印刷で退色しやすい色は何?インクの種類で変わってきます!

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印刷 退色しやすい色

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、印刷で退色しやすい
色は何か、というお話。

管理人は元製紙会社社員なので
印刷のことも勉強しました。

ほんの少し、ですけど。

印刷に関して勉強したのは
オフセット印刷とインクジェット。

紙にどうやって印刷されるのか
というところですかね~

インクの細かいところまでは
結局良くわかりませんでした。

それはそうとして。

通常の印刷の場合使用される
インクの色は4色が多いです。

オフセットだと墨、藍、紅、黄。

インクジェットだとブラック、シアン、
マゼンタ、イエローになります。

日本語と英語の違いだけで
色味としては同じですけど。

退色、となるとこの4つの色が
薄くなっていくわけですが

ではどの色が薄くなりやすいのか?

ということで。

この記事では、印刷で退色しやすい
色は何かということについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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印刷で退色しやすい色は黄色?

結論から言うと印刷で退色しやすい
色は黄色なんだそうです。

光に強い順としては

ブラック(黒)>シアン(青)>
マゼンタ(赤)>イエロー(黄)

になるようです。

オフセット印刷なら

墨>藍>紅>黄

ですね。

もちろん、各メーカーとも品質向上は
行っているので絶対ではありません。

ただ、その確率が高いということです。

ここでそれぞれの色について
調べたことをお話します。

ブラック

これは通常カーボンブラック。

日本語で言うと墨ですね。

もう昔から使われている
黒色になります。

この成分はもちろん墨。

元素で言うと炭素。

「すす」ですよね。

炭素は有機物こ骨格の元素ですが
この墨の場合は無機顔料になります。

墨に関して言えば、古い水墨画が
今でも残っているわけです。

当然、耐光性は相当強いです。

この黒色に関してはオフセットは
カーボンブラックがメイン。

インクジェットでも顔料系は
カーボンブラックのようですね。

なお、インクジェットの場合は
黒でも染料インクタイプもあります。

その場合は、色んな色を混ぜて
黒を出しているみたいです。

本当は、染料の場合、青、赤、黄色を
混ぜれば黒になるはずなんですが

実際にはそれだけではうまくいかないので
少し調整するために色々混ぜるんですね。

このタイプで作られた黒は
退色すると茶色になるみたい。

青色が退色した感じですね。

シアン

藍、青色、ブルーですね。

これも光には強いです。

オフセットの場合は銅フタロシアニン。

化学構造はかなりややこしい。

イメージは葉緑素に似てますかね?

環状の中に金属が入る感じ。

それはともかく、これは有機化合物。

しかし光にはとても強いです。

光だけではなく、酸にもアルカリにも
溶けず熱にも強いんだそうです。

化学的に極めて安定ということですね。

だから退色も少ないということです。

ただし、水に溶けるようにベンゼン環に
スルホン基を導入すると耐光性が悪くなる。

インクジェットインクの場合は
これを使うと退色しやすい。

もしかすると互換インクはこういうのを
使っているかも知れませんね。

マゼンタ

次はマゼンタ。

赤色、紅、レッドですね。

これはオフセットではカーミンB6
という有機顔料が使われるそうです。

ただしこれ、ちょっと分子の
結合が弱いところがある。

具体的には窒素原子の結合アゾ基
(-N=N-)部分があってそこが弱い。

だから強いエネルギが
あるとそこが切れやすい。

その部分が切れてしまうと
マゼンタの色がでなくなる。

こんな感じですね。

インクジェット用のインクでも
アゾ染料が使われるそうです。

色々と改良されていますがブルーや
ブラックよりは弱いみたいですね。

イエロー

最後にイエロー。

これも実はアゾ顔料とか
アゾ染料だそうです。

ジスアゾイエローというのが
よく使われるみたいですね。

これもやっぱりアゾ基があるので
そこが光に弱くて退色しやすい。

それと、このジスアゾイエローは
1分子の中に2つのアゾ基があって

マゼンタよりも弱いところが
多いみたいなんですよね。

だからなおさら退色しやすいのでしょう。

ここまで、各色の退色に
ついてお話してきました。

ただ顔料や染料は日々改善されて
耐光性も向上しています。

光に対しての改善だけでなく
オゾンによる退色についても

改善されているようで、シアンや
マゼンタでもその分子をさらに

安定させる分子設計が
開発されているようです。

さすがにどの色もカーボンブラック
並みとはならないと思いますが、

ドンドン開発は進んでいますから
そのうち遜色なくなるかも知れません。

管理人のまとめ

今回は、印刷で退色しやすい
色は何かというお話でした。

結論としては、

ブラック>シアン>マゼンタ>イエロー

の順に強いということでした。

また、それぞれの色には
それぞれの特徴があります。

ブラックはカーボンブラックで無機顔料。

非常に科学的に安定です。

シアンは有機顔料ですが
銅フタロシアニンは安定な物質。

マゼンタ、イエローはアゾ顔料や
アゾ染料でアゾ基の結合が弱い。

ただし、この部分を安定させる
技術はかなり向上している。

という感じです。

色材はとても難しいのでとりあえず
表面的なことだけお話しました。

この記事で書いたことは一般的な
お話ですのでメーカー別で見ると

ちょっと傾向が違うとか
そういうのがあるかも。

大枠は正しいと思いますが
あくまで参考程度でお願いします。

この記事が、印刷で退色しやすい
色の参考になればと思います。

印刷の退色、気をつけて下さいね!

印刷の劣化
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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