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製紙工場の悪臭の原因は?主に化学パルプ由来の硫化物です!

製紙会社 悪臭 原因

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、製紙工場の悪臭の原因は主に
化学パルプ由来の硫化物というお話。

管理人は元製紙会社社員でした。

だからこの製紙会社の悪臭には
ちょっと思うところがあります。

実際にそこに住んで生活してましたから。

残念ながら環境保全をやったことはないので
どんな対策をしているかはよく知りません。

せいぜい新入社員の研修レベルですね。

とはいうものの。

その原因と対策、そして実際に
生活してみた感想はお話したい。

ということで。

この記事では製紙工場の
悪臭の原因について

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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製紙工場の悪臭の原因は硫化物。クラフトパルプ製造時に発生します

結論から言うと、製紙工場の悪臭はクラフト
パルプ製造時に発生する硫化物です。

クラフトパルプというのはドイツ語で
「強いパルプ」の意味になるそうです。

身近なものだとノート用紙や
白いコピー用紙ですかね。

紙袋もそうですね~

問題はこの白いパルプを
作るときに使う薬品になります。

木材からリグニンを取り除く
段階で使われる薬品です。

実は木材自体のニオイではありません。

では工程を簡単にお話してみます。

まず木材を細かくしてチップにします。

そのチップをアルカリで煮るんです。

蒸解、と言いますけど、アルカリ水で
煮て不純物のリグニンを取り除くんです。

このときに使う薬品。

もう最初の段階ですけど、
ここで使われるのが問題。

使われる薬品は主に2つ。

一つは苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)
もう一つは硫化ナトリウム。

それぞれ化学式は以下の通り。

苛性ソーダ:NaOH
硫化ナトリウム:Na2S

ここで「S」が出てきますが
これが硫黄になります。

温泉で臭うやつです。

パルプ工場の悪臭の主な原因は
この硫黄成分によるもの。

温泉のあのニオイがとても
濃くなったという感じですかね。

それで。

なぜここで硫化ナトリウムを使うかと言うと
これがあるとリグニンを取り除きやすいから。

これ以外にも助剤は入るんでしょうが
それらの量は少ないと思います。

この続きなんですが、木材を煮て
パルプとリグニンの水溶液に分けます。

パルプはそのまま使われるものと
漂白されるものがあります。

一方のリグニン水溶液は不純物。

なので濃縮してからボイラーで燃やす。

この濃縮のときが問題だそうです。

リグニン水溶液が燃えるようにするには
濃度75%程度まで濃縮するそうです。

このときに硫化物が発生する。

硫化水素が発生すればそれは
気体ですから外に逃げる。

だからこれが逃げないように
出さないように密閉するとか

それは工場としては相当の
努力をしているということです。

昔はこういうことをやらずに
そのままだったので強烈でした。

今はその対策はずいぶん
されているということですね。

さて。

ここで発生した熱は工場で使われます。

有機物のリグニンは燃えて
炭酸ガスなどになります。

または無機物のナトリウムと
反応して灰になります。

その後、この残り(スメルト)と
言いますがこれを処理して

炭酸ナトリウム(Na2CO3)の
水溶液にします。

そこに生石灰(CaO)を加えて
苛性ソーダを作る。

その苛性ソーダをまた使う。

クラフトパルプの工程はこんな感じで
薬品は回収して何度も使うし

不純物のリグニンはボイラーで
燃やしてエネルギにする。

非常によく考えられている工程で
無駄が少ない方法なんですよね。

しかし。

その工程で硫化ナトリウムという硫黄
成分の薬品を使うため悪臭が発生する。

製紙工場の悪臭の主な原因は
こういうことになります。

製紙工場の悪臭の対策

それでこの対策なんですが。

先程もお話したとおり、原因となる
硫化物を密閉することになります。

外に出さないようにする。

硫化水素なんかだったら酸性なので
アルカリで中和するとかですね。

結構お金をかけて地道に設備の
改善をやってるんですね。

なお、あの製紙会社の我慢ができない
悪臭はクラフトパルプ特有のもの。

他の機械パルプや古紙パルプだと
あそこまでひどいニオイはしません。

使っている薬品が違いますから。

また、パルプを生産していない
工場ではそんなに悪臭はしません。

あくまでもクラフトパルプも生産する
工場における問題点ということです。

製紙会社の悪臭の中での生活

ここからは余談です。

管理人は元製紙会社社員で
工場勤務もしたことがあります。

トータルで11年ほどですかね。

出張や帰省から電車で工場に戻ってくると
最寄り駅までくればすでに悪臭でした。

管理人が子供の頃に比べれば
ずいぶんマシになってたんですが

それでもやっぱり悪臭はしていて
「また戻ってきてしまった」と思いましたね。

しばらくすれば慣れるんですけど。

製紙工場の大気汚染はずいぶんと
マシになったと言いました。

しかし、年に1回工場が全部止まって
点検することがあったんですが

そのときの夜空はものすごく
星がよく見えてました。

つまり、いくら努力していると言っても
やっぱり大気汚染はあるということ。

ただ、人体に影響が分からない程度
だから健康被害が出ていないだけ。

管理人がこの夜空をはじめて
見たときは衝撃的でした。

工場が動いているときは
大阪のような大都市並に

空気が汚れているのに止まると
田舎の夜空になるじゃないかと。

製紙工場で働くというのは
こういうことだと思いましたね~

それから。

人間の適応能力がすごいなと思ったのは。

クラフトパルプ工場の操業員が事務所で
弁当を食べているのを見たときですかね。

その事務所はパルプ工場の中に
あるのでものすごい悪臭なんです。

管理人には耐えられませんでした。

しかし、その中で平然と
弁当を食べる人がいる。

人間の慣れはすごいというのと
これでいいのかというのを思いました。

あれからもう30年以上経過して、
今とはかなり違うでしょうけど。

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管理人のまとめ

今回は、製紙工場の悪臭の
原因についてのお話でした。

結論としては、クラフトパルプ製造時に
発生する硫化物、特に硫化水素が原因。

この悪臭は公害ですから各社とも
悪臭を出さない努力はやってます。

しかしそれでも簡単ではない。

製紙工場に限りませんが化学工場が
ある限りある程度の大気汚染はある。

そういうものかなと思いますね。

昔に比べれば格段に悪臭は減りましたが。

それと人間の慣れについてもお話しました。

管理人には無理でしたけど硫黄の悪臭の
中で弁当を食べる事ができる人がいます。

今はそこまでではないでしょうけど
当時でも大丈夫かと思ったものです。

それに長く住むと空が汚れていても
気にならなくなります。

特に工場が止まった日の
夜空の星は衝撃的でした。

これはいまだに工場ってなに?
と考えさせられる経験でしたね。

ちょっと壮大な話ですが。

この記事が、製紙工場の悪臭の
原因の参考になればと思います。

工場の存在意義、たまに考えてみて下さいね!

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