

この時点である程度パルプになります。

段ボールだとこのパルプを
そのまま使うことになりますし

印刷用紙なんかだと若干
漂白してから配合します。

今は古紙使用率が相当ですよね~

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管理人のまとめ

今回はパルプの原料は何というお話でした。

パルプの原料は基本的には木材。

古紙は紙ですがもとを辿れば木材です。

その木材は使用する形状でチップか
丸太かという違いがあります。

また、木材の種類として広葉樹か
針葉樹かという違いもありました。

それからその製造方法も大きく
化学パルプか機械パルプがあり

機械パルプにもチップから作るTMPか
丸太から作るGPかという違いがありました。

あとは古紙から作る古紙パルプですね。

いずれにしてもパルプの原料は木材由来。

植物の繊維ということです。

この記事が、パルプの原料が
何かの参考になればと思います。

森を大切に、ということですね!

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