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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回はカバンのアンコの詰め物の
紙の品種は何かというお話。
カバンとかポーチを購入すると
型崩れ防止用の詰め物が入っています。
使われている紙は、新聞紙みたいな
グレーに近いものとか白いもの。
カバンを手作りしている人なんかだと
カバンは作ったけど詰め物のあの紙
どうしたらいいんだろうとか
考えるかもしれませんね。
それであのアンコの紙なんですが
グレーな紙は中質紙または更紙、
白い紙は薄葉紙、純白紙などと
呼ばれる品種の紙です。
また、ネットでアンコ紙と検索すれば
販売しているお店も出てきますね。
じゃあそれを購入して
手作りバッグに詰めればいい、
ということなんですが
ちょっと待って下さい。
実は中質紙とか更紙はもともと
安いから使われているだけで
品質的に有利な点があるから
使われているわけではないんです。
むしろ中質紙や更紙は経時変化で
退色するのであまりよくない。
個人が使うなら純白紙を使う方が
長持ちするし高級感もあっていい。
通販で安く買えますが
最低100枚とかになるんですね。
でも個人がバッグを作るなら
そんなに枚数いらないと思うんです。
ではどうすればいいか?
ということで。
この記事ではバッグの型崩れ防止に
詰められるアンコの紙について
管理人なりの見解を
お伝えしたいと思います。
カバンのアンコの詰め物に使う紙について
中質紙や更紙を使う場合
まず中質紙とか更紙を使う
メリットとデメリットを。
メリットは安いこと。
それ以外思いつきません。
ただし安いと言っても
大量に購入した場合の話。
個人が100枚程度購入しても
コストメリットなど感じません。
通販だったら紙の値段より
送料のほうが高かったりしますから。
デメリットは退色すること。
中質紙や更紙は通常酸性紙。
そして機械パルプが配合されています。
機械パルプというのは木材を機械的に
磨り潰して作るパルプ。
そのため成分は木材と同じで
セルロースとリグニンが含まれています。
セルロースは白い繊維なんですが
リグニンは茶色い接着剤なんですね。
木材ですから繊維をくっつける
接着剤の働きが必要なんです。
白い紙の場合はこのリグニンを
化学的に取り除いていますが
あまり白くない紙の場合は
リグニンを取り除かずに紙にする。
だからグレーとか黄色っぽい紙になる。
このリグニンは光にあたると
簡単に黄色くなって劣化します。
それでもバッグの中に詰めれば
光が当たらないからいいじゃないか。
そう思うんですがデメリットは
それだけではないんですね。
中質紙や更紙は酸性紙だと書きました。
酸性紙というのは硫酸バンドという
薬品を使って製造している紙なんですが
これは湿気があると硫酸になって
紙を酸化させるんです。
古い本がボロボロになるので
文献の保存が大変だったりしますが
だいたい悪いのはこの硫酸バンドから
出てくる硫酸になります。
硫酸はリグニンもセルロースも
酸化劣化で黄変化させます。
硫酸が出て来るということは
紙そのものの劣化はもちろんですが
接触しているものを酸化劣化させる
可能性があるんですね。
たとえばバッグだったら
皮革や布が劣化する可能性がありますし
金属部分があった場合
錆びる可能性があります。
もちろんそれは何年も保管していれば
という話ではありますが、
せっかく作ったバッグがアンコの紙が原因で
劣化するなんて回避したいですよね。
元製紙会社社員の立場から言うと
中質紙や更紙をアンコに使うのはよくない。
バッグやポーチを購入して
すぐに使うなら影響はないですが
その状態で長期間保管するのは良くないし
個人が手作りで作ったものなら
そんなところはケチらずに
いい紙を使えばいいと思うんですね。
薄葉紙を使う場合
次に薄葉紙を使う
メリットとデメリットについて。
薄葉紙は色んな薄い紙の総称です。
インディアペーパーのような
印刷用もありますが
ここで使われるのは包装用で、
品種名は片艶晒クラフトとか純白紙。
検索するときは純白紙とか
純白ロールでヒットします。
これはメリットのほうが多いです。
まず色が白いので見栄えが良いし、
それに晒クラフトパルプ100%なので
中質紙や更紙のようにリグニンがなく
光にあたっても極端に退色しない。
純白ロールすべて中性紙とは限りませんが
中性紙の場合は硫酸バンドの害もない。
デメリットとしては若干値段が高い
ということなのですが
せいぜい100枚で数百円と
たいした金額にはなりません。
販売しているのは文具屋などですが
通販が便利だとは思います。
ただし、アンコの紙をわざわざ買うのも
どうかなと思う人に提案があります。
コピー用紙とキッチンペーパーを使う
管理人が何か代用できないか
ということで調べて出てきたのが
コピー用紙とキッチンペーパーを
アンコとして使うという方法。
やり方は簡単でコピー用紙を丸めて
その回りにキッチンペーパーを巻くだけ。
コピー用紙もキッチンペーパーも
スーパーやホームセンターにある。
しかも購入しても無駄にならない。
またどちらも紙が白くて中性紙。
だから退色したり劣化しないし
硫酸バンドの害もない。
コピー用紙はしっかりしているし
回りにキッチンペーパーを巻いておけば
柔らかいのでバッグの中身を
傷つけることもない。
見栄えは純白紙に劣りますが
個人が趣味で使うなら便利だと思います。
(参考)
バッグの型崩れ防止用詰め物について
管理人のまとめ
今回は、カバンのアンコの詰め物の
紙の品種は何か?というお話でした。
新聞紙に似た紙は中質紙か更紙。
白い紙は薄葉紙の純白紙。
ただし、純白紙は見た目も白く
キレイで劣化もしませんが
中質紙や更紙は劣化するので
おすすめできないということでした。
またわざわざアンコの紙を
買うのもどうかというなら
コピー用紙とキッチンペーパーを
代用品に使うのがいいとお話しました。
たかがアンコの紙ではありますが
手作りカバンのアンコが退色していたら
カバン自体がダメなものに
見えてしまいます。
その程度はケチケチせずに
見栄えの良いものを使って欲しい。
この記事がカバンのアンコの
参考になればうれしいです。
カバン作り楽しんで下さいね!