製紙工場の水使用量はどれくらい?紙1トンで水100トン!

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製紙工場 水使用量

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、製紙工場の水使用量はどれくらい?
紙1トンで水100トン!というお話。

管理人は元製紙会社社員。

紙と水のお話は嫌というほど聞きました。

実際に「水不足」が深刻な時もありましたね~

なにしろ、紙はパルプを分散させた
パルプ分散液を脱水していく作業。

抄紙工程ではだいたい0.5%-1%くらいの
パルプ分散液を最終的に紙にする。

紙にも若干の水分はありますが使用する
水の99%くらいを脱水するわけです。

タイトルにも書きましたが紙1トンで
水100トンというのはそういうこと。

製紙工場によってはパルプから
生産するのでもっと水を使います。

細かいところではマシンの洗浄とか
塗料の調薬とか色々ありますね。

いずれにしても。

紙を製造するには大量の水が必要。

それは工場の規模とかは関係なない。

大型マシンで製造しようが
ラボテストで手漉きをしようが

紙を作るという意味ではそれくらいの
割合で水が必要になるということです。

日産50トンのマシンなら5千トンの水。

日産500トンのマシンなら5万トンの水。

日産1000トンのマシンなら10万トンの水。

年間200万トンの工場なら2億トンの水。

もう、2億トンなんていう数字を
聞いてもさっぱり分かりません。

なにか比較はないかなと思ったら
1999年の日本の原油消費量が

2億1千百万トンなんだそうで
なんか凄まじい数量ですね。

まあ、凄まじいりょうだということ
しか分からなかったんですけど。

とにかく製紙業にはものすごい
量の水が必要なんですよね~

ではこの水はなんでもいいのか?

イヤイヤそうは行かないんですよね~

ということで。

この記事では、製紙工場の
水使用量やその事情について

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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製紙工場の水使用量は膨大。しかもキレイな水じゃないとダメ!

先ほどお話したように製紙工場の
使用する水の量は膨大です。

小さな工場でも結構使いますけど
大きな工場ならなおさらですよね。

それで。

この水なんですが何でもいいわけじゃない。

分かるとは思いますけど。

具体的にどういうところに
問題が発生するかというと。

管理人の経験ではまずは紙の品質。

特に上質紙ですね。

管理人が居た会社では川から
取水した水を清水と読んでいました。

読んで字のごとくキレイな水。

それで、紙の品質を考えれば
この水を使いたいわけですよ。

しかし渇水になるとそうは行かない。

再生水、と呼ばれる水を使うんですね。

再生水も読んで字のごとく
再生された水ということ。

一度どこかの工程で使われて
濾過されて出てきた水なんです。

ただですね、濾過、といっても
半導体工場じゃないです。

そんなコストの掛かることはやってません。

フィルターといってもサンドフィルターで
石や砂を詰めたところを通す感じ。

ゴミなんかは取れるでしょうけど
微細なものは抜けてきます。

極端な話、泥水だったらやっぱり汚い。

ちょっとはキレイになりますけど
清水に比べれば汚いわけです。

しかし、水なしに紙は作れません。

だから清水と再生水を混ぜて使う。

当然紙の品質は落ちます。

それで一番影響を受けるのは色調。

管理人の経験では、ですけどね。

結局、水が汚れていたら
紙の色も落ちてしまうんです。

なので、白い上質紙が一番影響を受ける。

更紙とか中質紙のようにパルプ配合で
色調調整をしているのはまだいいんです。

しかし、真っ白なパルプだけを使っている
上質紙の場合は調整のしようがない。

白いものを黒くするのは簡単ですが
黒くなったものを白くするのは難しい。

漂白と言ってももう一番漂白している
パルプを使っているのが上質紙ですから。

なので。

渇水期にはなるべく上質紙の生産を避けて
できれば他の紙を生産したりしてましたね。

こういう水の異常はしばしばあって
たとえば雨上がりなんかもそうです。

雨上がりは水が濁るので
清水の色調が落ちることがある。

そうするとやっぱり上質紙の色が悪くなる。

白色度には何%以上という基準値が
ありますからそれがギリギリだっりする。

さすがに、基準を下回ることは
なかったと思いますけどね。

それに中質系の少し白色度が
低い紙にも当然影響は出る。

白さを出すために晒クラフトパルプを
使っているなら多めに使うとかですね。

紙としての品質は維持できたとしても
コスト的に高くなってしまうとか。

最終製品の品質維持のために
不要なコストを掛けることになる。

かと言って、じゃあもっと水を濾過しますか
というとそんなことしたら大変なことになる。

なにしろ使用する水の量が半端ないので
キレイな水にする費用が膨大になる。

サンドフィルターを通すのでさえ
かなりの費用でしたからね~

なので、水の問題は結構重要。

最終的にほとんどの水は脱水されて
それは浄化後排水されるわけですが

紙の品質に与える影響は
かなり大きいわけです。

製紙工場にとっては水量も水質も
重要だということなんですよね~

管理人のまとめ

今回は製紙工場の水使用量は
どれくらいか、というお話でした。

一般的に言われるのは
紙1トンに水100トン。

その工場が年間200万トンの紙生産なら
水の使用量は2億トンになるということ。

凄まじい量です。

しかも、この水、キレイな水が必要。

まさか海水ってわけにも行かないし
泥水というわけにも行かない。

汚れた水を使えば紙の白色度を
落としてしまうので品質は悪化する。

渇水になれば再生水というのを
使いますがそれも大変なんです。

いくら再生してもそこそこキレイに
なるだけで清水になるわけじゃない。

なので、紙を生産するには良質な
水が豊富に必要ということなんですね~

この記事が、製紙工場の水の
使用量の参考になればと思います。

紙と水、切っても切れない関係なんですね!

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紙の製造
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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