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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、掛け軸の表装は自分で出来る?
簡単なものなら掛け軸キット!というお話。
管理人の自宅にも掛け軸があります。
両親が四国88箇所を巡礼した時のやつ。
それなりに表装もしてるんですよね。
逆に言うと掛け軸って表装がないとただの紙。
ありがたみを感じないんですよね~
それはそうとして。
管理人の自宅にあるお遍路の掛け軸は
完全に出来合いのものなわけですが
中には自分で書画を書いてそれを
掛け軸にしたいという人もいる。
でもそんなのをいちいち表具屋に
仕上げてもらうのも気が引ける。
なんとか自分で出来ないか?
と思ったら掛け軸キットがあるそうです。
ということで。
この記事では、掛け軸の表装は自分で出来る?
簡単なものなら掛け軸キット!について
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
掛け軸の表装を自分でやるなら掛け軸キット
掛け軸キット、たとえばこんなやつ。
アイロンで簡単掛け軸製作!掛け軸キット 半紙サイズ 三段表装 (紺色系)
自分で書いた書画を掛け軸にして
床の間などに飾るとかですね。
この掛け軸は直接書くのではなく半紙に
書いた作品をアイロンを使って貼る感じ。
動画が分かりやすいでしょうか。
見ている感じでは簡単な感じがしますね~
実際に自分でやるとこんなに
簡単には出来ないとは思います。
しかし、本格的な表装ではないにしても
この程度のものが自分でも出来るんですね。
それはすごいことだと思います。
それにしても。
これなら簡単にできる、
なんていいましたけど
それでも作品に裏打ちをして
掛け軸に貼り付けてと言う作業
細かい注意点もありますから
一発で上手にやるのは大変かなと。
それから動画でも注意されてましたが
アイロンで貼る掛け軸は趣味の範囲。
高価なものや後世に残すものには
使ってはいけないということです。
古くなった作品を打ち直せないらしい。
これは多分アイロンで貼るために使う
接着剤が従来の糊とは違うからかなと。
どういうことかというと。
従来の糊は基本的に澱粉糊。
これは水で溶ける糊ですよね?
紙を裏打ちしていても十分に湿らせて
ゆっくり剥がせば剥がすことが出来る。
しかしアイロンで貼る場合は
ホットメルトのような糊。
ホットメルトの場合、成分は
エチレン酢酸ビニル(EVA)が
多いのでこれは熱で軟化しますが
水で湿らせても剥がすのは無理。
なのでEVAが劣化して表装修理を
しようとなってもうまく出来ない。
従来の澱粉糊なら修理できるのに。
ただ、アイロンで貼るのは水分で
紙が伸びるとかを考えなくていい。
そこが素人でも比較的簡単に
出来るかなというところ。
多分、こういう何枚も紙を重ねて
貼る作業で一番面倒なのは水分。
紙は水分を吸収して伸びるし
乾いたときには縮むんですが、
その寸法の変化を考慮して作業しないと
紙がカールするとか寸足らずになる。
そうなると非常に見栄えの悪い
作品になってしまうわけですよ。
でも紙の寸法変化なんて微妙だから
経験と勘が働かないとうまく行かない。
多くの経験をしているプロとたまに
やってみる素人の違いが出るかなと。
そう考えるとやっぱり高価なものは
表具屋さんに頼むのがいいでしょう。
特に後の世まで残したいものは。
管理人の感覚だと自分一代限りなら
アイロンの表装で十分だと思います。
しかし、孫の代に伝えるなら
必ず修理が必要になる。
そのときにアイロンで貼ってたら
普通の修理ができないわけです。
それではもったいないですからね~
無下には出来ないですよね~
掛け軸の表装の普及発展は江戸時代
ここからは余談です。
管理人のイメージでは掛け軸は
茶の湯で広まった気がするんですが。
管理人が調べたところではこんな感じ。
掛け軸は中国発祥。
元々は仏画を掛けて礼拝したようです。
日本だと飛鳥時代にはあったとか。
鎌倉時代に禅宗の水墨画が流行り
室町時代以降茶の湯で床の間に。
やはり千利休の影響が大きいらしい。
しかし庶民にまで普及するのは江戸時代。
そのときに明朝式表具が日本に入り
表装の技術も華やかに発展したとか。
もうこの頃だと水墨画だけではなく
日本画でも何でもありみたいですね。
それでも仏教関係が多いように思いますが。
管理人のまとめ
今回は掛け軸の表装は自分で出来る?
簡単なものなら掛け軸キット!
というお話でした。
管理人、掛け軸は表具屋に
頼むものと思ってましたが。
今は簡単なものなら自分でも
表装が出来るんですね。
もちろん重要な作品はプロに頼むんですが
自分や子供の書画なら自分で表装やればいい。
表装そのものが趣味としても楽しそうですし。
それにしても。
紙を重ねて貼っていくという作業
簡単そうに見えて神経を使います。
掛け軸キットでの表装を見て
かえってプロはすごいなと。
やっぱり伝統の職人技なんでしょうね~
この記事が、掛け軸の表装を自分で
やるときの参考になればと思います。
掛け軸、いいものを作って下さいね!
(参考)
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