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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、シートスプリッターの特徴と活用法!
紙層分離の効率的な手段というお話。
管理人は元製紙会社社員。
紙の試験もやりました。
紙の開発をするときに小さなテスト用の
抄紙機で紙を隙いてみて分析するとか。
もちろん実機で製造した紙の
分析もやりましたけど。
それで。
たまに紙の層別の灰分率を
測定してみる、とかもあった。
そんなときにシートスプリッター。
長網の一層だと難しいですが
ツインワイヤーとか多層抄きだと
うまいこと各層に剥がれてくれるので
それぞれで灰分を測定したりできます。
そんなに出番はなかったんですが
ちょっと使った思い出もあります。
ということで。
この記事ではシートスプリッターの特徴と
活用法!紙層分離の効率的な手段について
管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。
シートスプリッターとは
まずはシートスプリッターについて。
==ここから==
シートスプリッターは、複数の層を持つ紙や板紙を正確に分離し、必要に応じて一定のサイズに切り離す機械です。層ごとの特性を分析したり、製品の品質を確保したりするために、紙の製造工場や研究施設などで広く使用されています。
==ここまで==
文章で書くとこういうことですね。
具体的な試験方法はこんな感じ。
==ここから==
本機は紙を複数層に分割し、横断面の総合的地合、接着剤、インキ、カラーの浸透性の分析等、シート構造の研究に用いられます。
原理は0℃以下の温度に冷却された一対の金属ロール間に水に浸した紙又は板紙を繰り入れ、ニップをかけることによりシートの両面が凍結し、内部が裂かれて2枚の凍結シートに分割され、附属のドクターにより採取されます。
本機の使用により、従来の方法(ミクロトーム、カミソリの利用など)より均一で大きな試験片を得ることができ、地合、ワイヤーマークの程度、紙層間における繊維長分布、填料分布など抄紙上の特性及び印刷インキの浸透状態の観察など種々な研究目的に使用することができます。
試験片の水浸により物性の変化を来たす恐れがある場合、粘着テープ法により同様にはく離試験が可能です。
==ここまで==
上記は熊谷理機工業株式会社のHP抜粋。
あの薄い紙でもそれぞれの層を分離して
どうなっているのかを調べたいわけです。
そのためのシートスプリッターなんですね。
ではシートスプリッターの特徴を。
シートスプリッターの特徴
- 高精度の層分離技術 シートスプリッターの最も重要な特徴は、その高い精度で層を分離する能力です。紙や板紙は、使用される素材や製造方法によって異なる層を持つことがあり、これを正確に分離することで、それぞれの層の特性を詳細に分析することができます。製造業では、これにより製品の一貫性と品質を保証することが可能になります。
- 多用途に対応可能 シートスプリッターは、さまざまな種類の紙や板紙に対応しています。薄い紙から厚みのある板紙まで、異なる素材や厚みの紙を分離・切り離すことができるため、製紙工場や印刷会社など、さまざまな場面で使用されています。
- 簡単な操作性と安全性 操作が直感的でシンプルなため、初めて使用する人でも簡単に扱うことができます。さらに、安全装置が搭載されているため、作業中の事故を防ぎ、作業者の安全を確保します。これにより、安心して作業を進めることができ、作業効率も向上します。
- 耐久性とメンテナンスの容易さ 高品質な素材で作られており、長時間の使用にも耐える設計がされています。耐久性が高く、頻繁なメンテナンスを必要としないため、コストパフォーマンスにも優れています。簡単なメンテナンスで長期間使用できるのも、シートスプリッターの大きな特徴です。
ということだそうです。
管理人の感覚的には。
そんなに精度良く層分離が出来たか?
というのがあるんですけどね。
これは特に抄紙機によって違っていて
先ほどもお話した通りツインワイヤーや
板紙などの多層抄きなら出来ますが
長網抄紙機で製造された紙は難しい。
そもそも一層なんだから簡単に
分離はしないんですよね。
偉い人の中には分析機器は何でも出来る
と思っている厄介な人もいるので
こういうのはよく説明しないと
あとで痛い目に遭うんですよね~
管理人も経験者なので。
シートスプリッターの活用例
- 製紙工場での品質管理 シートスプリッターは、製紙工場で製造された紙の品質管理に使用されます。紙の層ごとに異なる特性(例えば、強度や厚み)を測定するために、正確に層を分離し、品質試験を行います。これにより、製品の品質を一定の基準に保つことができます。
- 研究開発の現場での利用 新しい紙素材の開発や研究において、層ごとの特性を分析するためにシートスプリッターが活用されます。特に、新しい素材や加工法の研究開発では、シートスプリッターを用いることで、各層の状態を詳細に把握し、改良点を見つけることができます。
管理人が調べたところこんな感じ。
しかし、実際には製造工程での
品質管理には使わなかったですね。
技術部や開発部が品質調査をするときに
層ごとの分析に使う感じでしょうか。
ただそれも灰分分布なんかだと。
断面写真の画像分析が進化して
活躍の場が無いかも知れません。
層別の地合確認のようにある程度の
面積が必要なときには有用かも。
こういうのは確認したい項目によって
どんな試験機を使うかが重要なんですが。
管理人のまとめ
今回はシートスプリッターの特徴と活用法!
紙層分離の効率的な手段、というお話でした。
シートスプリッターは、紙や板紙の
層分離を効率的に行うための試験機器。
紙を各層に分離して分析に使うものです。
多層の紙ならうまいこと分離してくれます。
昔は分析技術も低かったので層別にして
灰分測定とかやってましたけど
今だと顕微鏡の断面写真で分析が
出来るので需要は少ないかも。
各層の地合とか繊維長分布なんかは
こういう方法が必要かと思いますが。
管理人はそんなに使うことなかったですが
この機械で紙がきれいに分離するのが
面白かったことだけは
覚えてるんですよね~
この記事がシートスプリッターの
参考になればと思います。
シートスプリッター、
うまく使って下さいね!
(参考)
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