紙の不透明度は光が透過しない割合!白くて高いものもある?

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紙 不透明度

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は紙の不透明度は光が透過しない割合!
白くて高いものもある?というお話。

今回はちょっと技術的なところを。

不透明度は文字通り不透明の度合い。

光が紙を透過しない割合になります。

紙が光をどれだけ遮るかですね。

印刷用紙ではこれはとても重要。

とくに薄い紙では重要ですね~

では何がどう重要なのか?

ということで。

この記事では、紙の不透明度は光が
透過しない割合!白くて高いものもある?
ということについて

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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紙の不透明度の定義

まずは不透明度の定義から。

==ここから==

・紙が透けない度合いのこと。
・紙の裏面に当てる標準板を白.黒2種を使い一定波 長(緑色)の光を当てた時の反射光量比%で表します。
・商業印刷用紙.書籍出版用紙(両面印刷必須)筆記用紙などに重要な特性で、特に薄紙でポイントとなります。
・紙の内填料.表面加工(塗工)で対策しており、クレー.カオリンなどが多く使われますが、中でも酸化チタンが効果が高い材料です。

<測定法:JIS-P8138>
・「白色度」と同じ(フィルターは緑)裏当て白板反射率89% ,黒板0.5%を使用してそれぞれ測定し比を求めます。
・表示の単位は%です。

==ここまで==

ということだそうです。

管理人は印刷用紙が長かったので
不透明度は何度となく測定しました。

測定そのものは簡単で白色度計とか
カラーアナライザーでやってましたね。

定義のところにも出てきてますが
紙一枚に白板を当てて数値を測定、

次に同じ紙一枚に黒板を当てて
数値を測定して割り算する。

出てきた数値が不透明度。

その数値が80%とか90%とか出てきて
不透明度が低いなとか言ってました。

機械で測定するときはそんな感じですが
直感的にはバーコードのようなものを

用意してその上に紙を載せて
不透明性を比較してましたね。

不透明度って結局は2枚目が
透けて見えるかどうかですから。

機械の数値なんかよりこっちの方が
実際的だったかなと思います。

そもそも、出版社の人に機械の
話をしても通じませんから。

それで。

この不透明度、厚紙では気にしませんが
ちょっと薄い紙ではとても気になる。

実際どういう問題があったのか?

管理人の経験をお話してみましょうか。

紙の不透明度で大変だったこと

ここからは管理人の体験談。

紙の不透明度で大変だったのは
情報誌と呼ばれる紙でしたね。

分かりやすいのはリクルート。

求人とか学校案内とかですね。

あの紙、電話帳みたいな薄い紙で
微塗工で裏抜けをしてはいけない。

そういう要求だったと思います。

なので重要なのが不透明度。

たとえば学校案内で学生が冊子を見ていて
2枚目の学校が透けて見えたらクレーム。

その状態とても見づらいですから。

それに2枚めのページが気になって仕方ない。

そういう要求が厳しかったわけです。

管理人の記憶では当時どうしようもなくて
コストを無視して酸化チタンを入れてました。

内添のクレーと一緒に酸化チタンを入れ、
微塗工の塗料の顔料の10%程度酸化チタン。

紙の原料としての酸化チタンは
とても高いので高コストになる。

あのときは工場側は断りたかったんですが
営業側に負けて生産したと思います。

白色度も低いほうが不透明度には有利ですから
ギリギリまで下げて無理やりという感じ。

不透明度の1ポイントを上げるために
思いつくこと全部やったという感じ。

それでなんとか納入したら次はまた
仕様が変わるという面倒な状態でした。

それで。

不透明度対策に酸化チタンは定番ですが
これ取り扱いが面倒なんですよね。

基本的に粒子径が細かいものを使うと
不透明度が上がりやすいんですが

粒子径が細かいほど歩留まりが悪く
マシンが汚れて不具合が出やすい。

紙中に残らず水中に戻ってきた
酸化チタンは良くないんですよね~

マシンのどこかで滞留してドロドロになる。

歩留まり向上剤とかをうまく使わないと
本当にコストを掛けてトラブル多発になる。

酸化チタンは白いので白色度が上がるのは
いいんですけどコストとトラブルが怖い。

不透明度向上剤としてUパールとか
ホワイトカーボンもありましたが

効果としては結局酸化チタンが
一番だったかなと思います。

ただし当時は酸性紙。

今だと中性紙で炭カルも多く入るので
その対策はやりやすいかも知れません。

とはいえ。

薄い紙は切れやすいしトラブルは多いし
時間あたりの生産量は低下してしまう。

あまりやりたくない紙でしたね~

紙の不透明度。白くて高いものもある?

ここからは余談です。

紙の不透明度は基本的に黒いほうが有利。

だいたい不透明度って光の透過率の逆。

なので光を吸収してくれたら
裏側が透けて見える率が減る。

しかし。

白いと不透明度が低いのかと言うと
必ずそうなるとは限らない。

たとえば先程から話題の酸化チタン。

これはとても白い顔料ですが
不透明度は高くなるんですよね。

まあ紙の場合、酸化チタン100%の
内添填料とか塗料はないですけど、

そういう事ができれば白くて
不透明度の高い紙になるかなと。

そうそう、身近にもあります。

たとえば修正液や修正テープ。

最近はテープが主流でしょうか?

こんなやつ。

 

トンボ鉛筆 MONO 修正テープ モノCC5 CT-CC5

 

これの顔料成分が酸化チタンだったかなと。

下の文字を隠すのですから不透明度は抜群。

そして白い。

この場合は酸化チタンの屈折率が大きくて
光を表面で乱反射して下まで通さない感じ。

薄くて白くても不透明度が高い。

そういうものは実現できるわけです。

とはいえ。

厚くて黒い方が不透明度は上げやすい。

コストとか技術的なことを考えると
白くて不透明度の高いのはしんどい。

でもそれでは許してくれませんでしたが。

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管理人のまとめ

今回は、紙の不透明度のお話でした。

紙の不透明度は重要なパラメーター。

特に印刷用紙の薄い紙では重要。

本を読んでいて次のページが
透けて見えたら嫌ですからね~

特に広告になっている場合は問題。

求人誌とか学校案内なんかは
不透明度がうるさかった。

しかし今はもうそれはないでしょう。

なにしろ、求人も学校もネットで探す時代。

なにも紙の本をめくって探す必要はない。

情報を詰め込んだ薄い紙の役目は
もう終わりなのかも知れません。

管理人、不透明度対策には苦しんだので
時代の流れ、複雑な気持ちになりますけど。

この記事が、紙の不透明度の参考になればと思います。

不透明度、ちょっと気にしてみて下さいね!

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