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紙でリグニンが取り除かれる理由?退色や劣化を防ぐためです

紙 リグニン

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、紙でリグニンが取り除かれる理由は
退色や劣化を防ぐためです、というお話。

管理人、実は製紙会社に入るまで
リグニンというのを知りませんでした。

多分、木材関係の化学をやってなければ
気にすることはない物質だと思います。

しかし、製紙となるとリグニンは
とても重要な化学物質。

白くてきれいな紙を作るためには
出来るだけ除去したいと言う意味で。

ではなぜリグニンは紙から
取り除かれるのか?

ということで。

この記事では、紙でリグニンが
取り除かれる理由について

管理人の調べたことを
お伝えしようと思います。

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紙でリグニンが取り除かれるのは劣化防止のため

結論から言うと紙からリグニンが
取り除かれるのは劣化防止のため。

リグニンが含まれていると光で
黄変化しやすいんですよね。

それに大抵は茶色いので
白い紙にはじゃまになる。

大雑把にはそういうことです。

だいたい、リグニンってなに?

というのが分からないと除去する
理由もよく分かりませんよね。

ということで、リグニンの説明を。

ウィキによると

==ここから==

リグニン(英: lignin)とは、高等植物の木化に関与する高分子のフェノール性化合物であり、木質素とも呼ばれる。「木材」を意味するラテン語 lignum から命名された。

==ここまで==

管理人のイメージとしては木材中の
セルロースをくっつける接着剤ですね。

セルロースは繊維としては強いですが
固めるための物が必要になる。

それがリグニン、と言う感じです。

木材の主成分のセルロースは無色。

紙のシートのように空気が入ると白色。

しかし木材が茶色なのは
リグニンの色ということです。

それでこのリグニンの化学構造なんですが。

ものすごく複雑で明確にはなってないとか。

ウィキには一応化学構造式が載ってますが
正直管理人にはサッパリ分かりません。

ベンゼン環がたくさんあるなと。

フェノール性化合物なので
そう言うことなんでしょうね。

ただ、このフェノール性というのが問題で
ベンゼン環がたくさんあるやつは色がつく。

木材の場合は光で劣化して
黄色くなる事が多いです。

ちなみに。

フェノール性の化合物は色んな条件で
呈色反応というのを示します。

有名なのはフェノールフタレイン反応とか。

学生の頃、理科の実験でやった記憶が。

念の為ウィキを調べるとこんな感じ。

==ここから==

フェノールフタレイン (phenolphthalein) は化学式 C20H14O4 の有機化合物である。分析化学において 酸塩基指示薬として用いられる。色の変化は、構造が変わることで起こり、pH < 8.3 の酸性側で無色、pH > 10.0 の塩基性側で赤紫色を示す。なお、pH > 13.4では、さらに構造が変化し、無色となる。

==ここまで==

化学構造の変化で色が変わるので
中和滴定なんかに使われるわけ。

同じようにリグニンの場合も光などの
化学反応で構造が代わり黄色くなる。

白い紙の場合これが困るわけです。

リグニンは木材の構造を保つには
とても重要な働きをしますが

紙に加工するとなるとはっきり言って
じゃまになるということなんですね。

なので、白い紙を製造する場合は
木材からリグニンを除去する。

それから更に漂白する。

そういう工程になっています。

紙でリグニンを取り除かないものもある

ところで。

このリグニンを取り除くのは
クラフトパルプと言う種類。

化学パルプともいいますが
木材チップをアルカリで煮て

リグニン分を除去することで
セルロースだけを取り出します。

完全に100%セルロースというわけでは
ありませんがだいたいセルロースになる。

それでもまだ茶色いのでさらに
酸素や二酸化塩素で漂白する。

そう言う感じになってます。

ではパルプは全部化学パルプか
というとそう言う訳ではありません。

木材をすりつぶすだけとの
機械パルプというのもあります。

これは本当に木材をすりつぶすだけ。

チップをレファイナーという機械で
すりつぶすと言うパターンと

短く切った丸太をグラインダーで
すりつぶすというパターンがメイン。

そうやって生産したパルプをそのまま
使う場合もあれば漂白する場合もある。

ただ、この場合の漂白は主に過酸化水素
による還元漂白になるんですけどね。

それで、機械パルプの場合はリグニンを
取り除かないので光が当たると劣化します。

紙の場合光が当たるとだいたい
劣化するのは仕方ないんですが

リグニンが入っている場合は
極端に速く劣化します。

最初は白いと思ったのに
しばらくすると黄色くなる。

最初にそれを聞いた時、

たぬきの小判か!

と思ったものです。

ではなぜ機械パルプが使われるのか?

一番の理由は収率が高く
コストが安いからです。

品質的には紙厚が出やすくて
不透明度が上がりやすい。

そういうメリットがあります。

劣化が速いし基本的に白くないので
一番使われるのは新聞紙ですね。

新聞紙は次の日黄色くても
文句を言う人はいないので。

それ以外だと週間誌とか漫画の本。

これも週刊誌などは何年も
持っている人は少ないので。

単行本コミックにも使われてましたね。

最近は減ってるかも知れませんが。

逆に使われないのは包装用紙。

これは強度が必要ですので。

それから上質紙やコピー用紙。

古紙は仕方なく使うことがありますが
機械パルプを入れることはほぼないです。

というか、上質紙なんて本来は
晒クラフトパルプ100%のはずですし。

コピー用紙も配合を下手に変えると
搬送性が悪くなるかも知れない。

それにコピー用紙なんて長期保存の
可能性もあるので機械パルプは無理。

こういう紙はリスクになるので
機械パルプは使いません。

管理人的にはやっぱりリグニンのない
白い紙がいいと思うんですよね~

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管理人のまとめ

今回のお話は、紙でリグニンが
取り除かれる理由、でした。

結論は、リグニンが紙を劣化させるから。

リグニンがあると紙が光で
劣化して黄変化してしまう。

なので、出来るだけリグニンを
取り除くということでした。

特に上質紙やコピー用紙のような
長期保存される紙はリグニンが

入っていないクラフトパルプを
主原料として製造します。

逆に新聞紙のように長期保存を
考えないものはリグニンが

入っていてもいいので
機械パルプを使います。

機械パルプは収率が高いから
コストは安くなりますからね~

それから。

管理人が製紙会社にいた頃は他社が
リグニンのない原料を研究してました。

バイオ技術を使ってセルロースだけ
製造できるようにするとか言ってました。

そういうのが実現すればすごいんですが
実際にコスト的に木材に勝てるかは疑問。

でももしもそんなのが安く出来たら
臭いパルプ工場もなくなるんでしょうね~

先のことは分かりませんが。

この記事が、紙からリグニンを取り除く
理由の参考になればと思います。

白い紙、大切にして下さいね!

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