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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、トイレットペーパーの買い占めには
意味がない、紙不足はデマというお話。
オイルショックのときがそうでしたが
パニックになると不思議なことが起こる。
トイレットペーパーがないとか。
管理人的には何じゃそれ?
なんですが、色々デマが飛び交うようです。
管理人は元製紙会社社員。
なので、紙の生産のことは分かります。
なので。
正直、なぜウイルスがトイレット
ペーパーにつながるのか分からない。
冷静に理屈で考えれば
不足することないんですけど。
でもパニックの時ってそういうもの。
過去にもオイルショックで同じことが
ありましたけど学ばないんですよね。
終戦直後の物資不足の時代じゃあるまいし
東日本大震災があっても供給不足なんて
ほとんど起こらなかったし
復旧もそれなりに出来たのに。
だからトイレットペーパーの買い占め
なんて意味ないと思うんですけどね。
それでもパニックになって買い占める
というのが世の常なんでしょう。
ではなぜ管理人がトイレットペーパーの
買い占めは意味がないというのか?
そのあたりをお話したいと思います。
ということで。
この記事では、トイレットペーパーの
買い占めに意味がないことについて
管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。
トイレットペーパーの買い占めに意味がない理由
管理人がトイレットペーパーの買い占めに意味がないと考えている理由なんですが、それにはいくつかの明確な根拠があります。
単なる感覚や印象ではなく、業界の構造や供給体制、流通の仕組み、さらには原材料の入手方法までを踏まえた上で、買い占めに走ることに本質的な意味がないと感じているのです。
では、具体的にその理由を順に挙げていきましょう。
まず第一に、製紙業界全体が安定供給を最重要視する体質を持っているという点。
次に、製紙業界は装置産業であり、ひとたび設備投資が行われれば、自然と供給が過剰になる傾向にあること。
さらに、トイレットペーパーの原料となるパルプは、長期契約を前提とした安定調達が可能であること。
そして、何よりトイレットペーパーはほとんどが国内で生産されており、海外からの輸入停止とは基本的に無縁であるということです。
思いつく限りでは、こういった理由が買い占めの無意味さを物語っています。
では、これらのポイントを一つ一つもう少し詳しく見ていきましょう。
業界は安定供給を重要視している
そもそも製紙業界というのは、何よりも「紙を絶やさないこと」に対する強い責任感を持った業界です。
特に、新聞紙やチラシ、コピー用紙など社会インフラの一部ともいえるような紙に関しては、日常の需要が途切れない限り、供給も止めることは許されません。
新聞を例に挙げれば、紙がなければ新聞そのものが発行できず、情報の伝達が止まってしまいます。これはメディアとしても業界としても大問題です。
こうした背景から、製紙業界全体に「安定供給こそ最優先」という文化が深く根づいているのです。
実際、発注が入ったら可能な限り応じるという姿勢は、業界全体に広がっています。
機会損失を恐れるあまり、発注に応えられないという状況を極力避けたいとする傾向があります。
また、製紙業界は構造不況業種として知られており、売れるときにはしっかり売っておかないと収益が安定しません。
そのため、仮に一時的に供給が追いつかない場面があったとしても、素早く増産体制に入り、需給バランスを早急に整えます。
たとえば、2011年の東日本大震災のような大規模災害が発生した際でさえ、紙が全国的に不足したという話はあまり聞かれませんでした。
一部で印刷用紙の納期に遅れが出たりしたケースもありましたが、日常生活において紙が手に入らなくなるような深刻な事態にはなりませんでした。
東日本で足りなければ西日本からの融通も可能であり、日本全国という広い視野で見れば、紙の供給体制は非常に柔軟です。
結果的に、トイレットペーパーのような生活必需品が全国で一斉に不足するという事態は、極めて起こりにくいと言えるのです。
装置産業は設備投資をすれば供給過多になる
次に、製紙業界が典型的な装置産業であるという点についても触れておきましょう。
装置産業とは、工場設備に多額の投資を行い、大量生産を前提としたビジネスモデルを採る業種のことです。
製紙業界においても、新しい紙の需要が見込まれれば、それに応じた設備投資が行われ、大量生産体制が整えられます。
しかし、どれだけ需要が高まるといっても、市場全体で吸収できる量には限界があります。
それに対して、装置産業では一度設備を導入してしまうと、その能力を最大限に活かすべくフル生産しがちです。
なぜなら、生産設備には高額な固定費がかかるため、生産量が多ければ多いほど、1トンあたりのコストを下げることができるからです。
例えば、日産50トンのマシンと日産500トンのマシンとで必要な人員数が同程度であることもあり、効率面から見ても大型設備の方が有利なのです。
つまり、新しい設備を導入する際は、将来の最大需要を見越して余裕のあるキャパシティで投資するのが通例です。
結果として、実際の需要に対して供給能力は常に上回っている状態になりやすいのです。
このような構造は製紙業界に限らず、鉄鋼や石油化学など多くの装置産業に共通して見られる特徴です。
かつては通産省(現・経済産業省)が過剰投資を防ぐために業界内の設備導入を調整していたほどです。
現在は企業数が減り、大手同士の競争も落ち着いているため、過剰な生産による混乱は起きにくくなっていますが、それでも供給余力は十分です。
品薄になったとしても、流通が少し絞っているだけのこともあります。実際には生産量自体は減っていないため、在庫があふれれば自然と市場に出回ることになります。
仮に一時的に「品薄」という状況があったとしても、それは構造的に長期化するものではなく、すぐに解消される性質のものなのです。
原料は長期計画に基づいて入手している
紙の原料に関する事情も知っておいて損はありません。
大手製紙会社が使用する原料の多くは「木材チップ」と呼ばれるものですが、これは安定供給を前提に長期契約で調達されています。
多くは海外からの輸入となっていますが、その多くは自社グループが管理する植林地で計画的に伐採され、持続可能な形で確保されています。
何年単位の長期的視点で契約されており、天候不順や政治的リスクにもある程度耐えられるような仕組みができているのです。
また、トイレットペーパーの主原料である古紙や再生パルプも国内で調達可能なため、すべてを海外に頼っているわけではありません。
つまり、原料が突然枯渇して生産が止まるという事態は、非常に起こりにくいのです。
ちなみに、オイルショックのときに「トイレットペーパーがなくなる」というデマが広がりましたが、これは完全な誤解であり、石油と紙の原料には直接の関係がありません。
当時は情報が錯綜していたため、冷静な判断ができずに人々が不安に駆られて買い占めに走ったわけですが、こうした過去の事例から学ぶことも大切です。
トイレットペーパーは国産がほとんど
そして最後に重要な点として、トイレットペーパーのほとんどが国内生産であるという事実があります。
日本で流通しているトイレットペーパーのうち、輸入品の占める割合は非常に小さく、ほぼすべてが国内の工場で製造されたものです。
なぜかというと、トイレットペーパーは軽くてかさばるため、輸送コストが非常に高くつくからです。
輸入するにはコストが合わないうえに、そもそも国内で需要をまかなえるだけの生産能力があります。
加えて、日本のトイレは水洗が当たり前なので、水に溶けやすい紙が求められますが、これは海外製品では必ずしも基準を満たしていない場合があります。
海外では水洗トイレでない家庭も少なくないため、水に溶けない紙でも問題にならないことが多く、日本の基準に合う製品は限られているのです。
そのため、輸入品は品質面でも日本のトイレに適さないことが多く、結局のところ日本市場にはほとんど出回っていません。
よって、たとえ海外の輸入が何らかの事情で止まったとしても、日本国内で生産が行われている以上、供給に大きな影響は出ないのです。
ということで、ここまでいろいろとご説明してきましたが、結論としては「トイレットペーパーが市場から消える」というのは、構造的に起こりえない事態だということになります。
ただし、問題なのは「デマ」や「不安心理」によって、本来必要以上に商品を購入してしまう人が出てくると、一時的な品薄は起き得るという点です。
これは需要そのものではなく、パニックによる買い占め行動が原因ですので、冷静に対応することが大切です。
お店側もそのような状況になれば、すぐに購入数の制限などの措置を取るはずですし、メーカーも増産体制を整えることで、すぐに状況は落ち着くでしょう。
管理人のまとめ
今回はトイレットペーパーの買い占め
には意味がないというお話でした。
その理由はトイレットペーパーは
基本的に生産に余裕があるから。
それに業界は安定供給を重視します。
なので、普通にして
いれば普通に買えます。
ただ、パニックになってみんなが
買えば品不足になってしまいます。
一時的ではありますが。
昔、オイルショックのときにも
同じことが起こってました。
これはパニックになって普段以上に
買っている人が多いいからですね。
とはいえ、そんなときには一人1パックとか
お店が制限かけてるみたいですけどね。
正直言って、こういうデマで喜ぶのは
転売している人とかでしょうか。
メーカーも売上が増えて喜びますかね。
管理人的には普段必要な分とせいぜい
2ヶ月分の備蓄があれば十分と思いますが。
大体の使用量の計算はこちらを参考に。
トイレットペーパーの保存期間はどのくらい?備蓄方法も含む
→https://kamiconsal.jp/toiletpaperhozonkikan/
この記事が、トイレットペーパーの
買い占めの参考になればと思います。
とにかくパニックを起こさないで下さいね!
(参考)
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