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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、不燃紙を使いたいが値段が高い
代わりになる方法があるか、というお話。
たとえば。
イベントなんかの会場で看板を作る。
そのときに施設の問題で紙は
燃えるから防災の点からNGになった。
そんなときにどうするか、ということ。
一応不燃紙というのはあるんですが
あまり一般的でないし値段が高い。
なにかいい方法はないか?
管理人もこんな方法はよく知らない。
なら、調べてみますか。
ということで。
この記事では、不燃紙を使いたいが
高いので代わりの方法について
管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。
不燃紙の代わりに防炎スプレーを使う
結論から言うと、不燃紙の代わりに
防炎スプレーを使う方法があります。
防炎スプレーはこんなやつ。
防炎スプレー「ハイショーカー」(防炎加工剤)500gスプレー(約2.5㎡用)
これはアマゾンで販売
されている防炎スプレー。
似たようなのがいくつかあります。
これを紙にスプレーすれば
火が燃え広がらないということ。
実際の映像もあります。
もちろん、無傷ではありませんが
防炎スプレーしてたら広がらない。
紙は焦げても火は消えます。
石膏ボードほどではないですが、
不燃紙の代わりにはなりそうです。
スプレーすると紙が固くなるとか
十分乾燥が必要とかありますが
高価な不燃紙を購入するよりは
さすがに安いということです。
大きな紙を使って看板を作り
その上からスプレーすればいい。
お手軽だし防災にもなるでしょう。
防災スプレーの仕組みについて
ここからは余談です。
防災スプレー、正しく使えば
紙は焦げるだけで燃えない。
あれだけ燃えやすいものが
燃えなくなるのですからすごいですね。
では、どういうわけで燃えないのか?
その成分は?ということなんですが。
この成分は製品によって色々あるようです。
ここで紹介したハイショーカーの
成分は製品安全シートに
[特定物質名]
防炎用セラミック・天然ミネラル液複合体・
含有量 5%以下(劇物に該当せず)
と記載されていました。
また、ph:11.7だそうです。
ph11.7とアルカリなのでセラミックとか
ミネラルとかはガラスの成分と推定。
液状のガラス的なものをスプレーして
乾燥させればもう燃えないという感じ。
ガラス的なものを膜にする技術は
液晶パネルの保護フィルムなんかでも
ガラスコーティングと言われて
使われている技術なので
この防炎スプレーも似たような
ものかも知れませんね。
ガラスやセラミックはもうそれ以上
酸化されることはありませんから。
ちなみに。
防炎スプレーは他にも色々あるようで
管理人が調べたところでは
ホウ素系難燃剤のソウファ
というのもあるようです。
ポリホウ酸ナトリウムが主成分で
中性の水溶液だそうです。
これも紙に染み込んで乾燥したら
ガラス膜を作るみたいですね。
不燃紙について
さらに余談を。
今回出てきた不燃紙なんですが
これも色々あるようですね。
全然燃えないという意味では
石膏ボードがあります。
これを紙状にしたものですね。
たとえば不燃紙(GP)。
説明はこんな感じ。
==ここから==
不燃紙(GP)はノンアスベストの
天然鉱物ケイ酸マグネシウムを
主成分とした無機質紙で、
紙のような質感でありながら、
火炎が貫通しない優れた
不燃性と耐熱保形性があります。
==ここまで==
これはセラミックスということでしょう。
もうちょっというと、ここで出てきた
アスベスト、公害で問題になりました。
アスベストは日本語では石綿ですね。
耐火性とか断熱性は抜群なんですが
吸い込むと肺がんになるとか。
健康被害があって今は規制されています。
他の不燃紙としては水酸化アルミニウムを
使ったセラフォームというのもあります。
成分としては、パルプ、ガラスファイバーで
主成分が水酸化アルミニウムだそうです。
これは燃えると水酸化アルミニウムが
吸熱するので燃え広がらないんだとか。
自己消火というそうです。
あとは、塩ビフィルムが難燃性なんですが
これはちょっと微妙なところがあります。
間違いなく燃え広がらないんですが
加熱すると塩化水素ガスが出るんですね。
塩化水素ガスは水に溶けると塩酸。
つまり、有毒ガスです。
不完全燃焼すると塩素ガス。
カルキのニオイですね。
これも有毒ガスです。
とはいえ、普通に使うなら
燃えることもないでしょうから
塩ビフィルムは安いので
使いやすいかも知れませんね。
購入するなら塩ビの白い
壁紙が入手しやすそうです。
管理人のまとめ
今回は、不燃紙を使いたいが値段が高い
代わりになる方法は、というお話でした。
管理人としては防炎スプレーがおすすめ。
紙で看板を作ってその上から
防炎スプレーを吹き付ける。
防炎スプレーによっては、
先に紙に吹き付けてから
看板を描いたほうが
いいのかも知れません。
ペイントがスプレーで流れるとか
スプレー後には描けないとか
そのあたりは相性があるので
やってみないと分かりません。
このあたりはちょっと試験してから
本番をやったほうがいいでしょう。
イベントで使用する施設が
どの程度の不燃紙のレベルを
求めるかによるとは思いますが、
これでだいたい行けると思いますね。
その他の代替案としては
紙ではなく塩ビフィルムを使う。
塩ビの壁紙もいいでしょうね。
ホームセンターで簡単に入手できるし。
塩ビは燃えると塩化水素ガスが
出るんですがそれは火災のとき。
実際にイベントで看板が燃えるとか
そういうことはほぼ起こらないでしょうし
塩ビの場合は自己消火性があるので
火が付いてもすぐに消えます。
マンションの火事で壁紙から
有毒ガスが出るとかありますが
それは周りが燃えていたらという話で
塩ビ単独の場合は火が消えてしまうので
有毒ガスの塩化水素ガスが
出るにしてもすぐにおさまるはず。
ここはそんなに神経質にならなくても
いいんじゃないかと思いますね。
あとはどんな看板を作るかと
コストとの兼ね合いでしょう。
管理人的には防炎スプレーが
何かと便利そうに思いますが。
この記事が、不燃紙の代替品を
考えるときの参考になればと思います。
イベントの看板、いいのを作って下さいね!