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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、スライムコントロール剤の
取り扱いについてのお話。
管理人は元製紙会社社員で
工場勤務をしたこともあります。
製紙工場は大量に水を使うので
このスライムコントロール重要です。
分かっている人は分かると思いますが、
水ってすぐに腐るんですよね~
製紙工場なんかだと特にそう。
パルプは木材由来で有機物だし、
紙表面にデンプン液を塗ったり
することもあるんですが、
デンプン液は栄養そのもの。
デンプンは紙力増強剤とか
塗料のバインダーにも入ってる。
とにかく普通の水でも腐るのに
有機物を含む水だらけなんです。
腐らないわけがない。
これも流れてくれるなら
まだいいんですけど、
どんなに流送していると行っても
流れの悪いところは出てくるし、
タンクなんかだったらそこに水が
とどまるわけですから腐ってしまう。
それで、防腐剤と言うか殺菌剤と言うか
スライムコントロール剤を入れるわけです。
それも非常に強力なやつ。
だから、かなり怖い薬品なんですよね。
非常に注意をしていた記憶があります。
ということで。
この記事ではスライム
コントロール剤の取り扱いについて
管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。
スライムコントロール剤の取り扱い注意事項
スライムコントロール剤、スラコンと
呼んでましたけどとにかく危険です。
皮膚についたら大変なことになる。
だから、保護メガネ、保護手袋
保護マスクなんかは必須でした。
基本的に業者の人がポリの一斗缶に
入れて持ってきてましたね~
現場のタンクへの入れ替え作業も
結構手間かけてやってたと思います。
本当に少量でも効果がある薬品なので
濃度の濃いやつが皮膚についたら大変。
ましてや眼にでも入ったら・・・
ちょっともで付着したら
すぐに流水で洗わないといけない。
物によってはバクテリアとか細菌の
細胞膜を破壊すると聞いてますから
そんなものが手についたら
大変なことになるのは間違いない。
実際には手についたとか目に入ったとか
そういう事例は知らないのですが。
とにかく、あれだけ強力な
微生物を殺す薬品です。
人間も無事ではすみません。
十分に気をつけて取り扱うこと。
なめてたら痛い目見ますから。
スライムコントロール剤と次亜塩素酸ソーダ
スライムコントロールには
次亜塩素酸ソーダも使います。
管理人が製紙会社にいた頃も
少しは使っていたと思います。
今は、次亜塩素酸ソーダと混合して
スラコンを使うことも多いようですね。
そういう薬品システムが開発されて
いるということなんでしょう。
ただ、次亜塩素酸ソーダも
使い方を間違えてはいけない。
管理人の記憶ではステンレス配管、
SUS304だったと思いますが、
それ用のすラコンに有機系のものを
使っていたんですが、コストダウンで
SUS配管に次亜塩素酸ソーダを
使ったことが会ったそうです。
しばらくは良かったんですが、
ある時配管に穴が空いていたと。
次亜塩素酸ソーダは塩素が
入っているので鉄を腐食する。
SUS配管でも腐食するんですね。
そのことが分からずにコストダウンだと
いうことで有機系のものから変更した。
しかし、配管に穴が空いたら本末転倒。
多分、こういうい事って色々経緯があって
薬品の使用方法は決まってるんですよね。
だから、安易に変更すると事故が起こる。
このときは工場の偉い人が
やってみろと言ってやったらしい。
担当者に経験があって
問題が起こると分かっていれば
いくら偉い人が言ったとしても
そんな無茶はしなかったでしょう。
しかし、知識や経験があまりなければ
言われたとおりにやりますよね~
結局これは、薬品費のコストダウンで
設備費がかさんだという事例。
薬品には使っていい場所と
駄目な場所がある。
取り扱い方法としては
そういうことも知るべきでしょう。
スライムコントロール剤を添加する理由
今更なんですが。
スラコンを転科する理由です。
管理人の経験では一番は欠陥防止。
スライムが発生してそれが
紙に巻き込まれると欠陥になる。
白い紙に黒い斑点ができたり
ピンクの斑点ができたりする。
こんなのが混入したら
製品にならないわけです。
だから、スライムが発生しないように
スラコンを添加しておく。
まあこれも、完璧というのはなくて
ある程度抑えてくれる感じですかね。
それから、欠陥が大きくなると
今度は紙が切れてしまう。
断紙、です。
多分、製紙会社の操業員が
一番キライな言葉でしょう。
抄紙マシンは、普通に紙が
製造されていると操業員は楽。
実際に人間は不要なんです。
自分の勤務時間が8時間だったら
その間遊んでいてもいい。
機械が仕事をしてくれますから。
しかし、一度断紙すると大変。
マシンを掃除して紙を
つながないといけない。
今は機械が良くなっているので
昔ほど苦労はしないでしょうけど
それでも断紙すればまともに
つなぐのが大変だし、
つながったあとの残骸を
掃除するのもまた大変。
生産量も落ちるわけですから
喜ぶ人は誰ひとりいない。
部外者は面白がって
見ていてもいいでしょうけど。
だから、この断紙原因をひとつでも
潰すというのが重要な仕事でもあります。
スラコンのおかげで断紙が減ったという
記憶はありませんが効果はあるんでしょう。
製紙産業は装置産業なので
工程の安定が何より大事。
スラコンはその一端を担っている
薬品ということでもあるんですね。
管理人のまとめ
今回は、スライムコントロール剤の
取り扱いについてのお話でした。
スライム子コントロール剤は危険薬品。
取り扱いには注意が必要です。
皮膚につくと大変ですから、
保護メガネ、保護手袋、保護マスク。
こういう装備は必要ですね。
特に眼に入ったら失明の
恐れもあるそうです。
昔は、バクテリアとか細菌の
細胞膜を破壊するとか聞きました。
こんな薬品ですから、注意しても
しすぎることはないでしょう。
皮膚についたらスグ流水で洗う。
甘く見てはいけないということですね。
それから。
スラコン、製紙会社では
色んな所に使われています。
管理人が経験あるのは抄紙工程。
欠陥の原因になるスライムを
発生させないし、抑制する。
そういう重要な薬品だと思います。、
見えないものへの対応なので
気休めかと思うこともありましたが。
この記事が、スライムコントロール剤の
取り扱いの参考になればと思います。
スラコン危険ですから、
本当に注意して下さいね!