コピー用紙の使用期限はどれくらい?中性ならば100年以上

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コピー用紙 使用期限

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、コピー用紙の使用期限について。

コピー用紙ってだいたい一冊
500枚くらい入っていますよね?

会社なら結構なスピードで消費しますけど
個人で購入した場合はそんなに使わない。

それで思うわけですよ。

このコピー用紙って何年持つんだろう?

そんな人も多いんじゃないでしょうか。

買ったはいいけど退色するなら
もったいないなとか。

それで調べてみるとメーカーは中性紙の
コピー用紙なら100年以上持つと言っている。

実質的に半永久的に大丈夫ということ。

紙ってそんなに持つんですか?

本当ですか?

そういう疑問を持つ人も多いハズ。

日光に当たれば黄ばむものと
思ってる人が多いですからね。

しかしこれは本当のこと。

管理人は元製紙会社社員ですから
これが本当かウソかは分かります。

紙が劣化しないように色々研究して
設計、製造しているのですから。

管理人も少しは関わってましたし。

ではなぜ中性のコピー用紙は
劣化しないのか?

ということで。

この記事では、コピー用紙の
使用期限について

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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コピー用紙の使用期限が半永久的な理由

先程、コピー用紙の使用期限が
半永久的とお話しました。

これはコピー用紙だからというよりも
上質系の中性紙というのが重要です。

まず紙には酸性紙と中性紙が
あるところからお話させていただきます。

酸性紙というのは最近は減りましたが
もともと洋紙は酸性紙で始まりました。

紙の原料であるパルプはセルロース。

基本的に中性ですが、木材を化学処理して
パルプとして取り出す時にはアルカリ性です。

酸性抄紙の場合はこれに硫酸バンドという
定着剤、薬品を添加するんですね。

安価で性能の良い薬品なので
広く使われていたのですが

この硫酸バンドがセルロースを劣化させる
原因になっているということです。

その理由なんですが硫酸バンドは、
硫酸アルミニウムとも言います。

名前の通り硫酸の成分がありるんですね。

紙に添加された硫酸バンドは湿気があると
硫酸イオンとアルミニウムイオンになります。

硫酸は強酸で強力な酸化剤。

硫酸イオンがあるということはセルロースも
酸化されるということになるんですね。

酸化というのは大体の場合は劣化。

鉄が錆びるようなものです。

セルロースも酸化されると劣化して
黄色くなって最後はボロボロになります。

これがじわじわと進行するんですね。

だから酸性紙は長持ちしない。

化学パルプ100%の上質紙でも
20年程度で劣化してしまう。

ではその対策は?

ということで開発されたのが中性紙。

定着剤に硫酸バンドを使わない方法です。

この製造方法もいくつかあって、
全く硫酸バンドを使わない方法と

少量硫酸バンドを使用する
方法があります。

どちらも紙のPHは中性からアルカリ性に
なるように調整されています。

それで、硫酸バンドを使わなければ
硫酸イオンがありませんから

紙が酸化されてボロボロに
なることもありません。

また、硫酸バンドを少量使う方法では
炭酸カルシウムを添加している場合が多く、

その場合は炭酸カルシウムが
硫酸を中和してしまうので

硫酸イオンの影響はほとんどない
という状態になります。

なお、セルロース自体は木材の
主成分で非常に安定な物質。

木造建築に使われている木材は
何百年も持っているわけです。

だから硫酸イオンの影響さえ
取り除ければ紙は長持ちする。

ということで、中性紙のコピー用紙は
100年持つというわけですね。

コピー用紙を開封後の保管方法

ここからは元製紙会社社員として
本音をお話させて下さい。

コピー用紙は会社などでは開封したら
全部トレイに入れてしまうと思います。

通常は消費速度が速いですから
それで特に問題はないです。

それで個人の場合なんですが、
一旦開封しても使う分だけ取り出して

残りは包装紙に入れておくのが
多いんじゃないかと思います。

もちろんそれで特に問題はありません。

ただし、通常の部屋の環境なら包装紙に
入れていなくてもあまり問題にはなりません。

そういうように設計されている
という方がいいでしょう。

実はコピー用紙などのプリンタ用紙は
非常に厳しい環境試験をやります。

温度湿度を変更して、
紙がカールしないかを調べるんですね。

最近はコピー機もプリンタも良くなって
少々のことでは紙詰まりしませんが、

昔は雨降りで湿度が上がったりすると
よく紙詰まりを起こしていました。

それで温度湿度を変更できる部屋を用意して
高温多湿、低温多湿、高温低湿、低温低湿など

色んな環境に対応できるかどうかを
試験していたわけです。

これがプリンタメーカーから指定された
環境でOKにならないといけなかった。

カールが少なくなる条件を見つけるのも
環境試験をするのも大変でした。

いずれにしてもこういう試験をしているので
結構環境変化には対応できるんですね。

ただし、コピー用紙の包装紙も中の紙が
吸放湿しないようにラミネートされています。

コピー用紙は環境変化に耐えられるように
製造しているといっても紙は湿度に弱い。

それで包装紙も配慮されているというわけです。

いずれにしても。

開封後のコピー用紙は包装紙に
入れて保管すべきなんですが、

もしも包装紙に戻せなくても
ある程度は大丈夫。

そういうふうに出来ているということです。

管理人のまとめ

今回のお話は、コピー用紙の
使用期限についてでした。

結論は最近のコピー用紙は中性紙なので
実質的に半永久的に使えるということでした。

昔の紙は酸性紙だったので20年くらいしか
持たなかったのですが技術の進歩ですね。

また開封後、残りは包装紙に
入れて置くほうがいいのですが

通常の部屋の環境なら包装紙に
入っていなくても問題ないように

設計されていることも
お話させていただきました。

この記事がコピー用紙の使用期限の
参考になればと思います。

コピー用紙、大切に使って下さいね!

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