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紙の坪量の公差はどれくらい?厚さによって若干異なります!

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、紙の坪量の公差は
どれくらい、というお話。

坪量というのは米坪とも言いますが
紙の基本的な品質項目で

1㎡当たりの紙の重さになり、
単位はg/㎡で表示されます。

これに公差があるのか、
ということなんですね。

実際のところはどうなんでしょうか?

管理人も元製紙会社社員、そのあたりの
ことをちょっとお話してみようかなと。

ということで。

この記事では紙の坪量の公差は
どれくらいということについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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紙の坪量の公差について

管理人の記憶では紙の坪量の公差は
JIS規格で±4%だったと思います。

今更JIS規格って・・・

今現在はISO規格になってますが
これが調べてもうまく出てこない。

ただし。

この坪量の公差、ユーザーとの
取り決めで決まることが多いです。

ISO規格としてはあるはずなんですが
イマイチ意味がない感じでしたね。

どういうことか。

特定の企業に紙を納入する場合、
メーカーは納入仕様書を提出します。

そのときに、米坪、紙厚、平滑度、など
紙の品質について記載するわけです。

そこに公差というか許容範囲も記載します。

大抵はメーカー側の管理基準より
少し緩い条件で提示することになります。

たとえば、郵便局だと封筒用の
クラフト用紙の坪量は±5%だそうです。

(参考)郵便局HP該当箇所
https://www.post.japanpost.jp/zipcode/guideline/13.html

こういうのは大口ユーザーだと
そのユーザーの要望でになります。

とはいえ、あまり厳しくすると製品が
取れなくなるので無茶はしません。

出来る範囲で厳しくするということですね。

紙の坪量の公差があまり一般的に表示されない理由

管理人の経験からなんですが。

紙の坪量の公差は要求されない限り
ユーザーに明示することはありません。

工場側にはもちろん基準がありますが
それは聞かれたら答える感じですね。

これは取引の形態にもよるんでしょう。

日本国内での紙の取引は定貫重量なんです。

定貫重量というのは表示米坪で
取引しましょうということになります。

極端な話をすると表示米坪64g/㎡なら
たとえ実米坪が70g/㎡であっても

取引は表示米坪の64g/㎡で
重量を計算して支払うというわけ。

これ、製造側からすると損してます。

しかし。

実重量で取引するとなると
取引のたびに測定が必要。

それは煩雑なんですよね。

多分、購入する側の力が強いのと煩雑さを
避けるために定貫取引なんだと思います。

まあ、逆に言うと米坪60g/㎡の紙を
64g/㎡だとして販売も出来るんです。

しかし、それは商道徳上やらない。

たとえばISO規格は表示米坪±4%まで
認めてるんだからいいじゃないか、

ということを主張してもいいんですが
それをやると今後の取引に響く。

製紙会社と印刷会社は持ちつ持たれつ
というところがありますからね。

もしも64g/㎡と同じ品質のものが
60g/㎡で製造できるのなら

表示米坪60g/㎡の紙として
販売して下さいということ。

そうしないと購買側が損ですから。

今はそうでもないかも知れませんが、
管理人のいた頃、価格決定権は

メーカーではなくて印刷会社や
出版社が握っていました。

だから現実的には米坪64g/㎡の紙の
実米坪は64g/㎡以上だったですね。

許容範囲は64g/㎡+2.5g/㎡という感じ。

マイナスはなかったんですよね~

紙の坪量の工場での管理について

ここからは余談です。

せっかくなので。

管理人の見た工場での坪量の
管理方法をお話させていただきます。

先程JISの規格で許容差は
±4%とお話しました。

管理人の記憶の話で曖昧ですが。

でも実際にはこんなに大きな
ばらつきは起こりません。

実際4%というのはかなり大きいです。

たとえば。

米坪64g/㎡の紙だったら、
4%は2.6g/㎡になります。

しかし、実際のマシンではもっと精度が良くて
だいたい±1.5g/㎡位で管理してました。

外部的な基準書には±3g/㎡と記載して
内部的には1.5g/㎡で管理する感じ。

許容範囲は緩めておかないと
何かあったときに困りますから。

それに。

印刷用紙なら、米坪の規格が、

60.2g/㎡、64g/㎡、69.9㎡、
72.3g/㎡、81.4g/㎡

というような感じであるわけです。

品種によって変わりますけど。

ここで、±3g㎡も許容差があったら
60.2g/㎡と64g/㎡は同じ紙でいい。

62g/㎡で管理しておけば
どちらにでも出来てしまう。

まあ、そうはいかないわけですよね~

実際には60.2g/㎡なら61g/㎡程度、
64g/㎡なら66g/㎡程度で管理でした。

このくらいの差であれば明確に
区分できる精度があるということです。

それでもコストダウンとして。

51.2g/㎡と54.2g/㎡はロットを
大きくするために統一するとか

もう54.2g/㎡だけ生産して51.2g/㎡は
実米坪54.2g/㎡で表示米坪51.2g/㎡の

ラベルにだけ変えて出荷するとか
そういうこともやってました。

近い米坪のものがあって生産量も
販売量も少ない場合仕方なしにですが。

紙の坪量の測定頻度について

もう少し余談を。

紙の坪量の測定頻度についてです。

紙の坪量の測定頻度は
通常1ロットに1回でしたね。

1ロットといってもマシンに
よっては相当な量になります。

たとえば。

分速800mで生産している場合
100分製造すれば8万mになります。

それが1ロットになるとすると
一日は1440分なので、

1日でだいたい15ロット
製造することになります。

操業員はロットごと、この場合なら
100分ごとに簡易の紙質試験をします。

24時間で15ロット分を試験するわけです。

これは品種とかマシンによって
変わってくるわけですけど。

そういう意味では全ロット
品質検査をしていましたね。

ただし、これは簡易検査なので
この中からいくつか選んで

恒温恒湿室で一定時間保管して
そこで紙質試験もやります。

対外的に提示するときはその
試験データを使ってましたね。

キチンと調湿された試験
結果が正、になりますので。

それから、オンラインではBM計と呼ばれる
米坪と水分を測定する機械があります。

BM計のBは米坪(Basis Weight)
Mは水分(moisture)だそうです。

実際には、米坪、紙厚、水分、灰分
色調の測定が出来てましたね。

紙質試験は紙質試験でやるとして
実際の操業はBM計のデータが重要。

これをフィードバックして制御してました。

特に、シワやダブリといったプロファイルが
問題になるときはこのデータが必要でした。

今はもっと良くなってるんでしょうけど
管理人がいたときはこんな感じでしたね。

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管理人のまとめ

今回は、紙の坪量の
公差についてのお話でした。

管理人の記憶では±4%なんですが
これはかなり古いJIS規格の記憶です。

今はISO規格に変わっているので
もしかすると変わっているかも知れません。

一般的にはこの程度ではあるんですが
実際にはもう少しばらつきは少ないです。

米坪にもよりますが、だいたい1.5g/㎡
くらいで収まると思いますね。

また、紙の取引は表示米坪で
実施されることもお話しました。

商道徳的に表示米坪を下回ることは
やらないということなので設定としては

たとえば表示米坪64g/㎡の紙なら
66g/㎡±1.5g/㎡で管理する。

こういう感じで管理してましたね。

また、坪量は製造ロットごとに
操業員が簡易に測定してました。

だから工場には全ロットの
試験データがあるはずです。

その中のいくつかは正確に測定するため
恒温恒湿室で紙質試験をしてましたね。

また、オンラインではBM計と言う機械があり
米坪、水分、紙厚、灰分、色調などを測定し、

そのデータはマシンにフィードバックされて
製造のコントロールをしてました。

これも貴重なデータでしたね~

この記事が、紙の坪量の公差の
参考になればと思います。

紙はキチンと品質管理されてますよ!

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