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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、手提げ袋の取っ手は送付時に
切り取る方が良いかというお話。
管理人が宅配便を利用するときは
段ボール箱が多いです。
または宅配便業者指定の袋。
手提げ袋で送ることはないですね。
しかし、たとえば旅行先でなにか
気に入ったものを購入したとき、
そのお店でもらった紙袋を使って
宅配便で送るのはあるかも。
新しく靴を買ったので、今履いている
靴を自宅に送り返すとか。
ではそういうときに紙袋に付いている
取っ手を切り取ったほうがいいか?
ということで。
この記事では、手提げ袋の取っ手は
送付時に切り取る方が良いかについて、
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
手提げ袋の取っ手は切り取ったほうがいい
結論から言うと、手提げ袋に荷物を入れて
送付するなら取っ手は切り取った方がいい。
その理由は単純で、手提げ袋の取っ手が
どこかに引っかかるといけないから。
変な引っかかり方をすると袋が
破れてしまいますからね。
あとは、取っ手を切り取ったほうが
若干でも軽くなりますので、
重量で送付料が変わる場合
少しでも安くなるかも知れません。
まあ、これは気休め程度ですが。
いずれにしても、送付時にトラブルが
発生しないようにすることを考えると
手提げ袋の取っ手は切り取って
おいたほうが良さそうです。
手提げ袋に使われる紙はクラフト紙が多い
ここからは余談です。
手提げ袋に使われる紙なんですが。
あの紙の名前はクラフト紙と呼ばれます。
クラフト、というのは元々ドイツ語で
「力、強さ」という意味もあるんですね。
もちろん、技巧とか手作りとか
そういう意味もあるんですけど。
紙の方ではクラフト紙は
強い紙ということになってます。
ここでいう強い、は強度がある
ということになります。
使われているパルプの強度が強い。
実際のところ、メインで使用されるパルプは
NKPと呼ばれる針葉樹から作られるもの。
この「N」はドイツ語の
「Nadelholz」の頭文字。
翻訳すると針葉樹、「Nadel」が針の意味。
針葉樹というのは名前の通り
葉っぱが針のような木材のこと。
分かりやすいのは「松」ですね。
これになんの意味があるかと言うと。
針葉樹から製造されるパルプは
繊維が長くて強いということなんです。
それで紙に使われるパルプの場合、
機械パルプ、化学パルプ、古紙パルプ
などがありますが強度が必要と
される場合は化学パルプを使います。
エコということで古紙パルプを
配合することもありますが
本来の意味から考えると
化学パルプを使いたいところ。
先ほど説明したNKPなんですが、
これは針葉樹の化学パルプです。
実はこの「KP」はクラフトパルプの略。
つまり、クラフト紙というのは本来は
クラフトパルプで作った紙の意味。
だから、本来の意味から考えると
古紙は配合したくないんですね。
それはそうとして。
このNKP、漂白しなければNUKP
漂白して白くすればNBKPとなります。
「B」は漂白、「Bleached」、
「U」は未漂白、「Unbleached」です。
だから茶色いクラフト紙の
手提げ袋は未漂白のNUKPがメイン。
白い手提げ袋はNBKPメイン。
NUKPメインの紙は未晒クラフト紙
NBKPメインの紙は晒クラフト紙。
白さの調整は両方のパルプを
適当に配合して調整する。
古紙を配合すると強度が落ちるので
米坪(1㎡あたりの紙の重さ)を上げて
必要な強度が得られるように
対応するという感じでしょうか。
クラフトパルプについて
もう少しパルプについて
お話させて下さい。
先程、クラフトパルプが化学パルプだと
お話させていただきました。
この化学パルプには種類が
いくつかあるのですが
現在の主流はクラフトパルプ
ということになります。
それでこのクラフトパルプには
NKPとLKPがあるんですね。
NKPは先程説明しました。
もうひとつのLKPなんですが、この「L」は
広葉樹の意味でドイツ語で「Laubholz」。
広葉樹というのは名前の通り葉っぱが広い。
冬になると葉を落とす樹木のことです。
紙の原料としてはユーカリが
よく使われています。
コアラが食べるやつですね。
ユーカリは成長速度が速くて原料に
使えるまでに10年以内だそうです。
製紙会社は木材がないとダメですから
原料確保はどこも必死でやるんですが
そのときにユーカリのように成長の早い
樹木は非常に都合がいいわけです。
ここで一応製紙会社の
名誉のために言っておきますが
製紙会社は森林破壊の元凶のように
思われていますが実際にはそうではない。
そんなことをしたら自分の首を絞めるので
相当早くから植林をやってました。
実際には海外の平地にユーカリを植えて
成長したら伐採してまた植林するという
サイクルを繰り返すことで安定して
原料を入手できるようにしています。
発展途上国での原料事情は分かりませんが
少なくとも国内製紙会社はそうしてますね。
正直この方が品質が安定するし畑のように
収穫できるので手間もかからない。
山の木を切ってほったらかしというような
環境破壊にはなっていないわけです。
話が大幅にそれました。
それで、LKPはNKPと比較すると
繊維が短く強度は弱くなります。
なので、クラフト紙にも配合しますが
メインにはなりません。
それからこれも晒、未晒で、
LBKP、LUKPがあります。
LKPの場合はLUKPの使用は少なく
ほとんどは白いLBKPになります。
主に使用されるのは印刷用紙、
特に上質紙や白いコート紙ですね。
コピー用紙も古紙100%でなければ
メインはLBKPになります。
LBKPは繊維が短いので表面がきめ細かく
なるので印面がキレイになりやすい。
あと、コストの問題なんですが、
これはNKPの方が高いです。
理由は原料の問題で、松の木よりも
ユーカリの方が成長が速いんですね。
だから広葉樹のほうが安く生産できる。
紙としても原価はクラフト紙のほうが
印刷用紙よりも値段は高くなります。
販売単価は市況で変わるんですけど。
管理人のまとめ
今回は、手提げ袋の取っ手は送付時に
切り取る方が良いかというお話でした。
結論としては切り取ったほうがいい、
理由は取っ手が引っかかると
手提げ袋が破れるかも
知れないからということでした。
基本はそうなんですが、ケースバイケースで
取っ手が引っかからないように出来るなら
無理して切らなくてもいいのではと
管理人は思いますけどね。
それから手提げ袋に使われるクラフト紙
についても若干お話させていただきました。
いずれにしても、物を送るときは
運送でトラブルが起こらない配慮が必要。
どうしても気になるのであれば、
運送屋さんに質問するのが確実でしょう。
会社によって考えが違うこともありますから。
この記事が、手提げ袋の取っ手を送付時に
切り取るかどうかの参考になればと思います。
宅配便でのトラブルには注意して下さいね!