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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、紙の検査を依頼したい!
どこで紙質試験をやってくれるのか?
と言うお話。
管理人は元製紙会社社員。
なので会社にいたときは紙質試験は自社。
当然ですけど紙に関する基本的な
試験機器は揃っていますから。
簡単な試験は自分でやって
機器分析は頼んでました。
機器分析は自分でできても下手に
触って壊したらまずいですから。
まあ会社には試験課があったので
基本はそちらに依頼してましたね。
基本的な紙質試験は簡単ですが
項目が増えると時間がかかる。
それに、毎日やってる人のほうが
数値も信用できるでしょうから。
まあこんな感じで会社にいるときは
紙質試験を依頼するとか思わない。
しかしながら。
一旦会社をやめてしまったら
紙質試験をやるってかなり面倒。
やっぱりそれなりの環境がないと
正確な試験って出来ないんですよね~
たとえば。
商社が紙を販売するとして。
メーカーの紙質試験表とは別に
自社で測定してみようと思っても
米坪を測定するなら電子天秤、
紙厚を測定するなら紙厚計
平滑を測定するなら平滑度計、
色調を測定するなr色差計
引張強度や引裂強度を測定するなら
引張試験機と言う感じで機械が必要。
そして紙の試験は恒温恒湿室で
一定時間以上保管してからの実施。
それにもしも機械があったとしても
それを使える人が必要になる。
そうなると普通の商社では無理。
それでも独自に紙質試験をしたいなら
どこかに紙質試験を依頼するしか無い。
じゃあそれはどこになるのか?
ということで。
この記事では紙の検査を依頼したい!
どこで紙質試験をやってくれるのか?
について
管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。
紙の検査を依頼は?製紙会社の分析センターか自治体の試験場
管理人が調べたところでは。
紙の検査を依頼するなら製紙会社の
分析センターか自治体の試験場です。
もちろん試験内容にもよりますが。
ただし。
製紙会社の分析センターと言っても
本体が試験をするわけではありません。
形式的には関連会社になっている
パターンが多いのかなと思います。
以下にいくつか紹介してみます。
製紙会社関連の分析センター
●大王製紙保安検査システム株式会社
⇒https://daio-hoan-kensa.com/
こちらは大王製紙の関連会社ですね。
元々社内の試験業務を担当していた部署が
関連会社に移管された形式のようです。
技術部の試験課は利益を生まないので
外部から依頼試験を受けて稼げと。
多分そんな感じなんでしょう。
●巴川分析センター
⇒https://bunseki.tomoegawa.co.jp/
こちらは製紙会社が母体ですが
紙以外の分野も試験するようです。
製紙会社関連ではこんなところ。
もしも個別に製紙会社と面識があれば
紙質試験はやってもらえると思います。
ただし、そういうのがなくて
有料でもお願いしたいなら
こういうところを利用することに
なるのかなと思いますね。
自治体の試験場
各自治体の試験場とか産業研究センターで
試験依頼を受け付けるところがあります。
- 岐阜県産業技術総合センター
⇒https://www.gitec.rd.pref.gifu.lg.jp/ - 高知県立紙産業技術センター
⇒https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/151406/ - 滋賀県東北部工業技術センター
⇒https://www.hik.shiga-irc.go.jp/ - 静岡県工業技術研究所
⇒https://www.iri.pref.shizuoka.jp/ - 徳島県立工業技術センター
⇒https://www.itc.pref.tokushima.jp/ - 福井県工業技術センター
⇒https://www.fklab.fukui.fukui.jp/kougi/
依頼試験の料金表もありますね。
たとえば。
岐阜県産業技術総合センターならこんな感じ。
紙・パルプ試験手数料
区分 | 単位 | 単価 | ||
---|---|---|---|---|
1 | 紙厚 | 1件 | 670円 | |
2 | メートル坪量 | 1件 | 670円 | |
3 | 寸法 | 1件 | 670円 | |
4 | 密度 | 1件 | 670円 | |
5 | 引張り(裂断長、抗張力及び伸びを含む) | ショッパー式 | 1件 | 1,220円 |
ロードセル式 | 1件 | 2,790円 | ||
6 | 破裂 | 1件 | 1,220円 | |
7 | 引裂き | 1件 | 1,220円 | |
8 | 耐折 | 1件 | 1,750円 | |
9 | 透気度(気密度を含む) | 1件 | 1,170円 | |
10 | 平滑度 | 1件 | 1,270円 | |
11 | ろ水度(こう解度を含む) | 1件 | 1,750円 | |
12 | 吸水度 | 1件 | 1,690円 | |
13 | 透湿度 | 1件 | 3,520円 | |
14 | 水分 | 1件 | 1,830円 | |
15 | サイズ度 | 1件 | 1,220円 | |
16 | 灰分 | 1件 | 3,900円 | |
17 | 柔軟度 | 1件 | 1,170円 | |
18 | はっ水度 | 1件 | 990円 | |
19 | ピッキング | 1件 | 1,690円 | |
20 | 繊維組成 | 1件 | 2,350円 | |
21 | 繊維長分布 | 1件 | 4,250円 | |
22 | 蛍光判定 | 1件 | 520円 | |
23 | 磨耗 | 1件 | 1,690円 | |
24 | 圧縮 | 1件 | 2,600円 | |
25 | PH溶出 | 1件 | 2,290円 | |
26 | 曲げ | 1件 | 2,560円 | |
27 | 伸縮度 | 1件 | 3,240円 | |
28 | パンクチェアー | 1件 | 800円 | |
29 | 細孔径分布 | 1件 | 4,550円 | |
30 | ほぐれやすさ | 1件 | 3,060円 | |
31 | 光沢度 | 1件 | 1,910円 | |
32 | 白色度 | 1件 | 3,410円 |
管理人のように製紙会社で試験を
やったことがある人間からすると
こんなにするのかという
感じはするんですが
試験機の固定費というよりは
試験員の人件費になりますかね。
どんなに自動化されてもある程度は
人間の手が掛かるし書類作成もあるし。
なので簡単な試験でもそれなりの
価格になるということでしょうね~
管理人のまとめ
今回は紙の検査を依頼したい!
どこで紙質試験をやってくれるのか?
というお話でした。
管理人が調べた限りでは
製紙会社の分析センターか
各自治体の試験場が試験依頼を
受け付けてくれる感じでした。
もちろん有料ですけど。
製紙会社に在籍していたときは
紙質試験にお金がかかるとか
紙の入手が意外に困難とか
考えることありませんでした。
そう思うと結構特殊な環境に
いたということなんですね~
辞めてみて分かることですけど。
この記事が、紙の検査依頼の
参考になればと思います。
紙の検査、上手くやって下さいね!
(参考)
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