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インクジェット光沢紙。100均に両面タイプがない理由

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回のお話は両面印刷タイプの
インクジェット光沢紙が100均にない理由。

たとえば自分のお店用に、
写真入りのパンフレットを作るとします。

できれば両面とも写真入りがいい。

インクジェットプリンタは
自宅にあるのを使うとして。

問題は紙をどうするか。

写真入りだから写真用の
インクジェット光沢紙を使いたい。

それで出来るだけ安くしたいと思って
100均に買いに行くんだけど置いてない。

なんで?

というわけですね。

片面インクジェット光沢紙はあるのに
両面インクジェット光沢紙はない。

両面マット調インクジェット用紙はあるのに
両面インクジェット光沢紙はない。

家電量販店にはあるのに、
100均にはない。

ラインアップされないのが
ちょっと不思議です。

元製紙会社社員の目からみると、
採算が合わないからだろうと思います。

家電量販店や通販の価格を見ても、
A4が1枚あたり30~40円します。

2~3枚で100円になるのでは、
100均で販売できないんでしょう。

両面に写真を入れて飾るという
需要も少ないだろうし。

それにしても、
どうしてそこまで高いのか、

この記事では、
両面インクジェット光沢紙が

どうしてそこまで高いのか、
自分の経験も交えてお伝えします。

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インクジェット光沢紙が高い理由

両面写真入りのパンフレットを作るなら
両面インクジェット光沢紙がおすすめ。

何と言っても仕上がりがきれい。

お店や自宅のインクジェットプリンタでも
簡単に作れますからね。

それはそうなんですが値段が高い。

たとえばアマゾンで値段を比較すると、
普通紙ならA4で1枚が1円程度。

両面印刷のマット調インクジェット用紙で、
A4が1枚10円~20円。

片面インクジェット光沢紙なら、
A4が1枚で10~20円。

ところが両面インクジェット光沢紙は
A4が1枚で30~40円。

価格が全く違います。

ここまで価格が違う理由は何なのか?

元製紙会社社員として
説明したいと思います。

塗料の薬品費が高い(変動費)

これは分かりやすいと思うんですが、
インクジェット光沢紙に使われる薬品、

特に塗料は製紙薬品としては
とても高い部類に入ります。

普通紙は塗工していませんから、
そんなに高くない。

マット調インクジェット用紙は
塗工していますからその分コストがかかる。

インクジェット光沢紙は、
マット調インクジェット用紙をベースに、

さらに塗工して製造されることが多いので、
もっとコストがかかる。

そういう風にコストが掛かるんですね。

使われている塗料の薬品も、
マット調インクジェット用紙なら、

シリカゲルやホワイトカーボンと
呼ばれる薬品がメイン。

インクジェット光沢紙は、
この上にさらにコロイダルシリカと

呼ばれる薬品を塗工するんですが、
コロイダルシリカはとても高い薬品。

単価はシリカゲルの10倍以上
だったと思います。

紙に対する構成比率が違うので、
単純に比較は出来ませんが、

コストが大きくちがうことは
間違いないと思います。

工程費が高い(固定費)

もう一つコストを上げる要因は、
工程費が高いこと。

塗工回数が多くなるほど
コストが上がるということです。

これは設備にもよるんですが、
このような塗工紙を製造する場合、

塗工層を一層塗工するために
塗工機を一回通すことになります。

たとえば普通紙なら塗工しませんから、
塗工機は使わない。

両面マット調インクジェット用紙なら、
塗工機を2回通す。

片面インクジェット光沢紙なら、
塗工機を2回または3回通す。

両面インクジェット光沢紙なら、
塗工機を4回通す。

こんな感じになります。

設備によっては一気に両面塗工出来るとか、
異なる2層を重ねて同時に塗工できるとか

そういうものもありますが、
自分が開発に関係していたときは

そんな良い設備はなくて、
一層ずつ塗工してました。

片面インクジェット光沢紙なら2回塗工、
両面インクジェット光沢紙は4回塗工。

こうなると固定費は2倍になるわけです。

しかも単純に固定費が
2倍になるだけではありません。

ここに収率というものがかかってきます。

塗工した紙が100%製品、
というわけではありません。

必ずロスが発生します。

たとえば1回の塗工で製品になるのが
90%だったとします。

そうすると、

1回塗工で90%
2回塗工で81%

3回塗工で73%
4回塗工で66%

となります。

2回塗工と4回塗工では、
収率が81%と66%なので

だいたい1.2倍くらい違う、
ということになります。

収率については計算しやすいように
適当に設定しましたが、

実際には塗工速度なども関わるので、
もっと差は開くと思います。

また欠陥が発生すれば、
その部分は製品になりませんが、

塗工回数が増えるほど
そのリスクも増えてコストが上がる。

両面インクジェット光沢紙の値段は、
こんな感じで高くなるということです。

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管理人のまとめ

今回は両面インクジェット光沢紙が
100均にない理由をお伝えしました。

管理人の結論は、
両面インクジェット光沢紙は高すぎて、

採算に合わないから置いていない、
ということです。

自分が開発に関わったときは
インクジェット光沢紙が技術的に難しく、

開発できませんでしたが、
それが両面となるとさらに難しいはず。

もっと安くなればお店のチラシなんかに
気軽に使えるようになるんでしょうが、

今の価格では高級なパンフレット、
みたいな用途でないと厳しそうです。

しかし、昔はコート紙だって高級品でした。

技術が進化すれば、
両面インクジェット光沢紙も

もっと安くなって使いやすくなる、
そんなふうに期待しています!

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