文庫本が茶色い!こだわりの色なのかまさかの日焼けなのか?

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文庫本はこだわりの色

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、文庫本が茶色いがこれは
元々の色なのか日焼けなのかというお話。

文庫本って結構長いこと在庫されます。

名作を並べていると言っても、
名作が売れるわけではない。

シリーズ物で並べてあっても
売れるものと売れないものがある。

回転の良いものなら良いですが、
回転の悪いものもあるわけです。

単行本なら一定期間売れなければ
返本することになるんでしょうが、

文庫本の場合は歯抜けはかっこ悪いので
売れなくてもずっと在庫になるのかなと。

もっともこれは昔の本屋の話で
最近はもっと管理されてるでしょうけど。

それで、文庫本を購入したら
茶色かったというわけですね。

これが元々の色なのか日焼けなのか?

これについては、
管理人は元々の色だと思います。

では何故そう思うか?

ということで。

この記事では、文庫本が茶色いとき
元々の色なのか日焼けなのかについて、

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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文庫本が茶色いときは元々の色の場合が多い

結論から言うと、文庫本が茶色いときは
元々の色の場合が多いです。

これ、一昔前なら変色することも多かった。

しかし、今は状況が変わっています。

管理人が製紙会社にいた頃は
機械パルプ入りの酸性紙が多かった。

しかし、管理人がやめる頃には退色対策で
機械パルプを減らし中性紙化してました。

それがもう15年程度前ですから
今流通しているのは退色しないでしょう。

だいたい、文庫本が茶色に変色するのは
機械パルプが入っていて光に当たるから。

それから酸性紙だと硫酸が
セルロースを劣化させるから。

そういうのが紙の劣化の原因でした。

しかし今は変色が問題になる紙は
機械パルプを抜いて中性化する。

そういう感じで対応してると思います。

それからもうひとつ。

文庫本用紙は注意すれば分かりますが
あの紙は白ではありません。

だいたいクリーム色とか赤っぽいとか
オレンジ系統だとか若干色がついています。

断じてノートのような白ではない。

この紙の色は出版社が非常にこだわるところ。

独自の色を求められるんですね。

管理人もA社向け文庫本用紙、
B社向け文庫本用紙という感じで

配合を調節したり色調を確認したり
結構面倒な管理をしていたものです。

ただの中質紙の文庫本もあれば、
微塗工する文庫本もありました。

文庫本はある意味出版社の顔ですから
紙に対する要求もうるさかったんでしょう。

これが週刊誌のようにせいぜい1週間
まともな状態だったら良いという紙と

長期在庫になるのが分かっている
文庫本の違いだったのかも知れません。

そういう中で紙の色を決めるので
退色していないのなら元々の色が

茶色っぽかったというか、そういう
設定だったとと思うんですよね。

もちろん、昔購入した文庫本を
久しぶりに取り出したと言うなら

それが茶色っぽかったら
日焼けしているのかも知れませんが、

普通に最近購入した本なら
元々そういう色だったと思います。

文庫本が茶色い。古いものなら変色かも

ここまでは文庫本が茶色いのは
元々の色だというお話をしました。

最近のものは変色の対策をしているから
そう簡単に変色しないということでした。

しかし、先程少し触れたのですが
古い文庫本の場合は少し違います。

たとえば図書館にあるようなものは
数十年前のものもあるわけですから

そういう文庫本は管理が良くても
茶色に変色する可能性があります。

特に酸性紙の場合、上質紙でも
30年程度で紙が劣化するようです。

保管条件が良ければもっと持つでしょうが
管理人が生まれた昭和40年代だと

かなり変色していても不思議ではなく、
実際手元にあるものは変色しています。

酸性紙の場合は硫酸バンドを
使っていて湿気があると硫酸が

出てくるのでそれがセルロースを
劣化させてしまうんですよね。

それが問題で上質紙はほとんど
中性紙化されたんですが、

文庫本も同じことで硫酸バンドを
使っている限り問題は残ります。

実際のところ昔は中質紙の
中性化技術がなかったので

酸性紙で製造していたわけですが、
今は新聞でも中性紙化しますから

中質紙も中性紙化出来るようになって
あまり変色しなくなったというわけです。

それから、文庫本は中質紙なので
機械パルプや古紙パルプを配合しますが、

なかでも機械パルプが退色の
大きな原因なのでうるさく言われたら

機械パルプは使用しない
という場合もありましたね。

そうなると色調維持が面倒なんですが
この場合は色を黒くする方向なので

染料を増やして、最悪黒色を入れて
対応していたと思います。

あと、機械パルプを抜くと
紙厚が落ちるんですが

それは単純に米坪をあげて
対応していたかなと。

どちらもあまり賢い方法ではないのですが
他にいい方法がなかったんですよね。

今はもうちょっとマシな
対応をしてると思いますが。

管理人のまとめ

今回は、文庫本が茶色いがこれは元々の
色なのか日焼けなのかというお話でした。

管理人は元々の色だと思います。

最近の文庫本であればそれなりに
退色防止策を取っているからです。

ただし、その本が一昔前の古い
文庫本の場合は変色かも知れません。

特に酸性紙の場合は30年くらいで
紙が劣化すると言われていますので

というか管理人もそういう本を
持っていますので変色かなと。

結局、最近の文庫本なら元々の色
よほど古い本なら変色というところ。

文庫本の色に関しては出版社は
強いこだわりがありますから

薄い茶色程度ならあっても
不思議ではないと思います。

いずれにしても文庫本、持っているなら
なるべく冷暗所で保存したいですね。

この記事が、文庫本が茶色い
理由の参考になればと思います。

文庫本の保管には気をつけて下さいね!

本の紙質
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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