鉛筆が書ける仕組み。紙表面の細かい凹凸が重要なカギ?

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鉛筆 書ける

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回のお話は、
鉛筆が紙に書ける仕組み。

子供に鉛筆で紙に文字が書けるのは何故、
と聞かれた事はありませんか?

鉛筆が紙に書けるのは当たり前だから、
あんまり仕組みまで考えませんよね。

ノート、メモ帳、コピー用紙など、
身近な紙には書けますが、

表面がツルツルのコート紙、
たとえば写真集とかカレンダー、

こういう紙に鉛筆で書こうとしても
滑って書けないのは何故?とか。

子供には鉛筆の芯が紙で削れて
黒い粉が紙に残るから文字が書ける、

という感じで説明するんでしょうが、
実際のところはどうなのか?

この記事では、
鉛筆が紙に書ける仕組みについて、

自分の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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鉛筆が書ける仕組みと紙表面の凹凸

鉛筆が紙に書けるのは、
紙表面の凹凸と関係しています。

だいたい想像できると思いますが、
ノートなどは表面に細かな凹凸があって、

そこに鉛筆の芯が当たると
砕けて粉になるんですね。

鉛筆の芯は黒鉛と粘土を混ぜて
焼き固めたものなんですが、

この鉛筆の芯が砕けて粉になった黒鉛が
紙の繊維に付着して文字になるというわけ。

そう考えるとコート紙のように
非常に平滑度が高い紙は、

ノートの表面よりも凹凸がもっと細かいので
鉛筆の芯があまり砕けない。

だから文字は上手く書けないし、
書けても色が薄いということなんです。

じゃあティッシュペーパーは書けないぞ、
ということもあるんですが、

この場合は紙が柔らかすぎて
鉛筆の芯が砕けない。

だからからやっぱり書けない
ということになるでしょう。

ここでもう一つ疑問が出てきました。

もし黒鉛が紙の表面に乗っているだけなら
紙を振れば文字が消えるんじゃないか?

紙を揺すったら文字が動くとか、
そんなことを思ったんですよね。

黒鉛が繊維に付着しているにしても、
そこまで強くくっつくものなのか?

実際には紙を振っても
鉛筆で書いた文字は消えません。

黒鉛が紙に染み込むわけでも、
接着しているわけでもないのに。

いったいどうなっているのか?

これ、実は紙表面の繊維に
黒鉛が絡まっている状態なんだそうです。

複雑に絡まった紙表面のパルプ繊維に
黒鉛が絡まるから動かない。

しかし黒鉛は絡まっているだけ。

だから消しゴムのように
粘着力が強いもので紙表面を擦ると

消しゴムカスが黒鉛をくっつけて
紙表面から無くなるので文字が消える。

こんな感じで鉛筆は紙に書けるし、
消しゴムで消せるということです。

鉛筆の硬さについて

ここからはちょっとマニアックな話です。

鉛筆の芯には色んな硬さがありますよね?

たとえば三菱uniだったら
10H~10Bまであるようです。

硬い方から

10H→H、F、HB、B→10B

となっていました。

その説明を見ると、

鉛筆についているH、B、Fという記号は、
芯(しん)の濃さと硬さを表すもの。

HはHARD(ハード:かたい)、
BはBLACK(ブラック:黒い)の略字で、

Hの数字が多いほど薄く硬い芯、
反対にBの数字が多いほど濃く柔らかい芯。

FはFIRM(ファーム:しっかりした)で、
HとHBの中間の濃さと硬さ持った芯のこと。

となっていました。

JIS規格だと6Bから9Hまであるようです。

ちなみに鉛筆の硬さは
黒鉛と粘土の比率で決まり、

よく使われるHBだと
黒鉛が約70%なんだとか。

この鉛筆の硬さというのは
思った以上に規格がきっちりしていて

プラスチックや塗膜の硬さを
測定する時に使用されるんです。

鉛筆硬度試験と言うんですが、
管理人は最初この話を知った時、

鉛筆の芯にそんなに精度があるのか?
と信じられませんでした。

それでよくよく調べてみると、
やっぱり鉛筆の硬さにはばらつきがある。

たとえば2Hといっても、
Hに近いものから3Hに近いものまである。

それは統計的にばらつくので
仕方がないんです。

だから鉛筆硬度試験には
どの鉛筆を使ってもいいわけではない。

ところがその鉛筆硬度試験用に
検定した鉛筆があるんです。

引っかき硬度試験用鉛筆というのが
日本塗料検査協会で販売されています。

さっき調べたら1本200円でした。

試験用で1本あれば相当長持ちしますから
このくらいの値段するんでしょう。

それでどうやってこの鉛筆の芯自体、
品質確認をしているんだろうと思ったら

曲げ強さ、動摩擦、かたさと濃さ、摩耗度、
について測定し決めているんだとか。

製造ロットで抜き打ちテストをして、
こんな測定をして品質保証している。

たかが鉛筆の芯と思ってましたが、
管理人はこのことを知った時、

これは相当奥が深いものだと
感心しました。

なおこの試験に使える鉛筆は
日本では三菱鉛筆uniが代表例。

実質的にこれしかないと思います。

あと、1本の鉛筆が書ける距離は約50km、
マラソンやるより距離が長いんだそうです。

管理人のまとめ

今回は、鉛筆が紙に書ける仕組みと
鉛筆の硬さについてお伝えしました。

鉛筆の芯が紙の凹凸で砕かれて、
黒鉛が紙の繊維に絡まる。

それで紙に鉛筆で書けるということでした。

子供に仕組みを説明するなら、
鉛筆の芯の黒いのが紙で削れて文字になる、

という感じで説明して
だいたい良いんじゃないかと思います。

あと、鉛筆の硬さについては、
ずいぶんマニアックな話でした。

管理人は鉛筆の芯の硬さで
塗料の膜の硬さを検査していると知った時、

こんな方法でよく品質検査できるものだと、
驚いたものです。

実はスマホや液晶パネルの表面、
車の塗装や保護フィルムの硬さなど、

塗装に関する塗膜の硬さは、
鉛筆硬度で管理されているんです。

日常的なものの硬さの品質管理には
かなり重要なんですね。

ということで鉛筆も奥が深い。

筆記用具としての鉛筆は
シャープペンシルに負けて、

減少傾向ではありますが、
もっと頑張って欲しい。

電子機器で勉強するのは効率がいいですが、
鉛筆にも良いところがあるはず。

特に小さな子供は
鉛筆を握って勉強をしてほしい。

管理人はアナログな紙と鉛筆には教育的に
大切な力があると思っていますので。

(参考)
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