薄い紙で透けるものは?文字の練習に使うものの名前はなにか

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薄い紙 透けるもの

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、薄い紙で透ける文字の練習に
使う紙の名前はなにかというお話。

結論から言うとトレーシングペーパー。

文具屋さんで購入できますし
通販でも普通に売ってます。

上から何かをなぞるときに
よく使う紙ですよね。

管理人は字が汚いので練習したことが
あるんですがうまくなりませんでした。

お手本をなぞるというのが
意外に難しかったし、

なぞれるようになっても
そのうちもとに戻ってしまう。

ものまねってバカにされますけど
ただ真似をするのも簡単じゃない。

何をどうやればうまく出来るのかを
見つけるのが難しいんですよね。

目の前にお手本があって言われたように
やればいいだけなんですが

出来ない人にはそれが
本当に出来ないもの。

うまくやれる人とは分かりあえない
問題じゃないかと思います。

それはともかく。

ではなぜトレーシングペーパーは
薄くて透明なのか?

ということで。

この記事では、薄い紙で透ける文字の練習に
使うトレーシングペーパー紙について

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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薄い紙で透ける紙であるトレーシングペーパーはグラシン紙の一種

ところで、トレーシングペーパーは
分類としては何になるのか?

とりあえずは薄葉紙になるんですが
製造方法としてはグラシン紙になります。

グラシン紙というのはパルプ繊維が
ドロドロになるまで叩解して

スーパーカレンダーで目一杯
押しつぶした紙と言えます。

なんだかいい加減な感じですが・・・

叩解というのは、パルプ繊維を
バラバラにほぐすイメージですかね。

手作業で紙を作るときは
植物を叩いていたそうですから。

工場ではDDRという機械があって
パルプを2枚のディスクですりつぶす

というようなことで叩解をしてましたが
現場では「電力を食わす」と言ってました。

激しく回転させてすりつぶした方が
パルプ繊維が細く短くなりますから。

当然、これも限度があって叩解を
激しくすればいいというものでもない。

ただ、グラシン紙の場合は通常の紙より
さらに叩解を進めているということです。

そうすると何が起こるか?

パルプ繊維が細く短くなると
繊維の間の隙間が減るんです。

紙が白いのはパルプ繊維と
空気の複合材料だからなんですが

この中から空気が減れば
その分透明になるというわけ。

そんな感じで原料で空気が減るようにして
さらにスーパーカレンダーで押しつぶす。

当然さらに空気が減って、紙厚も薄くなって
ますます透明化するというわけ。

管理人はそれ以上のことは分かりませんが
筆記用紙ならある程度表面強度が必要なので

表面には必要に応じてデンプンを
塗工しているのかも知れません。

このグラシン紙は色々な用途があり
このトレーシングペーパー以外だと

ワックスを含浸させてワックスペーパー
シリコーン樹脂を塗工してクッキングシート

剥離剤を塗工してシールの剥離紙
というような用途がありますね。

トレーシングペーパーは薄くて
透明という特徴で使いますが

ワックスペーパーやクッキングシートは
グラシン紙の密度が高くて薬品が

表面に残りやすいという性質を
利用していると考えられます。

ワックスペーパーやクッキングシートは
耐水性や耐油性があるわけですが

それは表面に薬品が残ればよくて
紙の内部に染み込んでほしくない。

そういう意味ではグラシン紙は
ちょうどいいんでしょうね。

薄い紙で透ける理由。紙の不透明度について

ここからは専門的な余談です。

今回はトレーシングペーパーが
薄くて透けるというお話をしました。

出来るだけ透明にするために
叩解してカレンダーでつぶすわけですが

逆に紙の不透明度をあげるには
どうすればいいのでしょうか?

一番簡単なのは米坪を重くして
紙厚を厚くすることなんですが

それではあまりにも工夫がないし
本なんかだと重くなりますよね。

他の方法としては白色度を下げる
というのもありますがこれもどうかなと。

白色度が下がるということは紙が
光を吸収するということなので

裏側に抜ける光の量が減りますから
不透明度は上がるんですよね。

まあ、そんなのは当たり前なわけです。

薄くて白くて不透明度が高い紙は
どうすればいいのかというのが問題。

これはかなり難しいです。

白い紙というのは光を吸収しません。

というか光を吸収しないから
白く見えるんですよね。

だから、パルプ繊維と屈折率が異なる
内添填料を添加することになります。

具体的には酸化チタンがよく使われます。

粒子の小さな酸化チタンをたくさん紙に
添加すれば不透明度は上がるというわけ。

ところが残念なことに、粒子径が
小さいものは紙に残らずに抜けてしまう。

脱水するときに水と一緒に抜けるわけです。

しかも粒子径が小さいものは
水に分散したときの濃度が上がらない。

結局、添加できる量はそんなに
大した量にはならないんです。

こういうことをやれるだけやってみて
わずかに不透明度を上げる事ができる。

薄葉紙でも辞書用紙なんかは
そういう事をやっていると思います。

新聞紙なんかでも似たようなことを
やっているはずです。

管理人も不透明度対策には苦労しました。

ただ、結局の所は技術レベルが低いので
米坪を上げて対応するのが多かった。

難しいことやるより簡単な対応をしたほうが
コスト的に有利だったからなんですが。

ちょっと技術者としては恥ずかしいお話です。

管理人のまとめ

今回は、薄い紙で透ける文字の練習に
使う紙の名前はなにかというお話でした。

結論はトレーシングペーパー。

グラシン紙の仲間になります。

文具屋で購入できますし
通販でも普通に売ってますね。

それから、グラシン紙について
少し製造方法をお話しました。

実は薄くて透明な紙を製造するには
かなり特殊な設備が必要です。

そういう紙を専門に抄造するように
マシンを設定しないといけない。

パルプ繊維の叩解条件とか
抄紙機の脱水条件とか

一般の紙とはやり方がかなり違うので
ある程度の経験が必要だと思いますね。

それから。

トレーシングペーパーを使って
絵や文字をなぞるのは

自分で絵や文字を書く練習には
とてもいい方法だと思います。

何度もなぞっているうちに
自分で書けるようになる時が来る。

ただ見ているのと上からなぞるのでは
感じ方が全く違うのではないでしょうか。

うまく出来るまであきらめずになぞるのが
上達の近道なのかも知れませんね。

管理人はもうあきらめましたが。

この記事が、薄い紙で透ける紙の
名前について参考になればと思います。

文字がうまく書けるように
練習して下さいね!

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