紙の発火点は約何度?上質紙で450℃、新聞紙で290℃!

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紙 発火点

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、紙の発火点は約何度?
上質紙で450℃、新聞紙で290℃
というお話。

管理人、紙は燃えやすいと思ってます。

それ自体は間違ってないんですよね。

ただ。

燃える温度、つまり発火点が低いかどうか
それはまた別のお話なんですよね。

ペラペラの紙は火をつければ
簡単に燃えるのだから

発火点も低くて危険なんだろう、
そういうイメージじゃないでしょうか?

でも実はそうではない。

ということで。

この記事では、紙の発火点は
約何度?ということについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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紙の発火点。上質紙で約450℃、新聞紙で約290℃

管理人も紙の発火点、正確なところは
あやふやだったのでネットで再確認しました。

ちなみに発火点は、物質を空気中(酸素中)で
加熱して自ら燃え始める温度、となります。

それで、結論は以下の通り。

模造紙(上質紙):450℃
新聞紙:290℃
木材:400-470℃

という感じですね。

模造紙(上質紙)と新聞紙で
発火点が違うのは

上質紙の成分が化学パルプつまり
セルロースと炭カルなどの粘土に対し

新聞紙は古紙パルプと機械パルプが
主体でセルロース以外にリグニンも

含まれているからこのように
なっていると推定されます。

リグニンは化学構造が一定でないので
発火点も範囲が広いわけですが

その比較的低い方に引きずられる
ということじゃないかと思いますね。

いずれにしても。

紙の発火点は思ったより高い。

もしかすると、紙の発火点が水の沸点
100℃より低いと思っていた人もいるかも?

この温度って天ぷらする時の温度、
160℃-200℃よりも高いということ。

極端な話、紙を天ぷらにしても
簡単には燃えませんよということ。

ここは分かって欲しいところですね。

紙が燃えやすい理由

しかし現実には紙はよく燃えます。

理由はいくつかあるんでしょうが
まず言っておきたいことがあります。

たとえばライターの炎の温度。

これは一般的なものなら
800℃-1000℃になるんですね。

いくら紙の発火点が高くても
こんな温度になれば燃えます。

それと、紙の主成分であるセルロースは
発火するまではなかなか燃えませんが

一旦燃え始めるとものすごい勢いで
分解して燃えてしまいます。

セルロースはブドウ糖がたくさん
くっついた高分子なんですが

燃焼が始まると一気に
分解して燃えるわけですね。

ブドウ糖といえば食べて速攻エネルギー。

セルロースが分解されれば
一気に燃えるわけです。

紙の発火点が高くても長時間の加熱は危険

ここまで紙は意外に燃えにくい
ということをお話してきました。

しかし、注意しておきたいことがあります。

それは長時間の加熱は危険ということ。

水や油の中に入っていれば
加熱しても水や油の温度より

紙の温度が上がるということはなく
同じ温度になってくると思います。

そういう意味では沸騰したお湯に
入れて髪が燃えることはない。

しかし空気中で加熱し続けると危険。

空気は断熱効果が高いので
紙の内部に熱が蓄積するんですね。

空気中に放熱する熱量よりも
内部に蓄積する熱量が多いと

発火点を超えて温度が上がる
という可能性はあります。

それは紙に限りません。

コンロのそばにカレンダーなどがあって
加熱し続けられたらどうなるか。

そこの内部に熱が溜まって
発火点まで温度が上がるかも。

これはないとは言い切れません。

なので、やっぱり火のあるところに
紙は置かないほうがいいでしょうね。

燃えないわけじゃありませんから。

紙の灰分測定方法について

ここからは余談です。

ここまで、紙の発火点は
結構高いというお話をしました。

実は、紙には炭酸カルシウムやクレー
タルクというような灰分が入っていますが

これらは基本的に粘土で
燃えるものではありません。

特にクレーやタルクは酸化アルミニウム、
酸化ケイ素などの酸化物なので

これ以上燃焼ということにはならない、
そのため実際的には燃えないんです。

炭酸カルシウムは炭カルと言われますが
これは600℃くらいになると分解します。

それで。

灰分測定するときには単純に燃やすのではなく
セルロースやリグニンは燃えて気体になるが

炭カルが分解しない温度に
設定する必要があります。

今のところその温度は525℃のようです。

やり方としては紙を一定重量測定し
るつぼに入れてマッフル炉という

電気炉で燃焼して残ったものの
重量と比較して灰分率を算出する。

そのとき水分の影響があるので
もとの紙の水分率は別途測定しておく。

という感じですかね。

紙が低温で燃えるのならこんな
525℃という温度設定はしなくていい。

紙は燃えやすいというイメージですが
そう簡単にはいかないといういことです。

そうそう、灰分ですけど
X線で元素分析もできます。

灰分ってほとんどが金属酸化物。

なのでX線でカルシウムやらアルミやら
マグネシウムやらが出てくるんですよね。

その比率で灰分の配合率も分かります。

これだけでも紙にどんな灰分を
配合しているか分かるんですよね~

ある程度ではありますけど。

管理人のまとめ

今回は、紙の発火点は約何度?
上質紙で450℃、新聞紙で290℃、
というお話でした。

紙は燃えやすい素材ではありますが
発火点としては低いわけではない。

一般的なイメージでは沸騰したお湯に
入れても燃えるみたいな感じですが、

実際には天ぷら油で揚げても
燃えたりはしません。

ただし、ライターの炎の温度は
800-1000℃なのでそれを

紙につければといくらなんでも
燃えてしまうということですね。

そして紙は一旦燃え始めると
一気に燃えてしまう。

紙の主成分であるセルロースは
分解したらブドウ糖になりますから

燃焼カロリーが高い
ということなんでしょう。

なお注意点としては温度が発火点まで
なっていなくても長時間加熱すると

紙の内部に蓄熱して発火温度を
超えてしまい燃えることがある。

そういうところは油断禁物ですね。

この記事が、紙の発火点の
参考になればと思います。

紙の発火点が高いとは言え
燃えやすいのは間違いない。

火気厳禁で取り扱い、お願いしますね!

(参考)
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