紙の目とは何でしょうか?タテやヨコというのが出来る理由!

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紙の目

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、紙の目とは何かというお話。

管理人は製紙会社に入るまで紙にも
目があることは意識してませんでした。

無理を押し通すことを「横紙破り」と
いいますがその言葉くらいですかね。

平清盛が横紙破りと言われたとか。

それはそうとして。

この横紙破りに見られるように
紙には破りやすい方向があります。

それが紙の目と関係がある。

ということで。

この記事では、紙の目とは
なにかということについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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紙の目とは繊維の向き

紙の目とは何でしょうか?

ネットで調べたところではこんな感じ。

==ここから==

紙を構成する繊維の向き(流れ目)のこと。

紙には縦目と横目があり、
紙の長辺と流れ目が平行の

紙を縦目の紙といい、流れ目と
直角の紙を横目の紙という。

紙は流れ目に沿って裂けやすく、
横方向には裂けにくい。

また,横方向には伸びやすく、
縦方向には伸びにくい。

==ここまで==

ということだそうです。

縦目

   ↔

 

横目

   ↕

 

こんな感じでしょうか。

縦目は長辺と同じ方向に
繊維が並んでいる場合。

横目は長辺と直角方向に
繊維が並んでいる場合。

こういう違いがあります。

イメージとしてはマッチ棒が
並んでいるという感じでしょうか。

もちろん、そんなにキチンと
1方向に並ぶことはありません。

その方向に偏っているということです。

それで。

縦目の紙の場合、繊維の並んでいる
縦方向であれば破りやすいですが

繊維と直角方向に並んでいる
横方向に破ろうとすると破れにくい。

だから無理して破らないといけない。

横紙破りというわけです。

紙の目の強度の性質について

ところで、先程から横紙破りの
話をしていますが紙の目の

強度に関する性質は
どうなっているでしょうか?

紙を構造材料として考えたとき
これは相当に重要なことです。

とはいえ、だいたい感覚的に
わかるとは思いますけど。

とりあえず縦目の場合で説明します。

縦目というのは長辺方向に
繊維が揃っている紙のこと。

これは縦の引張と横の引き裂きは強いが、
横の引張と縦の引き裂きは弱い。

イメージの仕方は色々ありますが、
ブラインドとかでもいいですかね。

こんな感じ。

 

SMONTER 遮光ロールスクリーン 簡単な修正ゼブラローラーブラインド、インストールアクセサリー昼と夜のブラインド(75CM×150CM グレー)

これだと、分かりやすいでしょうか。

繊維が長辺方向に並んでいるのと
ブラインドの1本1本が類似と考えれば

縦方向の引張が強くて
横方向の引張が弱い

というのが分かりやすい
のではないかと思います。

つまり、引っ張ったり圧縮されるときは
縦方向を使えば強度が強くなる。

だから段ボール箱なんかでも
そういう設計になってることが多い。

逆にしなやかさを求めるなら
横方向を使うほうが良い。

紙厚が厚い書籍なら縦目にして
ページをめくりやすくするが

紙厚が薄い場合は横目にして
ページにコシを与えるとか。

こういう紙の性質を上手く利用して
紙製品は作られているんですね。

紙の目が出来る原因

ここまでは紙の目がどういうものか
どういう性質があるかをお話しました。

それで。

ではなぜ紙の目が出来るのか?

これをお話したいと思います。

まず。

一つの理想としては、紙の目は全く
無いほうが良いと言うのがあります。

そうしればどんな風に使っても
縦向きだろうが横向きだろうが

同じように使えていいじゃないか
均一でいいじゃないかということ。

これは、手作業で実験的に
紙漉きをすれば実現します。

しかし、現実にはそうはいかない。

手漉き和紙とかならまだしも
機械で製造してますからね。

機械で紙を製造するときには
マシンのワイヤー上にパルプスラリー

(パルプを水に分散させたもの)を
噴射して引っ張っていくんです。

それをどんどん水分を飛ばして
乾かして紙にしていく。

出来た紙はロールに巻き取られる。

最終的にロールを加工しますが、
結局ロールに巻き取るということは

その方向に紙を引っ張っているわけで
繊維もその方向に並んでいるということ。

つまり、普通はロールで巻き取ったら
縦目の紙になるということです。

巻き取った紙の流れ方向が長く
なるように仕上げれば縦目の紙。

逆に流れ方向が短くなるように
仕上げれば横目の紙。

こんな感じですね。

ただし、この紙の縦横なんですが
100%縦目とか横目とかにはなりません。

縦/横(T/Y)比というのがあって
1.1とかそんな感じになります。

これは抄紙工程で調整する
数値になりますね。

1.0ならT/Yなしということですが
そういうのは多分無理でしょう。

T/Y比だけが問題ならそれなりに
調整できるのかもしれませんが、

実際には他にも色々必要な
品質があるので現実的ではない。

たとえば印刷用紙ならT/Y比よりも
地合いの良い紙が優先されるとか。

管理するポイントの優先順位が
違ってくるというわけです。

いずれにしても。

紙の目というのはマシンで
ロールに仕上げるなら必ず

発生する性質だということが
分かってもらえればと思います。

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管理人のまとめ

今回は、紙の目についてのお話でした。

紙の目というのは、

紙を構成する繊維の向き(流れ目)のこと。

ということでした。

長辺方向に繊維の向きが多ければ縦目
その逆が横目ということになります。

通常は全部の繊維がタテに並ぶとか
そういうことはありません。

T/Y比というのがあってどの程度タテが
多いかと言うような比率になります。

また、紙の目の性質としては
縦目なら縦方向の引張に強く、

横方向の引張に弱い
というようなことがあります。

段ボールのようなものでも
印刷用紙なんかでも

こういうことは結構意識して
必要に応じて適応する感じですね。

この記事が、紙の目について
参考になればと思います。

紙には目があること、知っていると
役に立つかもしれませんよ!

(参考)
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