コンビニコミックの紙質。基本更紙なので保存には向かない!

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コンビニコミック 紙質

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回はコンビニコミックの紙質。
基本更紙なので保存には向かない!
というお話。

コンビニコミックってこんなやつ。

 

 

これは楽天で見つけました。

中古ですけど。

基本コンビニでしか売ってないので
当然といえば当然ですが。

それで。

このコンビニコミックの紙質なんですが。

どう見ても良くはないですよね?

はっきり言って安っぽい。

というか安いです。

誰がどう見ても更紙ですからね。

で、実際のところどんな紙なのか?

ちょっとお話してみようかなと。

それから。

ついでに出版社がこんなことをする
事情もちょっと調べたのでそれも。

ということで。

この記事では、コンビニコミックの紙質。
基本更紙なので保存には向かない!
について

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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コンビニコミックの紙質は更紙。回転の早いコンビニ向けかも?

コンビニコミックの紙質は更紙。

ジャンプやサンデーやマガジンに
使われているのと同じですね。

当然ながら保存など考えてません。

使われているのは古紙と機械パルプ。

特に機械パルプが光に弱く
劣化が激しいと思います。

昔の酸性紙と比較すればひょっとして
中性化されていたらマシかも、ですが。

それでも白い上質紙やコピー用紙
コート紙なんかよりは劣化しやすい。

元々の白色度が低いので劣化が
分かりにくいかも知れませんが。

いずれにしても。

保存に向く紙ではありません。

読み捨てられる新聞紙や週刊誌と
同レベルと考えていいでしょう。

そうなる原因は機械パルプ。

このブログでも何度かお話しましたが
機械パルプはリグニンがあるんですよね。

木材をすりつぶしただけですから。

上質紙に使うクラフトパルプは
リグニンを化学的に取り除いて

それを漂白して使うわけですが
機械パルプはそのまま使う。

場合によっては白色度対策で
漂白する場合もありますが

含有されているリグニン分は
そのまま残っているんです。

漂白されたリグニンはある程度
白くなりますけどそれも結局

光が当たると元の色に戻って
茶色になって行くわけですよ。

光があたって木材の色に戻るわけです。

でも逆に言うと。

短期間なら問題にはならない。

新聞や週刊誌では紙の劣化なんて
考える必要ないですからね。

まあ、たまに長期保存して劣化に
文句を言うお客さんはいるようですが。

というかそういう作者がいたそうですが。

それはともかく。

短期間での勝負でいいなら
この紙でも使えるんでしょう。

そうなるとコンビニのような
回転率の高いお店にはピッタリ。

管理人の感覚としてはお弁当や
生鮮食品のようにその日のうちに

仕入れて売り切るよりもずっと
ラクなのかもと思いますね。

劣化すると言っても腐るわけではないし。

紙の価格という点では更紙は
コピー用紙より高いんですが。

これも条件が色々あります。

特に生産量が問題になるんですよね。

いわゆるロットです。

つまり、更紙はパルプの原価は安いので
大量生産すればさすがに紙は安くなる。

逆に数量が少ないとマシン固定費が
高くなって紙も高くなってしまう。

ここが問題になります。

ただですね、コンビニコミックのように
作品が違っても紙が同じであるなら

製造する側としては安定して
大量生産できるわけです。

それが全国のコンビニで売れるなら
採算も取れるということなんでしょう。

一般の出版社が苦しんでいるので
製紙会社のマシンの空いてくる。

そこにコンビニコミックが入れば
マシン稼働率を上げるために生産する。

実は。

装置産業というのは稼働率が命。

最悪単品で利益が出なくても
マシンが稼働することで

トータルの収益率が高くなる
というのはよくあること。

工場側からすれば作るものがない
というのが最悪なんですよね。

管理人、現場管理に関係したときに
操業員の士気を下げてはいけない

というのをよく聞いたものなんですが
一番まずいのがマシンの停止なんです。

当然ですよね、仕事をしに来たのに
生産ができなければやる気も無くなる。

そういう意味でもコンビニコミックは
製造側でもありがたい紙だと思います。

コンビニコミックに更紙を使う理由。分厚い本は得した気がする?

更紙を使うメリットですけど。

これはお得感、ですね。

どういうわけか分厚い本を買うと
得したような気分になるんですよ。

よく言うじゃないですか、
同人誌をディスるときに。

あの薄い本がこんなに高いなんて!

というやつです。

これの逆バージョン。

こんなに厚い本がこんな値段で!

というわけです。

実際、本屋の平積みは
高いところから売れていく。

一冊の本の厚みが厚いほど
売れ行きがいいんだそうです。

もうライバルとの比較がすごくて
同じページ数でも厚い本にするって

それはそれは大変な競争を
していたと思いますね~

最近はどうか分かりませんが
厚い本がありがたい心理は同じ。

そして、更紙は嵩がある。

軽い割に厚いんですよね。

機械パルプのおかげなんですけど。

コンビニコミック、本棚の場所は取るけど
厚いほど得した気がして売れやすいもの。

これ、更紙を使う上での結構重要なこと。

安いだけじゃないんですよね~

コンビニコミックはなぜ紙質を変更して売るのか?

ここからは余談です。

管理人コンビニコミックを調べていて
ちょっと気になるコメントを見ました。

こんな感じ。

書籍の場合、重版にすると本の
価格を変更することが出来ない。

だから内容は同じでも別のものとして
販売することで売りやすい価格にする。

ということがあったんですよね。

管理人、このコメントを見て
ナルホドと納得しました。

考えてみれば。

書籍の価格が昭和の頃と令和の今で
同じというのはおかしいわけです。

著作権が切れているものもあるし
物価も変わっているわけですから。

なによりも最初につけた値段が
変更できないのは時代に合わない。

書籍の重版の場合はこの部分の
縛りが厳しいんでしょうね。

家電製品を考えてみた場合。

管理人が子供の頃のテレビは
20万円くらいしたと思うんですが

今、20万円のテレビは高級品で
安いものは数万円からある。

たとえばアイリスオーヤマのテレビ。

アイリスオーヤマ ハイビジョン液晶テレビ 24V型 ブラック LT-24B320

 

アマゾンで見たら20,500円でした。

なんと10分の1の価格で性能は
比較にならない高性能です!

これが当たり前だと思うんですが
書籍の場合はそうは行かない。

環境が相当変わっているのに
価格は据え置きなんですよね。

それが出版社にはネックなんだそうです。

だから新しいシリーズを立ち上げたり
形態を変えたりして自由に売っていく。

コンビニコミックはその代表なんでしょう。

下手に重版だとか復刻版だとか
そういうことをすると縛られる。

でも内容が忘れ去られるのは惜しい。

書籍は電子化の波がスゴイですが
こういう生き残り方もあるんですね~

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管理人のまとめ

今回はコンビニコミックの紙質。
基本更紙なので保存には向かない!
というお話でした。

コンビニコミックの紙質は更紙。

原料としては新聞紙や週刊誌と同じ。

機械パルプと古紙パルプですね。

基本的に読み捨てですから
保存とか考えてません。

安っぽいというか実際に
紙は安いし劣化もします。

そういうものだ、ということです。

この紙、製造する側からすると
出版用紙が厳しいのでありがたい。

マシンの稼働率が上がりますから。

出版社からするとリニューアルして
値引き出来るなどのメリットがある。

ユーザーからすると中古品より高いし
一般のコミックよりキレイじゃない。

でもコンビニコミックならではの
企画があったり再編集があったり

長期連載のものならいわゆる
いいとこ取りのものがあったり

逆に新刊では出しにくいものを
寄せ集めていたりと色々ある。

いずれもそれなりにメリットが
あるということのようですね~

管理人的には嵩張るから面倒ですが
買ったときのお得感がいいかなと。

電子書籍の波が押し寄せてますから
これも一つの生き残り方なんでしょうね~

この記事が、コンビニコミックの
紙質の参考になればと思います。

コンビニコミック、楽しんで下さいね!

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本の紙質
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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