段ボールが丈夫なのはなぜ?中芯があるのが大きな理由です!

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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、段ボールが丈夫
なのはなぜかというお話。

管理人は段ボール原紙の製造に
関わったことがあります。

段ボールは表裏に使われるライナー
という紙と中芯で構成されていますが

管理人が関わったのはライナーで
中芯の紙は実はよく知りません。

これらの紙を使って段ボールを製造
するんですがその工程もよく知りません。

まあ、そういうのはYouTubeに
あったりしますけど。

 

 

こんな感じで、段ボールが出来るんですね。

それはそうとして。

この段ボールなぜあんなに強いのか?

中芯があるからなのか。

ということで。

この記事では、段ボールが丈夫
なのはなぜかということについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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段ボールが丈夫なのは中芯があるから

結論から言うと段ボールが
丈夫なのは中芯があるから。

当然でしょうけど。

もちろん、紙そのものも厚紙で
相当に丈夫になっています。

紙の米坪としては200g/㎡前後。

米坪というのは1㎡あたりの紙の重さ。

これが大きいほど厚紙になります。

それで。

たとえばコピー用紙なら米坪64g/㎡
がスタンダードになるんですね。

段ボール原紙のことを板紙といいますが、
コピー用紙と比較すると約3倍の重さ。

紙というよりは板と呼ばれる
感じになるわけですよね。

それだけでもかなり丈夫なんですが
波型になっている中芯をこれで挟む。

波型というのは断面方向からの
圧縮にはとても強いわけです。

ちなみに。

中芯の米坪は120g/㎡あたりが多い。

これもコピー用紙と比較すると
約2倍ですからかなり丈夫。

こういうものを組み合わせて
段ボールは作られているわけです。

表裏のライナーが各200g/㎡で
中芯が120g/㎡なら合計520g/㎡。

それだけでも相当強いと思いますが
その中芯が波型になっている。

波型というか三角形の形は
構造物としてはとても強い。

無駄なところに力が逃げませんからね~

そういうことで段ボール箱は
構造としては理想的で

断面方向である上下の
圧縮にはとても丈夫であり

面方向に対してはクッションになるので
中身が保護されるというわけです。

段ボール原紙の原料は強いわけではない

ここからは余談ですが。

暖ボールが丈夫なのは段ボールの
構造によるものだったのですが、

ではその段ボール原紙に使われる
原料は強度が強いのでしょうか?

実はこれはNo、です。

段ボール原紙はほとんど古紙なんですね。

ほとんどと言いましたが90%以上です。

物によっては100%古紙ですから。

Kライナー、Cライナーなどがあり、
Kライナーならクラフトパルプ100%と

言う事になっているんですが
そんなKライナー見たことない。

管理人が担当していたときは
実際には相当量が古紙で

クラフトパルプはせいぜい
5%程度だったと思います。

またCライナーも若干はクラフトパルプが
配合されている事になっていますが

実際には古紙100%ということで
かなり安い原料になってましたね。

ただ、現在は古紙相場が高いので
どうなってるか不明ですが。

なので、段ボール原紙に使われる
原料自体の強度は低いものです。

古紙はバージンパルプに比べたら
絶対に強度は低くなりますからね。

ただし。

技術的な事を言うと紙力を
高める薬品があります。

紙力増強剤と呼ばれるもの。

これは使われているかもしれません。

こういう薬品を使うと歩留りが上がります。

歩留りというのは原料100%に対して
製品が何%製造できたかという数値。

これが高いほど原料を有効に
使うことが出来たということ。

だから上手く使えばコストダウンになる。

まあ薬品費も高いのでコストメリットは
よく見ないといけないんですが

品質だけで言うと圧縮強度は
ものすごく上がるんですよね。

それから、地味に重要なのは
排水がとてもキレイになります。

歩留まりが悪いということは微細な繊維が
排水に混ざって抜けてしまうことなんですが、

歩留りが改善されて微細な繊維が有効活用
されれば排水中に抜けてしまうこともない。

つまり排水が汚れにくいわけです。

実際のところ、ライナーマシン
というのはとても汚いマシンです。

使っている原料がほぼ古紙で
特に脱墨も漂白もしません。

だから原料が真っ黒なんですよね。

それを常時使って製造してますから
マシンが汚れるのは当たり前。

しかし、歩留向上剤を使うと軽減される。

排水にはSS規制というのがあるので
そのための費用もかかるんですが

微細繊維の排出量が減ると
その部分でも負担が軽減される。

まあ、そういうのは数値として
測定が難しいですけどね。

とりあえず見た目はずいぶん
キレイになるわけです。

そして、紙力も上がる。

管理人が担当した頃はこういう
取り組みが始まった頃でした。

今はどうなったか分かりません。

もっと進んでいるか、目先の
コストダウンでやめてしまったか。

こういうのって全体の最適化が
できる人がいないとだめですから。

管理人のまとめ

今回は、段ボールが丈夫
なのはなぜかというお話でした。

結論から言うとそれは段ボールの
構造によるものでした。

紙自体も厚くて丈夫なんですが
それ以上に中芯の波型が丈夫。

特に断面の方向が強い
ということでした。

また、原料についてもお話しましたが
段ボールの原料はほぼ古紙なので

原料自体の強度というのは
実際にはたいして強くはない。

結局、紙が厚いこととその構造が
段ボールが丈夫な理由なんですね。

この記事が、段ボールが丈夫な
理由の参考になればと思います。

段ボール、上手く使って下さいね!

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