アンモニア水の取り扱いは慎重に!コート紙用塗料に使います

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アンモニア水 取り扱い

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、アンモニア水の
取り扱いは慎重にというお話。

アンモニア水、臭いんですよね。

トイレなんかの悪臭ですから。

ただ、濃度の濃いアンモニア水の悪臭は
化学系の人以外は知らないかも。

はっきり言って、壮絶です。

取り扱いに慎重に、もなにも
慎重にやるしかないんですよね~

直接嗅いだりしたら気絶するでしょう。

そんな悪臭のアンモニア水ですが
実は製紙会社でも使われます。

といっても、コート紙関連を
やっていればということですが。

ではその取り扱いの注意点は?

ということで。

この記事ではアンモニア水の
取り扱いについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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アンモニア水の取り扱いの注意点

アンモニア水の取り扱いで
管理人が危険だと感じることを。

【アンモニア水は強烈な悪臭】

これは誰でも分かることですが。

とにかく、アンモニア水は強烈です。

かなり濃度の薄いアンモニア水でも
ビンの蓋を開けたらスグに閉める。

そうしないととんでもなく臭いです。

実験室レベルでそれなんですよね。

工場で使うなら保護マスク、
保護メガネ、保護手袋は必須。

容器の蓋を長時間開けるとか
もってのほかです。

薬品として添加し終われば
スグにフタをする。

まあ、これについては誰でもやります。

あの臭さには耐えられませんから。

アンモニア水はアルカリ性なので付着したら水洗いする

もうひとつ忘れてはいけないこと。

それは、アンモニア水はアルカリ性。

苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)ほどの
強アルカリではありません。

しかし、アルカリ性ということは
人間の皮膚を溶かします。

やけどするほどではないにしても
皮膚を溶かすことは間違いない。

実はむしろ軽視するのが怖いです。

たとえば。

濃度が薄いアンモニア水だと
皮膚についてもそれほど刺激はない。

指先とかヌルヌルしますけどね。

でもその手で目をこするとどうなるか?

あまり刺激がないからといって
放置していると角膜がやられます。

痛ければ必死で洗いますが
痛くなければそこまでやらない。

いつの間にか、知らない間に
角膜がやられていたりする。

これが怖いんですよね。

だから目に関しては過剰に
流水で洗ったほうがいい。

多分そういう作業場では目の洗浄が
出来る設備がついていると思います。

もう、10分とか15分とか
バカみたいに洗ったほうがいい。

一見弱そうな薬品ほど怖いんです。

警戒心が薄れますからね。

アンモニア水の保管はポリビン

管理人がアンモニア水を
使っていたときはポリビン。

またはポリ缶のようなもの。

だいたい20L程度のやつでした。

工場で使っていたやつは25%濃度、
実験室ではそれを薄めてましたね。

だいたい濃度5%だったと思います。

それで注意点はガラス瓶はNGということ。

先程もお話しましたが、
アンモニア水はアルカリ。

そして、アルカリはガラスを溶かす。

だから、ガラスビンで保管すると
ガラスが溶けてくっつくかも知れない。

特にガラス瓶にガラスの栓をするタイプ。

すりガラスが溶けてしまうとか。

だからポリビンで保管してました。

それから、アンモニア蒸気は、
銅、アルミ、亜鉛メッキを溶かす。

だから濃度が濃いアンモニア水は
金属の缶での保管はよくないでしょう。

万が一穴が空いたら臭いし、
とんでもないことになりますから。

製紙会社でアンモニア水を使う工程

これは管理人の経験からですが。

製紙会社でアンモニア水を使うのは
コート紙の塗料製造のときでした。

単純に、紙を抄造するだけなら
アンモニア水を使うことはないです。

アルカリという意味では苛性ソーダ、
消石灰がよく使われます。

だから製紙工場ではアンモニア水は
ちょっと特殊な薬品でしたね。

使用用途をもう少し詳しく言うと
コート紙の塗料のPH調整でした。

PH調整は苛性ソーダも使われてました。

会社によってはアンモニア水は
使わないのだと思います。

管理人はこんなに臭いものを
使わなくてもと思ってましたね~

一応は、アンモニアの場合は乾燥工程で
飛んでいくのがいいと説明してました。

苛性ソーダ、つまり水酸化ナトリウムですが
これは乾燥させてもナトリウム分が残る。

それが品質を悪くするかも
知れないということでした。

このあたりは検証もしてないしどこまで
品質に影響するかは分かりません。

もしかすると、苛性ソーダではアルカリが
強すぎて調整が難しかったのかも。

最初に決めたときは根拠があって
長年使われていたんでしょうが

だんだんと本当の理由を知る人が
いなくなってしまってましたね。

ちなみに。

塗料のPH調整というのは結構重要。

コート紙の塗料は水性塗料ですが
これの粘度がPHで変わるんですよね。

それで、紙に塗工する塗料の粘度は
塗工機によって最適な粘度があります。

塗工機というか塗工速度とか
塗工量によって変わるというか。

塗工速度が速ければ粘度は低く、
塗工量が多ければ粘度は高く。

実際にはそんなに単純ではないですが
だいたいそう言う感じにするんですよね。

このときにPHを調整しておかないと
粘度が高かったり低かったりする。

安定してくれないとまずいわけです。

塗料の粘度というか粘性は
接着剤になるバインダーの影響を

強く受けるんですけど、これが
PHと大きく関わってきます。

PHが低いとネバネバなのに
PHが高いとサラッとするとか。

もっとPHが高くなるとまたネバネバとか。

大抵の場合は、PH8くらいが
一番粘度が低くなるということで

そのあたりを目安にして
PH調整してましたね。

塗料が酸性だと金属が錆びるので
アルカリにというのもありますかね。

管理人のまとめ

今回は、アンモニア水の取り扱い
についてというお話でした。

アンモニア水は臭気がひどい。

慎重に取り扱いましょうなどと
言わなくても慎重になるでしょう。

瓶の蓋を開けたらスグ閉めるとか。

取り扱うときには保護マスク、
保護メガネ保護手袋を使うとか。

皮膚についたらスグに洗うとか。

やらずにはいられませんから。

それで。

臭気はもちろん大問題ですが、
もっと怖いのはアルカリであること。

特に怖いのは目に入ること。

これは軽視していると最悪失明します。

さすがに実際に失明した人は
見たことないですけど。

しかしアルカリは皮膚を溶かすので
皮膚についたら過剰に洗う、

眼に入ったらもっと洗う
というのは当然のこと。

薄くて刺激の低いものほど
警戒心が亡くなるから怖い。

これは本当に注意して下さい。

あと保管はポリ容器で。

アルカリはガラスを溶かすし、アンモニアの
蒸気は、銅、アルミ、亜鉛メッキを溶かします。

ガラスビンに入れたり金属の缶に
入れたりしないでしょうがご注意を。

なお、アンモニア水は製紙工程では
コート紙の塗料用薬品に使われます。

管理人はPH調整用として使ってました。

いっつも、こんな臭いものを
と思いながら塗料を作ってました。

今思えば適当なことしてましたけど。

この記事が、アンモニア水の
取り扱いの参考になればと思います。

アンモニア水は臭気が大変です。

慎重に取り扱って下さいね!

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