消泡剤が製紙で使われる理由。液体を取り扱う工程があるから

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消泡剤 製紙

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、消泡剤が製紙で使われる理由。
液体を取り扱う工程があるからというお話。

管理人は元製紙会社社員。

工場で働いたこともあります。

一応は技術者なので開発部とか
技術部とかがメインでしたけど。

それで。

製紙会社の生産工程では
結構消泡剤を使います。

ではどんな工程で使われるのか?

ということで。

この記事では、消泡剤が製紙で使われる理由。
液体を取り扱う工程があるからについて

管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。

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消泡剤が製紙で使われる工程は?

では消泡剤が製紙で使われる工程を
管理人の経験からいくつか紹介します。

管理人は最初は開発部で
塗料の開発をやりました。

そのときに消泡剤を入れてましたね。

塗料は粘性のある液体ですから
泡が出たらなかなか消えない。

なので泡が出にくいように出ても
すぐ消えるようにと使ってました。

消泡剤も色んな種類があるようですが
そのときはシリコーン系だったかなと。

水系に使うのでエマルジョンでしょうが
いかにもヌルヌルした感じでしたね~

シリコーンは表面張力が弱いので
泡ができにくく出来ても消えやすい。

開発部のやるラボテストレベルなら
泡なんて気にもなりませんけど

実機で大量生産するとなると
大量に泡が出るととても厄介。

コート紙の塗料の場合、最悪紙表面に
泡の影響が出てしまうこともある。

管理人はそんなトラブルを経験したことは
ないんですけど塗料には必ず入れてましたね。

塗料に近いところだとサイズプレス。

だいたいはデンプンですけど
PVAやPAMを使うこともある。

管理人の記憶ではPVAを使うとき
消泡剤を入れていたかなと思います。

PVAも種類が色々ありますけど
発泡しやすかったんですよね。

いつだったかのテストで片面に
PVAを塗るのがあったんですが

発泡が止まらないのでテスト中
消泡剤を柄杓で入れた記憶が。

ロールで塗るならそうでもないんですが
ブレード塗工だと泡が出ると全くダメ。

微量な補助薬品も安易に抜いたら
大変なことになる経験でしたね~

塗料に入れる消泡剤では入れすぎて
製品にならなかったというのもある。

泡を消す消泡剤ですが入れ過ぎると
紙面にハジキの欠陥が発生することも。

泡が出るからと消泡剤を入れて
ハジキが出たのでは意味がない。

こういう薬品の添加量とか添加方法は
色んな失敗の上に成り立っている。

そういうことを思い知りましたね~

その他の製紙工程としては
パルプの製造工程でも使う。

ここも液体を撹拌・流送しますから。

クラフトパルプだとリグニンが
界面活性剤になって泡が出る。

古紙パルプだと脱墨工程で洗剤を入れて
発泡させて汚れを落とすので泡が出る。

本当は機械的に発泡を抑えたいんですが
無理なら消泡剤に頼る感じでしょうか。

正直言って製紙の生産工程は
紙になるまで基本的に液体。

なのでどの工程でも消泡剤は
必要に応じて使う感じですね。

製造工程で発泡が起こす問題

ここからは余談です。

製紙工程では泡はつきものなんですが。

どんな問題を起こすのか?

管理人が調べたところでは
キャビテーションがあります。

キャビテーションとは
ウィキペディアによると

==ここから==

キャビテーション(英: cavitation)は、液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象である。空洞現象ともいわれる。この現象は19世紀末に、高速船用のプロペラが、予想された性能を発揮しなかったことから発見された。

==ここまで==

ということだそうです。

泡が出来る現象になるんですが
なにが問題かというと

==ここから==

液体の流れの中で圧力がごく短時間だけ(水では大気圧の1/50程度の)飽和蒸気圧より低くなったとき、液体中に存在する100マイクロメートル以下のごく微小な「気泡核」を核として液体が沸騰したり溶存気体の遊離によって小さな気泡が多数生じる。気泡核がなければ気泡も簡単には発生しない。

圧力が変化すると沸騰などによって生じた気体の体積も変化し泡の大きさが変わる。膨張と収縮を繰り返しながら圧力の上昇に応じてしだいに小さくなってゆく。小さくなる過程で、プロペラのような硬い表面近くの泡は粘性と表面張力も作用して、その表面に張り付きながら泡の遠い側がくぼみ、ジェットの勢いで表面に衝突して泡は分裂する。このジェット流で硬い表面にエロージョン(壊食)が発生する。

==ここまで==

ということで、

「このジェット流で硬い表面にエロージョン(壊食)が発生する」

というところが問題。

泡が発生すると硬いプロペラが
解職で壊れてしまうということ。

結局泡が色んな設備を傷めてしまう。

紙の品質に悪影響というのもありますが
設備にまで悪影響となると大問題です。

これはこれで大変な問題なんですよね~

管理人のまとめ

今回は消泡剤が製紙で使われる理由。
液体を取り扱う工程があるから
というお話でした。

製紙工程は液体を扱うことが多い。

そのとき発泡はとても厄介。

なので消泡剤を使う。

管理人は塗料に使ってました。

入れてないと発泡しますが
入れ過ぎるとハジキが出る。

なかなか微妙な薬品でしたね~

泡、というのはうまく利用できれば
とても便利なものなんでしょうけど

管理人の経験では相当な厄介者で
発泡させないのが重要なことでした。

消泡剤は突き詰めると悩ましくて
結局どこで妥協するかと言う問題。

管理人にはよく分からないものでした。

この記事が、消泡剤が製紙で使われる
理由の参考になればと思います。

消泡剤、うまく使ってくださいね!

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紙の製造
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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